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蒼紫ヴァレンタインに苦戦する・の巻
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今朝も蒼紫は朝食とお弁当を作りに台所に立っていた。
その時ダダダダダという恐ろしく大きい音をたてて武尊が二階の部屋から降りて来た。
「蒼紫にい、おはよう!寝坊した~!」
武尊がそう言いながらテーブルに着くのはいつもの事で蒼紫も決まって、
「武尊の方が大変だからな。レポートは仕上がったのか?」
と武尊をねぎらう。
「うそ!蒼紫にいの方が大変なんじゃないの?っていうか蒼紫にいが大学生の時に私みたいにバタバタしてるの見たことない!」
と、武尊は蒼紫に作ってもらった出来立てのお弁当を包みながらパンをほおばる。
そして半ばホットミルクで流し込みながらバタバタと行ってきますをするのだった。
だが、この日は出かけに、
「あ、蒼紫にい、今日バイトなかったよね?私も早く帰ってくるから家にいてね!教えて欲しいことがあるの!材料は買っておくから!」
と玄関先で慌てて言うと台風のように家を出て行ったのだった。
蒼紫は軽くため息をつくと、
「最近レポート書くのに夜遅くまで起きているのは知っているが・・」
と独り言を口にし、そこでハッとした。
「材料・・?何か料理でも作るのか・・ハッ!若しかして男でも出来たのか!」
ついに来たのかこの日が・・
そう思った瞬間、蒼紫の胸に一気に言いようのない焦燥感が渦巻く。
確かにいつかは嫁に行くであろう、その日の事を覚悟しなければいけない年頃だと事あるごとに自分に言い聞かせてきた。
そして長兄、一と、
『武尊の好きな奴が出来たら家族として歓迎しなければな。』
という話をしていたのがふっと甦る。
実は兄二人と武尊は血は繋がっていない。
その所為なのか自分のみならず、一も武尊に対し妹として以外の感情を持っている。
だが一応武尊の前では二人ともその想いを隠し、兄としての立場故の愛情を持って接していたのだが・・。
昨年のクリスマスイブあたりからどうも長兄一の様子がおかしいような気がするのだ。
自分の気持ちを抑えているのにここ最近の一の冗談にしてはあまりにも露骨に武尊へちょっかいをかける態度にイラっと来ることがあるのだ。
「・・ともかく、だ。武尊に男が出来たというのならそれを確かめるまでのこと。誰に渡すか突き止めてやる。」
相手が誰であるかはともかく、外に武尊が好きな男が出来たのだとすればこの身を焼くような想いから救われるのだろうかと蒼紫は思ってみたりするのだった。
(誰にも渡したくない・・)
武尊が口を付けたマグカップの淵を見るだけで熱い想いが蒼紫の胸にグッと湧き上がる。
もしもその唇を奪うことが出来たなら・・
「・・何を考えているんだ俺は!」
蒼紫はダン、とテーブルを両手で叩くと、サッと食器を片付け自分も大学院に行くためにバイクに乗るのだった。
その時ダダダダダという恐ろしく大きい音をたてて武尊が二階の部屋から降りて来た。
「蒼紫にい、おはよう!寝坊した~!」
武尊がそう言いながらテーブルに着くのはいつもの事で蒼紫も決まって、
「武尊の方が大変だからな。レポートは仕上がったのか?」
と武尊をねぎらう。
「うそ!蒼紫にいの方が大変なんじゃないの?っていうか蒼紫にいが大学生の時に私みたいにバタバタしてるの見たことない!」
と、武尊は蒼紫に作ってもらった出来立てのお弁当を包みながらパンをほおばる。
そして半ばホットミルクで流し込みながらバタバタと行ってきますをするのだった。
だが、この日は出かけに、
「あ、蒼紫にい、今日バイトなかったよね?私も早く帰ってくるから家にいてね!教えて欲しいことがあるの!材料は買っておくから!」
と玄関先で慌てて言うと台風のように家を出て行ったのだった。
蒼紫は軽くため息をつくと、
「最近レポート書くのに夜遅くまで起きているのは知っているが・・」
と独り言を口にし、そこでハッとした。
「材料・・?何か料理でも作るのか・・ハッ!若しかして男でも出来たのか!」
ついに来たのかこの日が・・
そう思った瞬間、蒼紫の胸に一気に言いようのない焦燥感が渦巻く。
確かにいつかは嫁に行くであろう、その日の事を覚悟しなければいけない年頃だと事あるごとに自分に言い聞かせてきた。
そして長兄、一と、
『武尊の好きな奴が出来たら家族として歓迎しなければな。』
という話をしていたのがふっと甦る。
実は兄二人と武尊は血は繋がっていない。
その所為なのか自分のみならず、一も武尊に対し妹として以外の感情を持っている。
だが一応武尊の前では二人ともその想いを隠し、兄としての立場故の愛情を持って接していたのだが・・。
昨年のクリスマスイブあたりからどうも長兄一の様子がおかしいような気がするのだ。
自分の気持ちを抑えているのにここ最近の一の冗談にしてはあまりにも露骨に武尊へちょっかいをかける態度にイラっと来ることがあるのだ。
「・・ともかく、だ。武尊に男が出来たというのならそれを確かめるまでのこと。誰に渡すか突き止めてやる。」
相手が誰であるかはともかく、外に武尊が好きな男が出来たのだとすればこの身を焼くような想いから救われるのだろうかと蒼紫は思ってみたりするのだった。
(誰にも渡したくない・・)
武尊が口を付けたマグカップの淵を見るだけで熱い想いが蒼紫の胸にグッと湧き上がる。
もしもその唇を奪うことが出来たなら・・
「・・何を考えているんだ俺は!」
蒼紫はダン、とテーブルを両手で叩くと、サッと食器を片付け自分も大学院に行くためにバイクに乗るのだった。