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夏の夜の千一夜物語(明治・京都)
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「やりすぎたか・・・。」
水を滴らせながら裸の比古は岩の陰でかたまっている武尊の元に戻って来た。
「おい。」
と、比古が呼ぶにも返事がない。
「おい、武尊、しっかりしろ。」
と比古がまだ水に濡れた手で武尊の両頬を軽く叩いた。
「痛!」
それでようやく空中を見たままかたまっていた武尊が我に返った。
心細くてどれだけ比古を待ったことか・・・・。
なのに目の前の比古はずぶ濡れ。
ようやく事の次第を掌握した武尊は握りしめた両手がプルプルと震える。
(これはかなりヤバイ・・・・殴られるか!)
比古は武尊の様子を見て素直に反省し、武尊に殴られてやろうと無防備の体勢を取った。
そして謝ろうと、
「武尊・・・、」
と切り出したその時、武尊が比古の胸に飛び込んで来た。
「馬鹿!比古さんの馬鹿!」
そう言って武尊は比古の胸をたたき、そのまま比古に泣きすがった。
「悪かった・・・すまん武尊。」
「馬鹿馬鹿馬鹿・・・・・・怖かった・・・怖かったよぉ、比古さん・・・。」
比古には漏らす武尊の本音。
ようやく現れた唯一安心できるものにやっと触れられる、と、武尊は比古に両腕を回しぎゅっと抱きしめた。
「すまん、すまなかった。」
比古も武尊を優しく抱きしめた。
そして二人は小屋へ戻った。
小屋へ戻るころには武尊の涙は止まっていたが、機嫌はちょっと斜めだ。
比古と目が合うと武尊はプゥと頬を膨らませる。
「おい、いい加減に機嫌を直せ。」
という比古はちょっと困っているように見えた。
「いいよ比古さん、でもお願いごと聞いてくれたら許してあげる。」
「なんだ、言ってみろ。」
比古も諦め顔でもうなんでも来いという気で武尊の御願い事を聞くのに構えた。
「そこに座って・・・・・だっこして。」
と、先程とは違い遠慮がちに比古にお願いする武尊。
どんな難題が来るかと構えていた割には拍子抜けのお願いに、
「あ?そんなもんでいいのか。」
と、逆に聞いてしまった。
比古はそんなことしょっちゅうしていることじゃないかと思いつつ、囲炉裏の傍で胡坐をかいた。
「これでいいか?」
「うん。」
「・・・・来い。」
と比古に言われ武尊は比古の胡坐の上に腰を下ろした。
そして身体を斜めにして比古に体重をかける。
ここは武尊の一番好きな場所・・・・・
その気持ちよさに武尊は目をつむる。
「比古さん・・。」
「どうした。」
「今日みたいな悪戯はもう勘弁してください。」
「嗚呼、反省している。悪かった。」
「・・・・でも、比古さんと一緒にするなら悪戯してもいいですよ。」
「・・・・おい。」
武尊は比古を見上げるとふふふと笑った。
仕方のないやつだ、と比古は武尊の頭をいつものようにポンっと叩くと武尊をそっと抱きしめた。
水を滴らせながら裸の比古は岩の陰でかたまっている武尊の元に戻って来た。
「おい。」
と、比古が呼ぶにも返事がない。
「おい、武尊、しっかりしろ。」
と比古がまだ水に濡れた手で武尊の両頬を軽く叩いた。
「痛!」
それでようやく空中を見たままかたまっていた武尊が我に返った。
心細くてどれだけ比古を待ったことか・・・・。
なのに目の前の比古はずぶ濡れ。
ようやく事の次第を掌握した武尊は握りしめた両手がプルプルと震える。
(これはかなりヤバイ・・・・殴られるか!)
比古は武尊の様子を見て素直に反省し、武尊に殴られてやろうと無防備の体勢を取った。
そして謝ろうと、
「武尊・・・、」
と切り出したその時、武尊が比古の胸に飛び込んで来た。
「馬鹿!比古さんの馬鹿!」
そう言って武尊は比古の胸をたたき、そのまま比古に泣きすがった。
「悪かった・・・すまん武尊。」
「馬鹿馬鹿馬鹿・・・・・・怖かった・・・怖かったよぉ、比古さん・・・。」
比古には漏らす武尊の本音。
ようやく現れた唯一安心できるものにやっと触れられる、と、武尊は比古に両腕を回しぎゅっと抱きしめた。
「すまん、すまなかった。」
比古も武尊を優しく抱きしめた。
そして二人は小屋へ戻った。
小屋へ戻るころには武尊の涙は止まっていたが、機嫌はちょっと斜めだ。
比古と目が合うと武尊はプゥと頬を膨らませる。
「おい、いい加減に機嫌を直せ。」
という比古はちょっと困っているように見えた。
「いいよ比古さん、でもお願いごと聞いてくれたら許してあげる。」
「なんだ、言ってみろ。」
比古も諦め顔でもうなんでも来いという気で武尊の御願い事を聞くのに構えた。
「そこに座って・・・・・だっこして。」
と、先程とは違い遠慮がちに比古にお願いする武尊。
どんな難題が来るかと構えていた割には拍子抜けのお願いに、
「あ?そんなもんでいいのか。」
と、逆に聞いてしまった。
比古はそんなことしょっちゅうしていることじゃないかと思いつつ、囲炉裏の傍で胡坐をかいた。
「これでいいか?」
「うん。」
「・・・・来い。」
と比古に言われ武尊は比古の胡坐の上に腰を下ろした。
そして身体を斜めにして比古に体重をかける。
ここは武尊の一番好きな場所・・・・・
その気持ちよさに武尊は目をつむる。
「比古さん・・。」
「どうした。」
「今日みたいな悪戯はもう勘弁してください。」
「嗚呼、反省している。悪かった。」
「・・・・でも、比古さんと一緒にするなら悪戯してもいいですよ。」
「・・・・おい。」
武尊は比古を見上げるとふふふと笑った。
仕方のないやつだ、と比古は武尊の頭をいつものようにポンっと叩くと武尊をそっと抱きしめた。