般若、式尉、火男、癋見は今日も御頭の事について話す。




式尉：「おい、御頭これからどうすると思う？」



癋見：「どうするって土岐のことかい？」



般若：「まったく蒼紫様ときたら・・・・、操様というものがありながら・・・・。」

般若、手を震わせながら怒る。




火男：「確かによぉ～、操様は御頭のことが一番大好きみたいだけどさぁ、御頭は実際どうなんだろうなぁ。」



般若：「蒼紫様も操様の事を好いておるに決まっておるわ！」



式尉：「般若、冷静になって考えてみろよ。御頭が京都を離れて江戸城へ入ったのはもう十年以上前のことだ。操様はまだ子供だったろ。そのころから操様に恋心を抱くなんて考えられないぜ、しかもあの御頭だ。」



癋見：「そうだよなぁ、本当、色事なんかなかった御頭だしなあ。」



火男：「俺なんてさ、前に御頭に『好みの女はどんな感じなんすか？』何て聞いたことがあったんだけどさ、速攻睨まれたよ。その時の御頭の目の怖かったことと言ったらありゃしねぇ。」



式尉：「確かに御頭にとっちゃ操様は大事な存在にはかわりゃしねぇと思うが・・。」



般若：「問題は死んだ我らの事をずっと負い目に感じて自らの幸せを考えようとされないことだ。」



癋見：「こんな俺達とずっと一緒にいてくれた御頭の情の厚さは計り知れねぇ・・・、御頭には幸せになってもらいたいよなぁ。」

癋見、グズッっと鼻をすする。




火男：「死んでしまった俺達だが、何か出来ることはないかなぁ｡般若、お前俺達の中で一番頭いいだろう、知恵をだせよ。」



般若：「よし、私が今夜、蒼紫様の夢に出て早く操様と御一緒になるよう、申し上げてみよう。」



式尉：「おい、般若、それは何か順番が違うような気がするぞ。」



般若：「だまらっしゃい！」