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星に願いを
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こうやって星空の下、空を見上げている三人は実は兄妹だ。
といっても、十年前に両親は他界、長男の一は大学卒業と同時に警視庁に入り家計を支えてきた。
弟の蒼紫は両親や不在の兄の代わりにまだ幼かった武尊の面倒を良く見た。
その蒼紫も兄の負担を軽くしようとバイトをしながら大学へ通っている。
末の妹武尊は今年で二十歳。
久々に休暇で家に帰ってきた長男が家族でどこかに出かけないかと話を切り出したので、次男がバイトを早く上がらせてもらって三人で夜のドライブに来たのだった。
もちろん今日は珍しく晴れた七夕の夜。
星が見たいとかわいい妹のたっての願いでもあると、兄の一は武尊といつか二人で来ようと考えていたこの場所に来たのだった。
本当の兄妹なら、たった3人の家族、微笑ましい面もあるのだが・・・、と一は考えていた。
実は妹の武尊は兄たちと血は繫がっていない。
二人の母は蒼紫を生んでからまもなく亡くなってしまった。
その後、何年か経って父が再婚したのだったが、その時の新しい母に連れ子がいた。
それが武尊だ。
だが武尊自身は戸籍を見たことがないのでまだその事実を知らない。
最初は女の子という事もあり、話もしなかった男兄弟であったが、次第に武尊の心根に引かれていつの間にか二人とも妹に淡い恋心を抱くようになっていた。
ある時ひょんなことで互いの思い人が同じ女・・・・しかも妹だと知った一と蒼紫だったが、兄達を慕う妹との関係が壊れる事を二人とも恐れて兄妹という枠を踏み出せないままでいる。
これがこの3兄妹の関係だ。
蒼紫があまりにも長く星の話をして、その間武尊の手をずっと離さないのを見て一は武尊のもう一方の空いている手をそっと握った。
ピクっと武尊の手が動いて武尊は一瞬一の方へ顔を向けるが一は上を向いて煙草を静かに吸っていた。
そして眼だけ武尊の方へ動かすと眼だけで一瞬ふっと笑い、また夜空へと視線をやった。
武尊にとって、平凡な自分とは異なり、二人はとってもかっこいい自慢の兄だ。
そしていつも優しくしてくれる兄たちが大好きで、今夜みたいな幸せな時間がずっと続けばいいのに・・・、と願っていた。
そんな事を思っていた時、
「あ、流れ星!」
と武尊が小さく叫んだ。
「そうだな。」
と二人の兄が同時に言った。
願い星。
叶う事ならどうか・・・・。
それぞれの願いを消えた星に向かって願ってみるが3人とも、遅かったか・・・、とそんな突っ込みを自分でしながらしばらく沈黙した。
といっても、十年前に両親は他界、長男の一は大学卒業と同時に警視庁に入り家計を支えてきた。
弟の蒼紫は両親や不在の兄の代わりにまだ幼かった武尊の面倒を良く見た。
その蒼紫も兄の負担を軽くしようとバイトをしながら大学へ通っている。
末の妹武尊は今年で二十歳。
久々に休暇で家に帰ってきた長男が家族でどこかに出かけないかと話を切り出したので、次男がバイトを早く上がらせてもらって三人で夜のドライブに来たのだった。
もちろん今日は珍しく晴れた七夕の夜。
星が見たいとかわいい妹のたっての願いでもあると、兄の一は武尊といつか二人で来ようと考えていたこの場所に来たのだった。
本当の兄妹なら、たった3人の家族、微笑ましい面もあるのだが・・・、と一は考えていた。
実は妹の武尊は兄たちと血は繫がっていない。
二人の母は蒼紫を生んでからまもなく亡くなってしまった。
その後、何年か経って父が再婚したのだったが、その時の新しい母に連れ子がいた。
それが武尊だ。
だが武尊自身は戸籍を見たことがないのでまだその事実を知らない。
最初は女の子という事もあり、話もしなかった男兄弟であったが、次第に武尊の心根に引かれていつの間にか二人とも妹に淡い恋心を抱くようになっていた。
ある時ひょんなことで互いの思い人が同じ女・・・・しかも妹だと知った一と蒼紫だったが、兄達を慕う妹との関係が壊れる事を二人とも恐れて兄妹という枠を踏み出せないままでいる。
これがこの3兄妹の関係だ。
蒼紫があまりにも長く星の話をして、その間武尊の手をずっと離さないのを見て一は武尊のもう一方の空いている手をそっと握った。
ピクっと武尊の手が動いて武尊は一瞬一の方へ顔を向けるが一は上を向いて煙草を静かに吸っていた。
そして眼だけ武尊の方へ動かすと眼だけで一瞬ふっと笑い、また夜空へと視線をやった。
武尊にとって、平凡な自分とは異なり、二人はとってもかっこいい自慢の兄だ。
そしていつも優しくしてくれる兄たちが大好きで、今夜みたいな幸せな時間がずっと続けばいいのに・・・、と願っていた。
そんな事を思っていた時、
「あ、流れ星!」
と武尊が小さく叫んだ。
「そうだな。」
と二人の兄が同時に言った。
願い星。
叶う事ならどうか・・・・。
それぞれの願いを消えた星に向かって願ってみるが3人とも、遅かったか・・・、とそんな突っ込みを自分でしながらしばらく沈黙した。