「着いたぞ。」


駐車場に車を止めた一がサイドブレーキをかけながら武尊に声をかけた。


「武尊、着いたよ。」


武尊の後ろからも蒼紫が武尊の肩をポンポンたたきながら武尊を起こす。


「んん～～～～っ」


固まった身体を伸ばすように伸びをした武尊はハッと目を開けた。


「いつの間にか寝ちゃった！」


慌てて降りようとする武尊に一は、


「落ち着け。」


と声をかけると武尊は、


「そ、そうだよね。（私ももう大学生だっていうのにこういう行動がいつまで経っても子供だって思われるんだ。）」


と内心がっくりしながらドアを開けて降りようとすると蒼紫がカチャッとドアを開け武尊に手を差し出した。


「ほら、ゆっくりでいいんだから。」

「う、うん・・ありがと、蒼紫にい。」


王子様のような仕草に武尊も自然に足を下すことができた。


（蒼紫にいも凄いよね・・本当一つ一つの動きが綺麗。私も見習わなきゃいけないのに！）


足を地面に着け、思わず見上げた空は晴天。


「うわぁ、いい天気だね！」


武尊は素直に感動すると早くサイトで見た有名な景色が見たくなった。


「早く行こう！」


武尊は二人の兄を置いて駆けだした。

一と蒼紫はそんな武尊の姿に優しく微笑むのだった。