蒼紫は翌朝ひとまず教授の家に行き教授の車を運転し大学へ向かって他の四人をひろった。



１０人乗りのハイエースワゴンが大柄な二人と荷物を載せるといっぱいいっぱいだった。



「いやぁ～やはり賑やかなのはええのぅ。して蒼紫、武尊ちゃんは何で呼ばんかった。」



教授も明るくて元気な武尊のことを気に入っていた。



まさか生理だから誘わなかったとは言えず、



「すでに予定があったみたいで、残念です。」



「そぉか、そりゃ残念だのう。」






歳の割に騒ぐのが好きな教授は火男や癋見と盛り上がった。



そして島の別荘に着いたのは夕方前だった。



着いてすぐの蒼紫は二時間のそこそこハードな体力錬成を行ったが四人は脱落せずついてきた。



夕飯後の２０分の入浴時間を蒼紫は与えた後、すぐに今夜の天体観測の為にプリントを与えて予習をさせた。



その間に蒼紫も風呂に入った。



この別荘は三階建てで二階には大きなウッドデッキがあり、風呂からも続く大きなジャグジーがある。



波の音を聞きながら蒼紫は両腕をジャグジーの縁に広げ夜空を仰ぎ見た。



蒼紫が精神的にどっと疲れいったん目を閉じた時、教授が入って来て蒼紫の横に来た。



「蒼紫、奴等なかなかやりおるのぉ。」



日中とは違う教授の声のトーン。



「教授・・・巻き込むんですかあいつらを・・・。」



蒼紫は複雑な気持ちで教授を見た。



「奴等の心にはお前と同じ闇がある。闇は光の中では生きられん、人には人にあった生き処というのがあるんじゃ、お前には解るだろうその意味が。」



「・・・。」



蒼紫は再び夜空を仰ぎ見た。



「まあ、今すぐとは言わん。もうちと様子は見るがの、頼むぞ蒼紫。」



「教授・・。」