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餃子メインの夕食も食べ終え、食後のコーヒータイムというか兄弟三人それぞれリビングでくつろいでいたところ『にゃ~お』と猫の鳴き声がした。
白い毛ふさふさのその猫はそのふわふわの毛で武尊の足元にまとわりつく。
「あ、【比古】さん、ごめん!【比古】さんのご飯忘れてたよね!」
武尊は慌ててキャットフードを準備した。
「朝から姿を見ないと思ったが何処をほっつき歩いていたんだか。食いっぱぐれたくなかったら夕飯までに帰って来い。」
一はフンと【比古】さんを見下ろす。
「そんな事言っても無理だよ一にい、【比古】さんは猫だもの。でも【比古】さん、明日はみんなでお出かけするからどこにも行かないでね。」
と、武尊が【比古】に話しかけると一が、
「今回は無理だ、そいつは置いて行く。餌を置いていけば一晩ぐらい大丈夫だろう。」
と言った。
「え~!」
と武尊が抗議するが、
「借り物の車にこいつが爪とぎとかしたらかなわんからな。」
「そりゃそうだけど・・。」
と一に諭され仕方なしに【比古】に話しかける。
「ごめんね、、【比古】さん。今回はお留守番よろしくね。」
*********
かくして翌日斎ノ森家三兄弟の天橋立プチ旅行が始まったのだが蒼紫は少し大人しい。
「蒼紫にい、何か元気ないけど大丈夫?」
助手席に乗っている武尊が後ろを振り返って後部席の蒼紫を心配する。
反面、一はご機嫌な様子で武尊の隣でハンドルを握っている。
「別に問題ない、今月末までに一つ論文を仕上げないといけないからな。」
と蒼紫は手元の分厚い本を開いているがはっきり言って一泊二日のドライブ旅行にやらなくてもいい事だ。
論文提出は本当の事だが今は兄に主導権を取られるモヤモヤを誤魔化すためのカモフラージュだ。
と、ここで武尊が思い出したかのように一に言った。
「この車を貸してくれた島田さんだったっけ?こんなすごい車もってるんだったら結構家族であちこち行ってるのかな。」
「島田はまだ独身だ。」
さり気に聞いた話の返事が思ってたことと違い武尊は「え!」っと驚いた。
悪い事を聞いたと武尊はごめんと小さく謝罪した。
一はそんな事気にするなと言った口調で、
「まあ、今のあいつは忙しすぎて結婚どころではないからな。」
と言うと武尊が「う~ん」と唸った。
「どうした。」
「忙しいって言ってたら一にいみたいになっちゃうよ。」
「・・何?」
思わずついて出た言葉に武尊はハッとするが時すでに遅し。
蒼紫と自分を養うために遊びもせずにすぐ就職し休みなく働いてる長兄に言う言葉じゃなかったと武尊はすぐに謝った。
「ごめん、一にい、そんな意味じゃない。」
とは言え、こんなにかっこいいのにいつまで経っても彼女がいるとかそんな気配さえしない長兄を妹としてちょっとだけ・・ほんのちょっとだけ心配していたのは本当のことだ。
でもきっと怒ってる、武尊は怖くてまともに一が見れなかったのでそっと横目で一を見ると怒っているように見えるどころか少し口角が上がっているようにも見えた。
(あれ・・?怒ってないのかな?)
すると前を向いて運転している一の左手が急に武尊の頭をワシワシと掴んだ。
「一にい、痛い!髪がぐしゃぐしゃになる!」
武尊は自分の頭を守ろうと両手を頭にあげると一は自分の手を引っ込めた。
そして言った。
「武尊は俺に早く結婚して欲しいのか?」
そんな二人を蒼紫は後ろから眺めていた。
2018.9.21
白い毛ふさふさのその猫はそのふわふわの毛で武尊の足元にまとわりつく。
「あ、【比古】さん、ごめん!【比古】さんのご飯忘れてたよね!」
武尊は慌ててキャットフードを準備した。
「朝から姿を見ないと思ったが何処をほっつき歩いていたんだか。食いっぱぐれたくなかったら夕飯までに帰って来い。」
一はフンと【比古】さんを見下ろす。
「そんな事言っても無理だよ一にい、【比古】さんは猫だもの。でも【比古】さん、明日はみんなでお出かけするからどこにも行かないでね。」
と、武尊が【比古】に話しかけると一が、
「今回は無理だ、そいつは置いて行く。餌を置いていけば一晩ぐらい大丈夫だろう。」
と言った。
「え~!」
と武尊が抗議するが、
「借り物の車にこいつが爪とぎとかしたらかなわんからな。」
「そりゃそうだけど・・。」
と一に諭され仕方なしに【比古】に話しかける。
「ごめんね、、【比古】さん。今回はお留守番よろしくね。」
*********
かくして翌日斎ノ森家三兄弟の天橋立プチ旅行が始まったのだが蒼紫は少し大人しい。
「蒼紫にい、何か元気ないけど大丈夫?」
助手席に乗っている武尊が後ろを振り返って後部席の蒼紫を心配する。
反面、一はご機嫌な様子で武尊の隣でハンドルを握っている。
「別に問題ない、今月末までに一つ論文を仕上げないといけないからな。」
と蒼紫は手元の分厚い本を開いているがはっきり言って一泊二日のドライブ旅行にやらなくてもいい事だ。
論文提出は本当の事だが今は兄に主導権を取られるモヤモヤを誤魔化すためのカモフラージュだ。
と、ここで武尊が思い出したかのように一に言った。
「この車を貸してくれた島田さんだったっけ?こんなすごい車もってるんだったら結構家族であちこち行ってるのかな。」
「島田はまだ独身だ。」
さり気に聞いた話の返事が思ってたことと違い武尊は「え!」っと驚いた。
悪い事を聞いたと武尊はごめんと小さく謝罪した。
一はそんな事気にするなと言った口調で、
「まあ、今のあいつは忙しすぎて結婚どころではないからな。」
と言うと武尊が「う~ん」と唸った。
「どうした。」
「忙しいって言ってたら一にいみたいになっちゃうよ。」
「・・何?」
思わずついて出た言葉に武尊はハッとするが時すでに遅し。
蒼紫と自分を養うために遊びもせずにすぐ就職し休みなく働いてる長兄に言う言葉じゃなかったと武尊はすぐに謝った。
「ごめん、一にい、そんな意味じゃない。」
とは言え、こんなにかっこいいのにいつまで経っても彼女がいるとかそんな気配さえしない長兄を妹としてちょっとだけ・・ほんのちょっとだけ心配していたのは本当のことだ。
でもきっと怒ってる、武尊は怖くてまともに一が見れなかったのでそっと横目で一を見ると怒っているように見えるどころか少し口角が上がっているようにも見えた。
(あれ・・?怒ってないのかな?)
すると前を向いて運転している一の左手が急に武尊の頭をワシワシと掴んだ。
「一にい、痛い!髪がぐしゃぐしゃになる!」
武尊は自分の頭を守ろうと両手を頭にあげると一は自分の手を引っ込めた。
そして言った。
「武尊は俺に早く結婚して欲しいのか?」
そんな二人を蒼紫は後ろから眺めていた。
2018.9.21