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魅惑の黒
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「近所の散策・・そんな訳がないだろうが。」
一は玄関を出るとそう小さく呟きポケットから煙草を取り出そうとしたが、武尊に『最近京都の街中では歩き煙草はダメなのよ。』と言われた事を思いだし、渋々とポケットに突っ込み直した。
夏の京都は暑いうえに湿気も半端ない。
煙草が吸えないのと蒸し暑さで苛立ちながらも一はある方向を向かって歩いていた。
昨晩一は武尊がシャワーを浴びている時にパンの袋を見て中身を確認した。
中には武尊が小さなころから好きだった丸いパンともう一種類のパンが入っていた。
つまり、少なくともそのパン屋に行って帰る間に武尊に何かがあったという事だと一は推測し、その足取りを追っていたのだ。
もちろんそのパン屋は一も知っている。
昔たまに連れて行ってやったもんだと、小さくて可愛かった武尊の姿を思い出すと眉間のしわも少し緩むというもんだ。
20分ほど歩いて、そしてパン屋がある商店街の入り口までやって来た。
昔来た時よりもだいぶ印象が変わったな、と思いつつも一はただ歩くだけではなく自然に視線を左右絶え間なく動かしてしまう。
そして何か変わった徴候がないか鋭い眼で見ていた。
ある意味職業病みたいなもので本人も無意識のうちにそうやって歩いていると、例の辻道の角にある洋服店の前に来た。
「・・・。」
一はその店の向かいに座っている占い師の近くで立ち止まった。
この商店街に似ても似つかわしくない雰囲気をまとっている男だと、一は目をぐっと細めてその男を注視した。
すると【心眼】と、書かれた鉢巻を目に巻いている男がゆっくり一の方を向いて、
「いらっしゃーい。」
と声をかけ、一にニヤリと笑った。
一は玄関を出るとそう小さく呟きポケットから煙草を取り出そうとしたが、武尊に『最近京都の街中では歩き煙草はダメなのよ。』と言われた事を思いだし、渋々とポケットに突っ込み直した。
夏の京都は暑いうえに湿気も半端ない。
煙草が吸えないのと蒸し暑さで苛立ちながらも一はある方向を向かって歩いていた。
昨晩一は武尊がシャワーを浴びている時にパンの袋を見て中身を確認した。
中には武尊が小さなころから好きだった丸いパンともう一種類のパンが入っていた。
つまり、少なくともそのパン屋に行って帰る間に武尊に何かがあったという事だと一は推測し、その足取りを追っていたのだ。
もちろんそのパン屋は一も知っている。
昔たまに連れて行ってやったもんだと、小さくて可愛かった武尊の姿を思い出すと眉間のしわも少し緩むというもんだ。
20分ほど歩いて、そしてパン屋がある商店街の入り口までやって来た。
昔来た時よりもだいぶ印象が変わったな、と思いつつも一はただ歩くだけではなく自然に視線を左右絶え間なく動かしてしまう。
そして何か変わった徴候がないか鋭い眼で見ていた。
ある意味職業病みたいなもので本人も無意識のうちにそうやって歩いていると、例の辻道の角にある洋服店の前に来た。
「・・・。」
一はその店の向かいに座っている占い師の近くで立ち止まった。
この商店街に似ても似つかわしくない雰囲気をまとっている男だと、一は目をぐっと細めてその男を注視した。
すると【心眼】と、書かれた鉢巻を目に巻いている男がゆっくり一の方を向いて、
「いらっしゃーい。」
と声をかけ、一にニヤリと笑った。