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狼(明治・東京)【続き物・明治編・中巻】16辺りの話
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大きな音がして、扉の外でうつらうつらしていた武尊が、はっと、起きた。
(斎藤さんが危ない!)
と、慌てた武尊が、ガチャっと扉を開け、
「四乃森さん!いけない!」
と、叫んだ。
「あ?」
と、斎藤が窓際で煙草をふかしながら武尊を見る。
「あれ・・・・?あれ?」
武尊はいつもの斎藤にちょっと混乱して部屋を見回す。
「ここは俺の部屋だ。寝惚けるなよ、武尊。」
只でさえ、今まで最悪の夢を見ていたのだ。
斎藤にとっては一番聞きたくない名前だった。
「あれ・・・斎藤さん・・・。元に戻ってる・・・。」
目をぱちくりさせながら武尊が言った。
「なんだ、元に戻っているとは。」
「いえ、私、廊下でうたた寝しちゃってて、斎藤さんが狼になった夢を見たんですよ。そこに、なぜか四乃森さんも出てきて斎藤さんに斬りかかってるところで目が覚めて、夢と勘違いしてましたね、私。あはは。」
と、笑う武尊。
「・・・・・・・・。」
斎藤は、
(まさか、武尊は俺と同じ夢を見ていたというのか。信じられん。)
と、思わず煙草を吸うのも忘れて固まる。
そして
「若しも俺が本物の狼になったらどうする?」
と、武尊に問うてみた。
「何を言ってるんですか、斎藤さん、夢の話ですよ~。・・・・・・でも・・・。」
武尊は斎藤の眼を見つめ考える。
「斎藤さんが狼になったら・・・・私も狼になる。狼になって斎藤さんの側にいたい・・・・。」
と、自分の気持ちが自然に口から出てくる。
そんな武尊を斎藤は細い目でじっと武尊を見ていた。
トクン。
武尊の心臓が斎藤の眼に反応し始める。
(あ、やば・・・・。)
と思った武尊は、
「はい、これ、時尾さんから預かったいつもの着替えとおにぎり。私お茶と手ぬぐい持ってきます。」
と言って部屋から出ようとするところを斎藤が素早く武尊を捕まえソファ-に押したおす。
「ちょっ・・・!斎藤さん!朝の朝から何ですか!!」
と、焦って武尊はもがいた。
「うるさい、・・・俺を喜ばせた褒美をくれてやる。」
「えっ!?ん~~!」
と、朝から喰われるような口づけをされる武尊。
斎藤に捕まえられた両手首が、パタリと力抜けるまで口づけを与えられた。
ソファ-の上でぐったりしている武尊を見降ろしながら斎藤は
「・・・・手ぬぐいと、お茶だったな。武尊のお茶も入れて来てやるからそこにいろ。」
斎藤は武尊がすぐに立ち上がれる状態ではないのはわかっている。
「斎藤さんの馬鹿・・・。それは私の仕事なのに~。」
口惜しげに武尊が言った。
「そう、ぼやくな。」
斎藤は楽しげに答えて部屋を出た。
パタンと扉が閉まって武尊が言う。
「本物じゃなくても、いつも狼じゃん。でもいっか、それが斎藤さんだから。」
武尊はクスリと笑った。
(斎藤さんが危ない!)
と、慌てた武尊が、ガチャっと扉を開け、
「四乃森さん!いけない!」
と、叫んだ。
「あ?」
と、斎藤が窓際で煙草をふかしながら武尊を見る。
「あれ・・・・?あれ?」
武尊はいつもの斎藤にちょっと混乱して部屋を見回す。
「ここは俺の部屋だ。寝惚けるなよ、武尊。」
只でさえ、今まで最悪の夢を見ていたのだ。
斎藤にとっては一番聞きたくない名前だった。
「あれ・・・斎藤さん・・・。元に戻ってる・・・。」
目をぱちくりさせながら武尊が言った。
「なんだ、元に戻っているとは。」
「いえ、私、廊下でうたた寝しちゃってて、斎藤さんが狼になった夢を見たんですよ。そこに、なぜか四乃森さんも出てきて斎藤さんに斬りかかってるところで目が覚めて、夢と勘違いしてましたね、私。あはは。」
と、笑う武尊。
「・・・・・・・・。」
斎藤は、
(まさか、武尊は俺と同じ夢を見ていたというのか。信じられん。)
と、思わず煙草を吸うのも忘れて固まる。
そして
「若しも俺が本物の狼になったらどうする?」
と、武尊に問うてみた。
「何を言ってるんですか、斎藤さん、夢の話ですよ~。・・・・・・でも・・・。」
武尊は斎藤の眼を見つめ考える。
「斎藤さんが狼になったら・・・・私も狼になる。狼になって斎藤さんの側にいたい・・・・。」
と、自分の気持ちが自然に口から出てくる。
そんな武尊を斎藤は細い目でじっと武尊を見ていた。
トクン。
武尊の心臓が斎藤の眼に反応し始める。
(あ、やば・・・・。)
と思った武尊は、
「はい、これ、時尾さんから預かったいつもの着替えとおにぎり。私お茶と手ぬぐい持ってきます。」
と言って部屋から出ようとするところを斎藤が素早く武尊を捕まえソファ-に押したおす。
「ちょっ・・・!斎藤さん!朝の朝から何ですか!!」
と、焦って武尊はもがいた。
「うるさい、・・・俺を喜ばせた褒美をくれてやる。」
「えっ!?ん~~!」
と、朝から喰われるような口づけをされる武尊。
斎藤に捕まえられた両手首が、パタリと力抜けるまで口づけを与えられた。
ソファ-の上でぐったりしている武尊を見降ろしながら斎藤は
「・・・・手ぬぐいと、お茶だったな。武尊のお茶も入れて来てやるからそこにいろ。」
斎藤は武尊がすぐに立ち上がれる状態ではないのはわかっている。
「斎藤さんの馬鹿・・・。それは私の仕事なのに~。」
口惜しげに武尊が言った。
「そう、ぼやくな。」
斎藤は楽しげに答えて部屋を出た。
パタンと扉が閉まって武尊が言う。
「本物じゃなくても、いつも狼じゃん。でもいっか、それが斎藤さんだから。」
武尊はクスリと笑った。