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一方、ランジェリーCCO京都支店のインターホンを占い師・・宇水は鳴らしていた。
今日は店の扉は鍵がかかって開いていなかったからだ。
「俺だ、鎌足。」
『何、あんたになんか用事はないわよ。こっちは忙しいんだから邪魔しないでよ。』
「それは悪かったな。何、俺自身は用事は特にないんだがな、今しがた志々雄にメールで呼ばれたんでな、しばらく京都を留守にする。」
『あ、そう。勝手に行けば~。私に連絡がないってことは今回私の出る幕はないみたいだし。それに志々雄様に頼まれているスーツを作るので本当に忙しいんだから!私に断らなくていいからサッサと行けば?』
「そうそう、言い忘れたが志々雄が例の包帯パンツを2、3あったら欲しいとさ。」
宇水がそう言い終わるか終わらないかのうちにすごい勢いで足音がして店のドアの鍵がガチャっとなった。
「それを早く言いなさいよ。」
と、鎌足が宇水をキッとした目で見た。
「ったく、そんな顔じゃ美人が台無しだせ。」
「煩いわね、顔なんて見えないあんたに何が分かるっていうの。」
「目には映らなくとも俺には『見える』って事を忘れちゃ困るな。」
と、宇水はクククと笑った。
「だが何故お前は俺をそんなに嫌う。」
「答えは簡単よ、あんたが志々雄様の命を狙っているっているからよ。志々雄様の敵は私の敵。さあ、これを志々雄様に持って行って。」
宇水は鎌足から小奇麗なビニールの包を受け取りながら、
「俺が志々雄の命を狙っていると思っているということはその理由も知っているんだろ?」
と聞いた。
「ええ、方治から。」
「だったら俺は嫌われるより憐れまれるべきだと思うがね。」
「なあに、同情されたいの?でも残念ね、たとえ志々雄様が悪くてもあなたにビタ一文、同情なんてしてあげないから。」
「冷たい奴だな。」
「褒め言葉として受け取るわ。じゃ、早く行ってちょうだい。私は忙しいんだから。」
と、鎌足はさっさと奥の作業場に戻って縫いかけていた布を手に取った。
「サテンか・・志々雄の服にしては少々艶っぽいな。」
宇水は布の擦れる微かな音から素材を断定した。
「・・早くそれを志々雄様に届けてよ。いつまでもそこにいて私の邪魔をしたいの?」
少し沈んだ鎌足の声。
「おっと、手元にある鎌を投げるのはやめておけよ。折角預かった物に穴を開けちまうとまずいだろ。じゃあな。」
そう言って二、三歩進んだ宇水だったがふと振り向いて、
「鎌足。」
と呼んだ。
「何?」
半分以上無視した鎌足の気のない返事がミシンの音と共にかえってきた。
「金は相応に出す。俺にもスーツを作ってくれないか。」
宇水の問いかけに少し間を置いた後、返事がかえってきた。
「・・あんたが志々雄様に殺されたら最高級を一着お祝いに作ってあげるわ。」
「フフフフ・・・そうか。それも一興だな。」
そしてドアの閉まる音が鎌足に聞こえた。
鎌足は作業台の抜群に光沢のある紫のサテンの布地を手に取ってじっと見つめて呟いた。
「そうよ・・志々雄様は志々雄様御自身のスーツだけじゃなく、由美のドレスまで頼んできたわ、この私に。だけどそれは志々雄様が私にその出来栄えに対して全信頼を置いていらっしゃって下さっているから。・・例え由美の着るドレスだとしても私は私の全てをかけて作る。だって志々雄様の横に立つのよ、あの女は・・・。」
そしてただひたすらミシンを踏むのであった。
今日は店の扉は鍵がかかって開いていなかったからだ。
「俺だ、鎌足。」
『何、あんたになんか用事はないわよ。こっちは忙しいんだから邪魔しないでよ。』
「それは悪かったな。何、俺自身は用事は特にないんだがな、今しがた志々雄にメールで呼ばれたんでな、しばらく京都を留守にする。」
『あ、そう。勝手に行けば~。私に連絡がないってことは今回私の出る幕はないみたいだし。それに志々雄様に頼まれているスーツを作るので本当に忙しいんだから!私に断らなくていいからサッサと行けば?』
「そうそう、言い忘れたが志々雄が例の包帯パンツを2、3あったら欲しいとさ。」
宇水がそう言い終わるか終わらないかのうちにすごい勢いで足音がして店のドアの鍵がガチャっとなった。
「それを早く言いなさいよ。」
と、鎌足が宇水をキッとした目で見た。
「ったく、そんな顔じゃ美人が台無しだせ。」
「煩いわね、顔なんて見えないあんたに何が分かるっていうの。」
「目には映らなくとも俺には『見える』って事を忘れちゃ困るな。」
と、宇水はクククと笑った。
「だが何故お前は俺をそんなに嫌う。」
「答えは簡単よ、あんたが志々雄様の命を狙っているっているからよ。志々雄様の敵は私の敵。さあ、これを志々雄様に持って行って。」
宇水は鎌足から小奇麗なビニールの包を受け取りながら、
「俺が志々雄の命を狙っていると思っているということはその理由も知っているんだろ?」
と聞いた。
「ええ、方治から。」
「だったら俺は嫌われるより憐れまれるべきだと思うがね。」
「なあに、同情されたいの?でも残念ね、たとえ志々雄様が悪くてもあなたにビタ一文、同情なんてしてあげないから。」
「冷たい奴だな。」
「褒め言葉として受け取るわ。じゃ、早く行ってちょうだい。私は忙しいんだから。」
と、鎌足はさっさと奥の作業場に戻って縫いかけていた布を手に取った。
「サテンか・・志々雄の服にしては少々艶っぽいな。」
宇水は布の擦れる微かな音から素材を断定した。
「・・早くそれを志々雄様に届けてよ。いつまでもそこにいて私の邪魔をしたいの?」
少し沈んだ鎌足の声。
「おっと、手元にある鎌を投げるのはやめておけよ。折角預かった物に穴を開けちまうとまずいだろ。じゃあな。」
そう言って二、三歩進んだ宇水だったがふと振り向いて、
「鎌足。」
と呼んだ。
「何?」
半分以上無視した鎌足の気のない返事がミシンの音と共にかえってきた。
「金は相応に出す。俺にもスーツを作ってくれないか。」
宇水の問いかけに少し間を置いた後、返事がかえってきた。
「・・あんたが志々雄様に殺されたら最高級を一着お祝いに作ってあげるわ。」
「フフフフ・・・そうか。それも一興だな。」
そしてドアの閉まる音が鎌足に聞こえた。
鎌足は作業台の抜群に光沢のある紫のサテンの布地を手に取ってじっと見つめて呟いた。
「そうよ・・志々雄様は志々雄様御自身のスーツだけじゃなく、由美のドレスまで頼んできたわ、この私に。だけどそれは志々雄様が私にその出来栄えに対して全信頼を置いていらっしゃって下さっているから。・・例え由美の着るドレスだとしても私は私の全てをかけて作る。だって志々雄様の横に立つのよ、あの女は・・・。」
そしてただひたすらミシンを踏むのであった。