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天橋立股のぞき
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股のぞきポーズの最中、武尊は左右の兄を確認するとそっと手をそれぞれの兄の手に伸ばす。
一も蒼紫もその手を握り返すがその三秒後、武尊がバランスを崩し転げそうになるのを両兄が武尊の手を持ったまま体を起こし、バンザイ姿で武尊は引き起こされ台を降りた。
「あー危なかった。一にい、蒼紫にい、ありがと!」
「こら、不安定な恰好の時に気を抜くんじゃないぞ。」
一のげんこつがコツンと武尊の頭に落ちた。
「痛い!」
「痛くないだろこれくらい。」
ぶーと頬を膨らませながらも武尊は天橋立の方を振り返り、
「みんなやってるからやってみたけど逆さで見たからってどうなのかな?景色ってあんまり変わらない気がしたけど。」
と漏らした時武尊の後ろで柔らかい声がした。
「『股のぞき』をするとですね、実際より小さく見えて奥行き感がなくなって見えるそうですよ。」
声の主の男・・年若く見える青年がニコニコしながら武尊に近づいて来る。
「そうなの?」
武尊はすぐさまもう一度股のぞきをしながら天橋立を覗いたが二人の兄はじっとその青年を見つめ・・いや、鋭い目で見返していた。
「嫌だなぁ、二人とも怖いですよ。お二人とも彼女の彼氏なんですか?二人も彼氏っがいるって彼女そんなやり手なんですか?」
「誰が・・」
青年の言葉に噛み付くように一が口を開こうとするとそれより早く武尊が焦って身体を起こし言葉を返した。
「ち・・・違うって!彼氏じゃなくてお兄ちゃんなの!・・じゃなくて!!兄です!」
真っ赤になって言い返す武尊に一も蒼紫も言葉が出ず、その青年も目を丸くした。
「あはははは!」
突然青年が笑いだす。
その高笑いに武尊はむっときて台を降り青年の所にやって来ると、
「ちょっと、初対面の人に失礼じゃない。そんなに笑うなんて。」
と言った。
「ごめんなさい、僕ちょっと笑い上戸で・・。」
とちょっと涙目になりながら答えた。
「貴方の声が大きかったからつい目が行っちゃって。笑ってごめんなさい。」
素直に謝られて武尊の怒りがしゅんとしぼんで怒れなくなった。
「別に誤解がとけたらそれでいいから。」
武尊がそう言うと青年は、
「じゃ、僕もやってみますね、『股のぞき』。股のぞき効果については2016年のイグノーベル賞で日本人の教授が賞を受賞しているもっぱら全うな理論がそこにあるんです。」
といいながら三人の前で台にひらりと飛び乗った。
そしてパッカリ股を割って景色を見てうんうんと頷くと、『じゃあ!』と手を振ってあっという間に行ってしまった。
「・・何だったの?」
あっけにとられる武尊をよそに一も蒼紫も険しい顔をしていた。
すると蒼紫が、
「瀬田宗次郎・・。」
と呟いた。
「誰だそいつは。」
一がすかさず問う。
「いや、俺も雑誌で見ただけ詳しい話は知らないが数年前十六で東大に入った天才児だ。」
「東大!?十六歳で!?」
武尊は更に目を丸くして蒼紫を見た。
「嗚呼、だが瀬田はすぐに大学を辞めたそうだ。」
「辞めただと?」
「詳しい話は俺にも分からない。だがあの顔は雑誌に載っていた顔と同じだ。俺が見間違えるはずがない。」
蒼紫と一の会話を聞きながら武尊は「ふーん」と唸った。
「蒼紫にいが見たその雑誌ってなんの雑誌?」
ん?と意外な武尊からの質問に蒼紫は、
「【月間物理学ジャーナル】だったか、、当時ネットで公開された論文が世界的に話題になった時の話だったか。」
サラリという蒼紫に武尊は更にびっくりして、
「世界的に話題って・・何の論文だったの?」
と聞いた。
「同じ物理学でも俺が専攻しているのは天体物理学だがあいつの専攻は原子核物理学・・論文は確か【夢のエネルギーサイクル】だったか。」
ん?っと首を傾げる武尊の頭をポンと蒼紫が叩く。
「武尊、この話はもういいだろう。そろそろお腹がすくんじゃないか?降りて昼食にしないか。な、兄さん。」
「あ、嗚呼。」
返事をしながらも一は、ここは原発のある敦賀から近かったよな、と、昨日電話で聞いたプルトニウム盗難の話を思い出していた。
下へ降りようとする二人に武尊は慌てて声をかけた。
「待って!」
一も蒼紫もその手を握り返すがその三秒後、武尊がバランスを崩し転げそうになるのを両兄が武尊の手を持ったまま体を起こし、バンザイ姿で武尊は引き起こされ台を降りた。
「あー危なかった。一にい、蒼紫にい、ありがと!」
「こら、不安定な恰好の時に気を抜くんじゃないぞ。」
一のげんこつがコツンと武尊の頭に落ちた。
「痛い!」
「痛くないだろこれくらい。」
ぶーと頬を膨らませながらも武尊は天橋立の方を振り返り、
「みんなやってるからやってみたけど逆さで見たからってどうなのかな?景色ってあんまり変わらない気がしたけど。」
と漏らした時武尊の後ろで柔らかい声がした。
「『股のぞき』をするとですね、実際より小さく見えて奥行き感がなくなって見えるそうですよ。」
声の主の男・・年若く見える青年がニコニコしながら武尊に近づいて来る。
「そうなの?」
武尊はすぐさまもう一度股のぞきをしながら天橋立を覗いたが二人の兄はじっとその青年を見つめ・・いや、鋭い目で見返していた。
「嫌だなぁ、二人とも怖いですよ。お二人とも彼女の彼氏なんですか?二人も彼氏っがいるって彼女そんなやり手なんですか?」
「誰が・・」
青年の言葉に噛み付くように一が口を開こうとするとそれより早く武尊が焦って身体を起こし言葉を返した。
「ち・・・違うって!彼氏じゃなくてお兄ちゃんなの!・・じゃなくて!!兄です!」
真っ赤になって言い返す武尊に一も蒼紫も言葉が出ず、その青年も目を丸くした。
「あはははは!」
突然青年が笑いだす。
その高笑いに武尊はむっときて台を降り青年の所にやって来ると、
「ちょっと、初対面の人に失礼じゃない。そんなに笑うなんて。」
と言った。
「ごめんなさい、僕ちょっと笑い上戸で・・。」
とちょっと涙目になりながら答えた。
「貴方の声が大きかったからつい目が行っちゃって。笑ってごめんなさい。」
素直に謝られて武尊の怒りがしゅんとしぼんで怒れなくなった。
「別に誤解がとけたらそれでいいから。」
武尊がそう言うと青年は、
「じゃ、僕もやってみますね、『股のぞき』。股のぞき効果については2016年のイグノーベル賞で日本人の教授が賞を受賞しているもっぱら全うな理論がそこにあるんです。」
といいながら三人の前で台にひらりと飛び乗った。
そしてパッカリ股を割って景色を見てうんうんと頷くと、『じゃあ!』と手を振ってあっという間に行ってしまった。
「・・何だったの?」
あっけにとられる武尊をよそに一も蒼紫も険しい顔をしていた。
すると蒼紫が、
「瀬田宗次郎・・。」
と呟いた。
「誰だそいつは。」
一がすかさず問う。
「いや、俺も雑誌で見ただけ詳しい話は知らないが数年前十六で東大に入った天才児だ。」
「東大!?十六歳で!?」
武尊は更に目を丸くして蒼紫を見た。
「嗚呼、だが瀬田はすぐに大学を辞めたそうだ。」
「辞めただと?」
「詳しい話は俺にも分からない。だがあの顔は雑誌に載っていた顔と同じだ。俺が見間違えるはずがない。」
蒼紫と一の会話を聞きながら武尊は「ふーん」と唸った。
「蒼紫にいが見たその雑誌ってなんの雑誌?」
ん?と意外な武尊からの質問に蒼紫は、
「【月間物理学ジャーナル】だったか、、当時ネットで公開された論文が世界的に話題になった時の話だったか。」
サラリという蒼紫に武尊は更にびっくりして、
「世界的に話題って・・何の論文だったの?」
と聞いた。
「同じ物理学でも俺が専攻しているのは天体物理学だがあいつの専攻は原子核物理学・・論文は確か【夢のエネルギーサイクル】だったか。」
ん?っと首を傾げる武尊の頭をポンと蒼紫が叩く。
「武尊、この話はもういいだろう。そろそろお腹がすくんじゃないか?降りて昼食にしないか。な、兄さん。」
「あ、嗚呼。」
返事をしながらも一は、ここは原発のある敦賀から近かったよな、と、昨日電話で聞いたプルトニウム盗難の話を思い出していた。
下へ降りようとする二人に武尊は慌てて声をかけた。
「待って!」