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キャンプ場へ行こう!
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長男:一(はじめ)。武尊に一兄さん(はじめにいさん、略して一にい)と呼ばれる。
二男:蒼紫(あおし)。同じく略して蒼紫にいと呼ばれる。
**************
「一(はじめ)にい、準備は?」
「ああ・・・いつでもいいぞ。」
一は煙草をふかしながら右肘を窓に置いてバックミラーを見ていた。
そしてバタムと音がして蒼紫が後部座席に乗り込んだ。
助手席に座っている武尊は振り向いて蒼紫に聞く。
「 蒼紫にい、戸締りは?」
「ああ、鍵はかけた。火元もOKだ。」
「じゃあ行きますか、しゅっぱ~つ!」
と、元気よく武尊は掛け声をあげ、その合図で一はアクセルを踏んだ。
**********
やっと三人そろった斎ノ森家の夏休み。
長男の一は少し遅れた夏季休暇を取って東京から京都へ車で帰省した。
お盆の渋滞は逃れたもののさすがに車では疲れる。
ようやく夜中に我が家へたどり着いた一は疲れを取ろうと一風呂浴びた。
ようやくこれでうまいビールが飲めると台所へ行ったところ、武尊が、
「はい、一にい。」
と、冷凍庫を開け350mlの缶ビールを一に手渡した。
「随分用意がいいじゃないか。」
一がにやりとしながらキンキンに冷えたビールをプシュっと開けた。
(フフン、何か言いたいことがあるのが見え見えだ。)
と、一は武尊の表情を見て一目でそれが分かった。
片手を腰に当てビールを煽り、独特のうま味が喉を滑り落ちる。
一がゴクンと一口喉を鳴らしたのを見て武尊が控えめに口を開いた。
「ねぇ・・・・一にい・・・・、明日みんなでキャンプへ行かない?。」
「ゴホッ、ゴホッ!」
まさかそう来るとは!
そのお願いは兄を驚かせるには十分だったらしい。
「そんなこと(休み前に)言ってたか?聞いてないぞ。」
「ううん・・・、今日商店街の福引引いたらキャンプ場の宿泊券が当たったの。無理だったらいいよ、急な話だし一にい疲れてるもん・・・。」
「どれ、見せてみろ。」
武尊は一に言われて冷蔵庫のマグネットに挟んであった券を一のところへ持って行った。
一が券を手に取るとそこには
『=三条商店街サマー大感謝祭り! 福引二等当選=
飛び出そう大自然へ!《 KTオートキャンプ場 》**区画E-6**
(テント・タープ・バーベキューコンロレンタル含みます)』
と書いてあった。
「KTオートキャンプ場・・・・と言えば、京都のはずれにあるあそこか!」
「うん、ちいさな町なんだけど、自然に囲まれてるし一にい、大都会での仕事だからたまにはそういうのもいいかな・・・、と思って。」
一は、いちおう自分に気遣いしているのかと思いつつ、
「だが何故明日なんだ。」
と疑問をぶつけた。
「裏も見て、一にい。」
と武尊に言われ、一はペラっと裏返しそこにあった日付を見た。
「指定日明日じゃないか!」
「うん、そうなの。・・・・・どう?一にい。」
一の顔を覗き込むように武尊が見つめてくる。
一は券をじっと見ている。
そしてテーブルの椅子を引き座って肘をついた。
「・・・蒼紫は何て言っていた。」
「うん、蒼紫にいがバイトに出かける前にこの事を話したら、一にいがOKすればいいんじゃないかって言ってた。蒼紫にいは明日の晩はバイト入ってないって。」
一はテ-ブルの上に置いてあった煙草の箱から1本取り出すとジッポで火を点けた。
フゥゥ・・・。
一が吐きだす煙草の煙を見ながら武尊は兄の答えをじっと待った。
(この夏は道場の飲み会以外の予定はなかったな・・・・。)
土日を入れて1週間の夏期休暇。
ゴロゴロしているとあっという間に終わってしまいそうだ。
それならば可愛い妹の為時間を費やすのも悪くない。
「いいだろう、ちゃんと準備は出来るんだろうな。」
と、一は言った。
その一言に武尊の顔がぱっと明くなった。
「うん大丈夫、ほとんど手ぶらでいいんだもん!ありがとう!一にぃ本当疲れているのにゴメン!ありがとう!」
と言って武尊はさっそく支度をしにパタパタと二階へあがって行った。
いつ見ても可愛い妹・・・・、その後ろ姿を目を細めて一は見ていた。
その時ガチャガチャと玄関の鍵を回す音が聞こえて次男の蒼紫がバイトから帰って来た。
蒼紫は玄関の兄の靴を見ると居間へやって来て、台所のテーブルに座っている一を見つけた。
「お帰りなさい兄さん。いつ帰ったの。」
「ああ、ついさっきだ。蒼紫、バイト終わるの早かったな。」
「ああ、今日はどこかの女子大の二次会の予約が入ってるとかで俺の代わりに大旦那が入ってる。俺もバイト前に武尊から明日の話聞いていたから早く上がってこれるのに越したことはない。で武尊は?」
「武尊は上で明日の準備を始めたようだ。」
「兄さん、明日のキャンプOKしたの?」
「あんな目をされてお願いされてはOKするしかないだろう。別にかまわんさ、武尊がそれで喜ぶならな。」
「そうだね。・・・・俺も早く風呂入って汗流して来るよ。」
と蒼紫はそう言った後にちらっと一を見た。
「なんだ。」
「兄さん、風呂からあがってずっとその恰好でいたの?」
「ん?何も変じゃないだろう。」
一は黒Tシャツに黒のトランクス一丁。
「武尊もいつまでも子供じゃないんだからね、少しは気を使いなよ。」
「いいじゃないか、俺は昔から夏はこの恰好だ。武尊は別に何も言わなかったぞ。」
「知らないからね俺は。そのうち悲鳴でもあげられても。」
と言うと蒼紫は風呂場へ向かった。
「なにが悲鳴だ・・・ったく。風呂だってお前や武尊が小さい時は一緒に入ってやってたんじゃないか。」
一はビールを一気に飲み干すと煙草を灰皿に押し付け二階へ上がった。
武尊の部屋の前で一応ノックする。
「入るぞ。」
「あ、いいよ-。」
「俺は何を準備すればいい?」
「着替えだけでいいよ。ク-ラ-ボックスは出しといたから氷と飲み物適当に入れていくだけだし。 昼食はどこか車で寄ってもらって・・・夕食は焼肉でいい?野菜は朝切るから。」
「ああ、別に構わないが。」
一はそう言いながら久しぶりに見る武尊の部屋をさっとチェックした。
以前に家に帰ってきたのは七夕の時。
それから何も変わってない事を確認すると、ベッドの上に明日持って行くものであろう着替えが並べてあった。
もちろん下着も・・・・。
(相変わらずシンプルだな・・・。)
レースなどはどこにもついていない機能的な下着。
パンツにおいては何かのキャラクタ-が大きくプリントされてある。
一は、蒼紫にいつまでも子供じゃないと言われて内心焦りを感じながらこの部屋へ入ったが高校生の頃と変わってない武尊の部屋に安堵を覚えた。
「・・・・にぃ。」
「あ?」
呼ばれた事に最初気がつかなかった一は、
「一にぃ、どうしたの?ぼ-としてたみたいだけど。やっぱ疲れてると思うから早く寝た方がいいよ。明日は運転してもらうんだから。」
と、言われた。
「そうだな・・・、ああ、武尊、蒼紫が帰って来たぞ。蒼紫にも準備するものがあったら言っておけよ。」
「蒼紫にいにはもう言ってあるから大丈夫。じゃあ、明日8時に家を出ようか。」
「8時だな、わかった。おまえも適当なところで早く寝ろよ。」
「うん。じゃあ、おやすみなさい一にい。布団干しといたから気持ちいいと思うよ-。」
「ああ・・・・すまんな、おやすみ武尊。」
二男:蒼紫(あおし)。同じく略して蒼紫にいと呼ばれる。
**************
「一(はじめ)にい、準備は?」
「ああ・・・いつでもいいぞ。」
一は煙草をふかしながら右肘を窓に置いてバックミラーを見ていた。
そしてバタムと音がして蒼紫が後部座席に乗り込んだ。
助手席に座っている武尊は振り向いて蒼紫に聞く。
「 蒼紫にい、戸締りは?」
「ああ、鍵はかけた。火元もOKだ。」
「じゃあ行きますか、しゅっぱ~つ!」
と、元気よく武尊は掛け声をあげ、その合図で一はアクセルを踏んだ。
**********
やっと三人そろった斎ノ森家の夏休み。
長男の一は少し遅れた夏季休暇を取って東京から京都へ車で帰省した。
お盆の渋滞は逃れたもののさすがに車では疲れる。
ようやく夜中に我が家へたどり着いた一は疲れを取ろうと一風呂浴びた。
ようやくこれでうまいビールが飲めると台所へ行ったところ、武尊が、
「はい、一にい。」
と、冷凍庫を開け350mlの缶ビールを一に手渡した。
「随分用意がいいじゃないか。」
一がにやりとしながらキンキンに冷えたビールをプシュっと開けた。
(フフン、何か言いたいことがあるのが見え見えだ。)
と、一は武尊の表情を見て一目でそれが分かった。
片手を腰に当てビールを煽り、独特のうま味が喉を滑り落ちる。
一がゴクンと一口喉を鳴らしたのを見て武尊が控えめに口を開いた。
「ねぇ・・・・一にい・・・・、明日みんなでキャンプへ行かない?。」
「ゴホッ、ゴホッ!」
まさかそう来るとは!
そのお願いは兄を驚かせるには十分だったらしい。
「そんなこと(休み前に)言ってたか?聞いてないぞ。」
「ううん・・・、今日商店街の福引引いたらキャンプ場の宿泊券が当たったの。無理だったらいいよ、急な話だし一にい疲れてるもん・・・。」
「どれ、見せてみろ。」
武尊は一に言われて冷蔵庫のマグネットに挟んであった券を一のところへ持って行った。
一が券を手に取るとそこには
『=三条商店街サマー大感謝祭り! 福引二等当選=
飛び出そう大自然へ!《 KTオートキャンプ場 》**区画E-6**
(テント・タープ・バーベキューコンロレンタル含みます)』
と書いてあった。
「KTオートキャンプ場・・・・と言えば、京都のはずれにあるあそこか!」
「うん、ちいさな町なんだけど、自然に囲まれてるし一にい、大都会での仕事だからたまにはそういうのもいいかな・・・、と思って。」
一は、いちおう自分に気遣いしているのかと思いつつ、
「だが何故明日なんだ。」
と疑問をぶつけた。
「裏も見て、一にい。」
と武尊に言われ、一はペラっと裏返しそこにあった日付を見た。
「指定日明日じゃないか!」
「うん、そうなの。・・・・・どう?一にい。」
一の顔を覗き込むように武尊が見つめてくる。
一は券をじっと見ている。
そしてテーブルの椅子を引き座って肘をついた。
「・・・蒼紫は何て言っていた。」
「うん、蒼紫にいがバイトに出かける前にこの事を話したら、一にいがOKすればいいんじゃないかって言ってた。蒼紫にいは明日の晩はバイト入ってないって。」
一はテ-ブルの上に置いてあった煙草の箱から1本取り出すとジッポで火を点けた。
フゥゥ・・・。
一が吐きだす煙草の煙を見ながら武尊は兄の答えをじっと待った。
(この夏は道場の飲み会以外の予定はなかったな・・・・。)
土日を入れて1週間の夏期休暇。
ゴロゴロしているとあっという間に終わってしまいそうだ。
それならば可愛い妹の為時間を費やすのも悪くない。
「いいだろう、ちゃんと準備は出来るんだろうな。」
と、一は言った。
その一言に武尊の顔がぱっと明くなった。
「うん大丈夫、ほとんど手ぶらでいいんだもん!ありがとう!一にぃ本当疲れているのにゴメン!ありがとう!」
と言って武尊はさっそく支度をしにパタパタと二階へあがって行った。
いつ見ても可愛い妹・・・・、その後ろ姿を目を細めて一は見ていた。
その時ガチャガチャと玄関の鍵を回す音が聞こえて次男の蒼紫がバイトから帰って来た。
蒼紫は玄関の兄の靴を見ると居間へやって来て、台所のテーブルに座っている一を見つけた。
「お帰りなさい兄さん。いつ帰ったの。」
「ああ、ついさっきだ。蒼紫、バイト終わるの早かったな。」
「ああ、今日はどこかの女子大の二次会の予約が入ってるとかで俺の代わりに大旦那が入ってる。俺もバイト前に武尊から明日の話聞いていたから早く上がってこれるのに越したことはない。で武尊は?」
「武尊は上で明日の準備を始めたようだ。」
「兄さん、明日のキャンプOKしたの?」
「あんな目をされてお願いされてはOKするしかないだろう。別にかまわんさ、武尊がそれで喜ぶならな。」
「そうだね。・・・・俺も早く風呂入って汗流して来るよ。」
と蒼紫はそう言った後にちらっと一を見た。
「なんだ。」
「兄さん、風呂からあがってずっとその恰好でいたの?」
「ん?何も変じゃないだろう。」
一は黒Tシャツに黒のトランクス一丁。
「武尊もいつまでも子供じゃないんだからね、少しは気を使いなよ。」
「いいじゃないか、俺は昔から夏はこの恰好だ。武尊は別に何も言わなかったぞ。」
「知らないからね俺は。そのうち悲鳴でもあげられても。」
と言うと蒼紫は風呂場へ向かった。
「なにが悲鳴だ・・・ったく。風呂だってお前や武尊が小さい時は一緒に入ってやってたんじゃないか。」
一はビールを一気に飲み干すと煙草を灰皿に押し付け二階へ上がった。
武尊の部屋の前で一応ノックする。
「入るぞ。」
「あ、いいよ-。」
「俺は何を準備すればいい?」
「着替えだけでいいよ。ク-ラ-ボックスは出しといたから氷と飲み物適当に入れていくだけだし。 昼食はどこか車で寄ってもらって・・・夕食は焼肉でいい?野菜は朝切るから。」
「ああ、別に構わないが。」
一はそう言いながら久しぶりに見る武尊の部屋をさっとチェックした。
以前に家に帰ってきたのは七夕の時。
それから何も変わってない事を確認すると、ベッドの上に明日持って行くものであろう着替えが並べてあった。
もちろん下着も・・・・。
(相変わらずシンプルだな・・・。)
レースなどはどこにもついていない機能的な下着。
パンツにおいては何かのキャラクタ-が大きくプリントされてある。
一は、蒼紫にいつまでも子供じゃないと言われて内心焦りを感じながらこの部屋へ入ったが高校生の頃と変わってない武尊の部屋に安堵を覚えた。
「・・・・にぃ。」
「あ?」
呼ばれた事に最初気がつかなかった一は、
「一にぃ、どうしたの?ぼ-としてたみたいだけど。やっぱ疲れてると思うから早く寝た方がいいよ。明日は運転してもらうんだから。」
と、言われた。
「そうだな・・・、ああ、武尊、蒼紫が帰って来たぞ。蒼紫にも準備するものがあったら言っておけよ。」
「蒼紫にいにはもう言ってあるから大丈夫。じゃあ、明日8時に家を出ようか。」
「8時だな、わかった。おまえも適当なところで早く寝ろよ。」
「うん。じゃあ、おやすみなさい一にい。布団干しといたから気持ちいいと思うよ-。」
「ああ・・・・すまんな、おやすみ武尊。」