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ベーコンエッグの朝ごはん(現代兄妹編)
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武尊がダイニングに行くとすでに武尊の丸いクッキークリームパンがお皿にのせて置いてあり、もう一種類の全粒粉の食パンがトースターで焼かれて中央に置かれてあった。
武尊が席につくと一がプレートを二枚持ってきて武尊の前と自分の座るところに置いた。
プレートの上には半熟の目玉焼き、ベーコン、とちょっとした野菜が乗っていた。
「食べてていいぞ、今コーヒーを持ってくる。」
「うん・・。」
武尊はそう答えたが一の姿を追う様に視線を兄に向けた。
一はそれに気づいて、
「牛乳を入れるんだったよな。」
「うん・・。」
「砂糖はなしだったよな。」
「うん。」
一は入れたてのコーヒーを二つ持ってくると、
「食べろ。」
と武尊に言った。
「いただきまーす。一にい、ありがと。」
「何、武尊は朝から忙しくしていたからな。」
大物の洗濯御苦労だと一はねぎらいの気持ちで武尊を見た。
朝からバタバタしすぎて武尊は一と同じベッドで寝ていたという恥ずかしさをシーツ洗濯完了という大仕事の疲れで上書きしてなんとか普段と近い気持ちで兄の前にいることができた。
そして前の夜から何も食べてなかったので、昨日食べそびれた大好物のパンに即座に手を伸ばした。
「でも、大丈夫かな・・クリームパンって原則その日のうちにお食べ下さいって書いてあるんだけど一日過ぎちゃった。」
「大丈夫だろ、朝のうちだし。」
「そうだよね、・・・(パク)・・・おいし・・。」
ちゃんと朝食を食べている、そして元気も出てきたような妹を見て一は少し安心した。
武尊は夢中であっという間にパンを食べ終わると、次に一が作った目玉焼きにフォークとナイフを入れた。
固まりかけた黄身がとろりと出てきた。
武尊は慌てて黄身がお皿につかないようにフォークですくうと口に放り込んだ。
「おいしい!」
「食べてから喋れ。」
「うん、でもおいしいよ、一にいの作る目玉焼きって。でも安心したな。」
「ん?どういう意味だ。」
「いつも私と蒼紫にいで御飯の支度するでしょ?だから一にいはこういう事が苦手だと思っていたの。だから東京で一人暮らししててちゃんと朝ご飯食べてないんじゃないかって思ってた。」
「・・・。」
武尊の言っている事はずばり図星。
朝食なんて面倒くさいと抜くのが当たり前、しかしながら時間が許すならコーヒーだけは落として飲む。
これが一の東京での朝だった。
「心配などせんでも大丈夫だ。」
一はちょっと心苦しいと思いながらも長兄の威厳を保つためにクールな顔を作って言った。
「それより武尊の方こそどうなんだ。」
「え?」
「昨日何があった。」
武尊はまさか殺されかかったとは言えなかった。
今になってよくよく考えてみればあれは店長の言った通り、本当は脅しで殺すつもりはなかったかもしれない、と武尊は思えてきた。
なのに自分があの人(亀男)に殺されかけたと警官である兄に軽々しく言ったために逮捕されてしまったら・・・・と、武尊の頭の中で思考がぐるぐると回った。
かと言って、あれだけ兄の前で泣いた自分を思い出してどう弁明しようか武尊は困った。
「もう大丈夫だよ一にい、一晩過ぎてよく考えてみたら大したことじゃなかった気がする。」
「まさかいじめられたんじゃないだろうな。」
「そんなんじゃないよ、大丈夫だって。それより一にい、どうして家にいるの?こないだ電話した時は盆休みはいつになるかわからないっていってたじゃない。びっくりしちゃった。・・でもお蔭で助かったけど。」
武尊はカフェオレに口をつけながら上目使いで兄を見た。
(まさか、蒼紫がいないからチャンスとばかりに帰って来たとは言えんしな。結果、昨日のような事があって帰って来てよかったと思うが。)
と、一は心の中で思いつつも
「盆の後段に仕事が入りそうだったんでな、急遽前倒しに休みを取ったんだ。帰りの帰省ラッシュに巻き込まれると面倒なんでのぞみで帰って来たんだがスマホの充電が切れそうだったんでな、充電するよりも前に家に着いてしまったんだ。」
まんざら嘘ではないぞと武尊に言った。
「そうだったんだ。私も買い物行っていなかったしね。あっ、一にい、電話・・。」
一と武尊が話をしていたその時、一のスマホが鳴った。
一はその着信の名前を見て首を少し傾げた。
「永倉さんか・・永倉さんには今関係した仕事はなかったはずだが・・。」
と、言いつつ一は電話に出た。
『お、斎ノ森か。今どこにいるんだ、部屋にいないじゃねぇか。』
「なんだ永倉さん、俺の部屋に来てるのか。」
『ああ、今夜久々にお前と一杯やろうと思ってな、近くまで来たからお誘いついでに寄ったってとこだ。・・って思ってたけど、この雨が止まねぇとどうにもなんねぇけどな。』
「雨だと?そんなに降っているのか。」
『そんなに降っているのかって、こんなにひどい雨っ・・・おい!斎ノ森、お前今どこにいるんだ?!』
「休暇で実家に帰って来ている。」
『んだと~~~ぉ!』
一のスマホから永倉の叫び声が武尊の耳にも聞こえた。
『てめぇ、俺に黙って休暇とはいい度胸じゃねぇか。』
「ちゃんと上司に承認をもらっているし、そもそも永倉さんは同じ部署じゃないだろ。」
『俺とお前の仲じゃないか~~!ああ~俺だって休み欲しいぜ~!』
「それは永倉さんの上司に言ってくれ。それじゃあ切るぞ、いい休暇を過ごしてくれ、じゃあな。」
ぷち。
っとまるで音が聞こえるような感じで一は人差し指で画面をタッチした。
「武尊、ニュースをつけてくれ、東京はすごい雨らしいぞ。」
「そうなんだ、こっちはこんなに晴れて暑いのにね。」
武尊がテレビのリモコンのスイッチを押すと丁度東京の様子が映っていた。
凄い雨が降っていて道路が冠水していた。
「うわぁ・・一にい、昨日帰って来てよかったね。」
「これじゃぁ東海道新幹線も運転見合わせだな。」
数分そのニュースを見ていた二人だったが武尊は食べ終わりごちそうさまをして立ち上がろうとすると、一は武尊に、
「俺はこの後少し出かけてくる。」
と言った。
「・・お仕事がらみ?」
仕事がらみの時はついて行ってはいけないと武尊はそう思って一応聞いてみた。
「いや、久しぶりにこの周辺でも散策しようと思ってな。いつもは休暇で帰って来てもあちこち出かけているうちにすぐ東京に戻っているからな。」
「そっか、私は洗濯済ませてしまいたいから家にいていい?」
「嗚呼、俺の帰宅も急だったし武尊にも予定があるだろ、そっちを優先しろ。」
「うん、洗濯が終わったら特にないけど・・じゃあ蒼紫にいが帰ってきたらどこか皆でいけるとこないか考えとくね。」
「嗚呼、どこでも付き合ってやるから考えといてくれ。」
「うん。・・・あ。」
何かを言いかけた武尊を一はじっと見た。
「どうした。」
「『落とす』ってどんな意味だか一にい、分かる?」
「『落とす』?それだけでは分からん、何か落としたのか?」
「ううん、何でもない。じゃあ、外は暑いから気をつけていってね。」
武尊はそう言って立ち上がり、一にセカンドカップのコーヒーを入れると食器を洗って洗濯ものを干しに行き、一はサンダルを履いて外に出た。
武尊が席につくと一がプレートを二枚持ってきて武尊の前と自分の座るところに置いた。
プレートの上には半熟の目玉焼き、ベーコン、とちょっとした野菜が乗っていた。
「食べてていいぞ、今コーヒーを持ってくる。」
「うん・・。」
武尊はそう答えたが一の姿を追う様に視線を兄に向けた。
一はそれに気づいて、
「牛乳を入れるんだったよな。」
「うん・・。」
「砂糖はなしだったよな。」
「うん。」
一は入れたてのコーヒーを二つ持ってくると、
「食べろ。」
と武尊に言った。
「いただきまーす。一にい、ありがと。」
「何、武尊は朝から忙しくしていたからな。」
大物の洗濯御苦労だと一はねぎらいの気持ちで武尊を見た。
朝からバタバタしすぎて武尊は一と同じベッドで寝ていたという恥ずかしさをシーツ洗濯完了という大仕事の疲れで上書きしてなんとか普段と近い気持ちで兄の前にいることができた。
そして前の夜から何も食べてなかったので、昨日食べそびれた大好物のパンに即座に手を伸ばした。
「でも、大丈夫かな・・クリームパンって原則その日のうちにお食べ下さいって書いてあるんだけど一日過ぎちゃった。」
「大丈夫だろ、朝のうちだし。」
「そうだよね、・・・(パク)・・・おいし・・。」
ちゃんと朝食を食べている、そして元気も出てきたような妹を見て一は少し安心した。
武尊は夢中であっという間にパンを食べ終わると、次に一が作った目玉焼きにフォークとナイフを入れた。
固まりかけた黄身がとろりと出てきた。
武尊は慌てて黄身がお皿につかないようにフォークですくうと口に放り込んだ。
「おいしい!」
「食べてから喋れ。」
「うん、でもおいしいよ、一にいの作る目玉焼きって。でも安心したな。」
「ん?どういう意味だ。」
「いつも私と蒼紫にいで御飯の支度するでしょ?だから一にいはこういう事が苦手だと思っていたの。だから東京で一人暮らししててちゃんと朝ご飯食べてないんじゃないかって思ってた。」
「・・・。」
武尊の言っている事はずばり図星。
朝食なんて面倒くさいと抜くのが当たり前、しかしながら時間が許すならコーヒーだけは落として飲む。
これが一の東京での朝だった。
「心配などせんでも大丈夫だ。」
一はちょっと心苦しいと思いながらも長兄の威厳を保つためにクールな顔を作って言った。
「それより武尊の方こそどうなんだ。」
「え?」
「昨日何があった。」
武尊はまさか殺されかかったとは言えなかった。
今になってよくよく考えてみればあれは店長の言った通り、本当は脅しで殺すつもりはなかったかもしれない、と武尊は思えてきた。
なのに自分があの人(亀男)に殺されかけたと警官である兄に軽々しく言ったために逮捕されてしまったら・・・・と、武尊の頭の中で思考がぐるぐると回った。
かと言って、あれだけ兄の前で泣いた自分を思い出してどう弁明しようか武尊は困った。
「もう大丈夫だよ一にい、一晩過ぎてよく考えてみたら大したことじゃなかった気がする。」
「まさかいじめられたんじゃないだろうな。」
「そんなんじゃないよ、大丈夫だって。それより一にい、どうして家にいるの?こないだ電話した時は盆休みはいつになるかわからないっていってたじゃない。びっくりしちゃった。・・でもお蔭で助かったけど。」
武尊はカフェオレに口をつけながら上目使いで兄を見た。
(まさか、蒼紫がいないからチャンスとばかりに帰って来たとは言えんしな。結果、昨日のような事があって帰って来てよかったと思うが。)
と、一は心の中で思いつつも
「盆の後段に仕事が入りそうだったんでな、急遽前倒しに休みを取ったんだ。帰りの帰省ラッシュに巻き込まれると面倒なんでのぞみで帰って来たんだがスマホの充電が切れそうだったんでな、充電するよりも前に家に着いてしまったんだ。」
まんざら嘘ではないぞと武尊に言った。
「そうだったんだ。私も買い物行っていなかったしね。あっ、一にい、電話・・。」
一と武尊が話をしていたその時、一のスマホが鳴った。
一はその着信の名前を見て首を少し傾げた。
「永倉さんか・・永倉さんには今関係した仕事はなかったはずだが・・。」
と、言いつつ一は電話に出た。
『お、斎ノ森か。今どこにいるんだ、部屋にいないじゃねぇか。』
「なんだ永倉さん、俺の部屋に来てるのか。」
『ああ、今夜久々にお前と一杯やろうと思ってな、近くまで来たからお誘いついでに寄ったってとこだ。・・って思ってたけど、この雨が止まねぇとどうにもなんねぇけどな。』
「雨だと?そんなに降っているのか。」
『そんなに降っているのかって、こんなにひどい雨っ・・・おい!斎ノ森、お前今どこにいるんだ?!』
「休暇で実家に帰って来ている。」
『んだと~~~ぉ!』
一のスマホから永倉の叫び声が武尊の耳にも聞こえた。
『てめぇ、俺に黙って休暇とはいい度胸じゃねぇか。』
「ちゃんと上司に承認をもらっているし、そもそも永倉さんは同じ部署じゃないだろ。」
『俺とお前の仲じゃないか~~!ああ~俺だって休み欲しいぜ~!』
「それは永倉さんの上司に言ってくれ。それじゃあ切るぞ、いい休暇を過ごしてくれ、じゃあな。」
ぷち。
っとまるで音が聞こえるような感じで一は人差し指で画面をタッチした。
「武尊、ニュースをつけてくれ、東京はすごい雨らしいぞ。」
「そうなんだ、こっちはこんなに晴れて暑いのにね。」
武尊がテレビのリモコンのスイッチを押すと丁度東京の様子が映っていた。
凄い雨が降っていて道路が冠水していた。
「うわぁ・・一にい、昨日帰って来てよかったね。」
「これじゃぁ東海道新幹線も運転見合わせだな。」
数分そのニュースを見ていた二人だったが武尊は食べ終わりごちそうさまをして立ち上がろうとすると、一は武尊に、
「俺はこの後少し出かけてくる。」
と言った。
「・・お仕事がらみ?」
仕事がらみの時はついて行ってはいけないと武尊はそう思って一応聞いてみた。
「いや、久しぶりにこの周辺でも散策しようと思ってな。いつもは休暇で帰って来てもあちこち出かけているうちにすぐ東京に戻っているからな。」
「そっか、私は洗濯済ませてしまいたいから家にいていい?」
「嗚呼、俺の帰宅も急だったし武尊にも予定があるだろ、そっちを優先しろ。」
「うん、洗濯が終わったら特にないけど・・じゃあ蒼紫にいが帰ってきたらどこか皆でいけるとこないか考えとくね。」
「嗚呼、どこでも付き合ってやるから考えといてくれ。」
「うん。・・・あ。」
何かを言いかけた武尊を一はじっと見た。
「どうした。」
「『落とす』ってどんな意味だか一にい、分かる?」
「『落とす』?それだけでは分からん、何か落としたのか?」
「ううん、何でもない。じゃあ、外は暑いから気をつけていってね。」
武尊はそう言って立ち上がり、一にセカンドカップのコーヒーを入れると食器を洗って洗濯ものを干しに行き、一はサンダルを履いて外に出た。