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魅惑の黒
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占い師がいた所からパン屋までおよそ100メートル。
パン屋の周囲にも特に気になることはなかった。
「ここまで特に何もなかったな。もう少し先まで行ってみるか。」
端から端まで500メートルほどの商店街だが、特に最後まで行っても特にこれといった武尊を泣かせるような原因となったものは見つけられなかった。
(まあ、一日違えば状況はまるで変っていてもおかしくはないんだが・・。)
何も手掛かりらしきものはなかったと一はため息を一つ吐いて商店街を引き返した。
戻る途中でまたあの占い師のところで一は足を止めた。
先程とは違う、今度は若いカップルがいて占いをしてもらっていた。
一はそれをじっと眺めながら辻に入り煙草を吸っていた。
やがてカップルが立ち去り、男は一の方を向いた。
どうやら次に待っている人はいないらしい。
「なんだ、戻って来たのか。」
「どうやら客は満足して帰っていったようだな。それにしても鑑定料が一万円とはな。」
「当たり前だ、【心眼】は常に真実を語る、一万円で真実を知る事が出来るなら安いもんだろう。それとも何だ、お前のような男でも占いをしてもらいたいことがあるのかな、いや、けっこうけっこう人の悩みとはそれぞれだからな・・フフフフフ。」
占い師が含み笑いをするなか、一は、
「残念だったな、そんなに持ち合わせがない。」
と、最後に大きく煙草を吸うと、足でもみ消した。
「おっと吸い殻は持って帰ってくれよ、ここら辺を汚すと前の店の店長から雷がおちるんでな。それから気が変わったらまた来い、持ち合わせがあるうちにな。フフフフ・・。」
「!」
持ち合わせがないと言ったが本当は一の財布には五万円以上入っていた。
(当てずっぽうか?それとも鎌をかけているのか?)
一は疑わしい眼で占い師を睨んだ。
「フフフフ・・その疑惑の目、いいねぇ・・。」
男は肩を震わせて笑った。
「まあ、占って欲しければまた来てくれ。もっともこんな職業だ、いつまでもここにいるわけじゃないんでな、その気があれば早い方がいいかな・・・おっと次の客だ。」
「一つだけ答えてもらおう、もっともこれは占いではなく簡単な事実確認だ。それくらいはいいだろう?」
「まるで警察みたいな言い方だな、まあいい。何だ。」
「昨日若い女を占ったか?帽子をかぶった髪は束ねるほど長くはない。おそらく一人でいたはずだ。」
「さあ・・一人の女の客はいなかったはずだが。はは~ん、さてはその女はお前の恋人か、なるほどなるほど、さてはその恋人が何を占ってもらったか気になるというわけか・・・いや、『違う』か・・おっと、これは占いではなかったな。答えは「占っていない」だ、これでいいか?」
「十分だ・・邪魔をしたな。」
「かまわんよ、お前のような男と話すのはこの平和すぎる商店街、いや日本においては十分な刺激だ、面白い・・・フフフフ。」
一はもみ消した吸い殻を拾って携帯灰皿にしまうと家へ向かった。
パン屋の周囲にも特に気になることはなかった。
「ここまで特に何もなかったな。もう少し先まで行ってみるか。」
端から端まで500メートルほどの商店街だが、特に最後まで行っても特にこれといった武尊を泣かせるような原因となったものは見つけられなかった。
(まあ、一日違えば状況はまるで変っていてもおかしくはないんだが・・。)
何も手掛かりらしきものはなかったと一はため息を一つ吐いて商店街を引き返した。
戻る途中でまたあの占い師のところで一は足を止めた。
先程とは違う、今度は若いカップルがいて占いをしてもらっていた。
一はそれをじっと眺めながら辻に入り煙草を吸っていた。
やがてカップルが立ち去り、男は一の方を向いた。
どうやら次に待っている人はいないらしい。
「なんだ、戻って来たのか。」
「どうやら客は満足して帰っていったようだな。それにしても鑑定料が一万円とはな。」
「当たり前だ、【心眼】は常に真実を語る、一万円で真実を知る事が出来るなら安いもんだろう。それとも何だ、お前のような男でも占いをしてもらいたいことがあるのかな、いや、けっこうけっこう人の悩みとはそれぞれだからな・・フフフフフ。」
占い師が含み笑いをするなか、一は、
「残念だったな、そんなに持ち合わせがない。」
と、最後に大きく煙草を吸うと、足でもみ消した。
「おっと吸い殻は持って帰ってくれよ、ここら辺を汚すと前の店の店長から雷がおちるんでな。それから気が変わったらまた来い、持ち合わせがあるうちにな。フフフフ・・。」
「!」
持ち合わせがないと言ったが本当は一の財布には五万円以上入っていた。
(当てずっぽうか?それとも鎌をかけているのか?)
一は疑わしい眼で占い師を睨んだ。
「フフフフ・・その疑惑の目、いいねぇ・・。」
男は肩を震わせて笑った。
「まあ、占って欲しければまた来てくれ。もっともこんな職業だ、いつまでもここにいるわけじゃないんでな、その気があれば早い方がいいかな・・・おっと次の客だ。」
「一つだけ答えてもらおう、もっともこれは占いではなく簡単な事実確認だ。それくらいはいいだろう?」
「まるで警察みたいな言い方だな、まあいい。何だ。」
「昨日若い女を占ったか?帽子をかぶった髪は束ねるほど長くはない。おそらく一人でいたはずだ。」
「さあ・・一人の女の客はいなかったはずだが。はは~ん、さてはその女はお前の恋人か、なるほどなるほど、さてはその恋人が何を占ってもらったか気になるというわけか・・・いや、『違う』か・・おっと、これは占いではなかったな。答えは「占っていない」だ、これでいいか?」
「十分だ・・邪魔をしたな。」
「かまわんよ、お前のような男と話すのはこの平和すぎる商店街、いや日本においては十分な刺激だ、面白い・・・フフフフ。」
一はもみ消した吸い殻を拾って携帯灰皿にしまうと家へ向かった。