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熱中症
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一が振り返ればそこには自分のズボンの裾を引く武尊の姿があった。
「どうした・・。」
武尊の捨てられた子犬のような目に一は部屋に帰れなくなった。
「なんだ。」
そう言いつつも一はまた武尊の傍に座りなおした。
武尊は一の目をじっと見たままだった。
だがその唇は何か言いたそうだった。
一はその動きをじっと見ていると武尊は消えそうな声で、
「・・もうちょっとここにいて。」
と言った。
「仕方のない奴だ。」
一はフッと笑って先ほどより優しく武尊の頭を撫でた。
すると武尊はその手を捕まえ自分に引き寄せた。
「ん?」
一の小さな疑問符に武尊は答えなかった。
頭の中がまだもうろうとしている部分もあって自分でも何をしているのか分からなかった。
ただ兄の手が安心のお守りみたいでその手を持っていたかったのだ。
「武尊・・。」
一の声は少し驚きの色を含んでいた。
一は武尊の髪をくしゃりとするような自分の方から何か手を出すということは昔からしているが武尊の方から何かしてくるというのは初めてだった。
武尊はただ一の手を抱きしめてじっとしていた。
傍からは眠っているようだが今の今まで話をしていたのだ。
起きているのは分かっていると一が思った時、武尊が目をつむったまま声を出した。
「安心するの・・一にいの大きな手・・少しだけ貸して・・、お願い・・。」
「お前の気が済むなら好きなだけ握ってろ。」
武尊から返事はなかったが、一の言葉で握る手にちょっとだけ力が入った。
そんな武尊の顔を見ながら一は先ほど自分の言動を思い出していた。
(『自分で飲めないのなら口移しで飲ませるぞ、それでもいいのか。』、確かに俺はそう言った。)
その時一は本気で口移しでスポーツ飲料を飲まそうと思っていたのだ。
想像する武尊の唇の柔らかさ。
そして口の中の液体を流し込む時に武尊の舌はどうもがくのか。
つい、そんな事を想像して武尊の唇を見つめた。
そしてむせて口元から首筋に伝った飲料を己の唇と舌で舐め取る想像。
一は今も武尊の顔を見ながら再びそれを思うのだった。
唇を奪いたくなる衝動がいつ抑えられなくなるか、一は自分の欲望を恐れていた。
だが武尊から離れられない、離れたくない。
自分は良き長兄でなければならないと理性を保つようにもう片方の手で武尊の髪をくしゃりとかき混ぜたのだった。
「どうした・・。」
武尊の捨てられた子犬のような目に一は部屋に帰れなくなった。
「なんだ。」
そう言いつつも一はまた武尊の傍に座りなおした。
武尊は一の目をじっと見たままだった。
だがその唇は何か言いたそうだった。
一はその動きをじっと見ていると武尊は消えそうな声で、
「・・もうちょっとここにいて。」
と言った。
「仕方のない奴だ。」
一はフッと笑って先ほどより優しく武尊の頭を撫でた。
すると武尊はその手を捕まえ自分に引き寄せた。
「ん?」
一の小さな疑問符に武尊は答えなかった。
頭の中がまだもうろうとしている部分もあって自分でも何をしているのか分からなかった。
ただ兄の手が安心のお守りみたいでその手を持っていたかったのだ。
「武尊・・。」
一の声は少し驚きの色を含んでいた。
一は武尊の髪をくしゃりとするような自分の方から何か手を出すということは昔からしているが武尊の方から何かしてくるというのは初めてだった。
武尊はただ一の手を抱きしめてじっとしていた。
傍からは眠っているようだが今の今まで話をしていたのだ。
起きているのは分かっていると一が思った時、武尊が目をつむったまま声を出した。
「安心するの・・一にいの大きな手・・少しだけ貸して・・、お願い・・。」
「お前の気が済むなら好きなだけ握ってろ。」
武尊から返事はなかったが、一の言葉で握る手にちょっとだけ力が入った。
そんな武尊の顔を見ながら一は先ほど自分の言動を思い出していた。
(『自分で飲めないのなら口移しで飲ませるぞ、それでもいいのか。』、確かに俺はそう言った。)
その時一は本気で口移しでスポーツ飲料を飲まそうと思っていたのだ。
想像する武尊の唇の柔らかさ。
そして口の中の液体を流し込む時に武尊の舌はどうもがくのか。
つい、そんな事を想像して武尊の唇を見つめた。
そしてむせて口元から首筋に伝った飲料を己の唇と舌で舐め取る想像。
一は今も武尊の顔を見ながら再びそれを思うのだった。
唇を奪いたくなる衝動がいつ抑えられなくなるか、一は自分の欲望を恐れていた。
だが武尊から離れられない、離れたくない。
自分は良き長兄でなければならないと理性を保つようにもう片方の手で武尊の髪をくしゃりとかき混ぜたのだった。