※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
予兆の狭間に(幕末・京都)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今夜も情報収集兼、六人の斬殺完了。
目撃者なし。今日も完璧な俺様さすが。
ということで悠々と引きあげる。
が、今日に限ってもう一つ用事がある。
島原に寄って天満太夫に文を渡す、という仕事。
(めんどくせぇなぁ…。)
と、思いつつもさっさ用事を終わらせた時・・。
「うおっ!?」
なれない花街で回りに気を取られ過ぎたか、殺気だったら反応するのに、逆に色んな欲が渦巻くこの場所で気持ちの悪い人間の感情を察知しないため故意的に感覚を押さえていたからか。
十六夜丸は手首を掴まれ、路地裏に引っ張られた。
「誰だ死にたい奴は。」
と言ったものの自分の手を引っ張る姿はよく見知ったシルエット。
「お、狼!?」
こんな時間にこんな所で何をしている。
隊服ではなかったため判断が一瞬遅れた。
副長の密命か何かか?
引っ張りこまれた奥で眉間に皺を寄せた斎藤が訊ねた。
「こんな所で何をしている。」
「狼こそ何をしている。」
「女(太夫に)しかないだろう。ここに来る理由は(手紙を渡す)。」
「女(遊女を)しかないだろう。ここに来る理由は(買う)。」
理由は違えども同時に同じ事を口に出す。
「まさかお前と同じ事を言うとはな。十六夜丸、今日も斬って来たな。血の匂いがするぞ。」
斎藤がぎりりと手に力を込めて絞り上げる。
「さあ、どうだかな。どうして俺が十六夜丸の方だと分かった。」
十六夜丸は、にやりと下から斎藤を見上げる。
お前の目を見れば聞かなくても分かるんだよと思いつつも
「あれは刀を持たん。」
と、斎藤は答えた。
いや、蘭丸なら顔を見なくても分かると斎藤は思った。
十六夜丸を見ながらそんなことを考えていると、
「ふ~ん。これからはそうも言ってられなくなるかもな。」
十六夜丸は意味あり気に笑った。
それが気に入らなかったのか斎藤は少しむっとした表情になり、次の瞬間、
「んっ!?んんん~~~~!」
と斎藤は十六夜丸に口づけした。
十六夜丸は予想外の出来事に必至に抵抗するがもともとこの身体は蘭丸の肉体。
頭の中が真っ白になり、本来の力が急には出せなかった。
素では斎藤の力に全然かなわない。
そして全身を瞬時に駆け廻る快楽の刺激。
十六夜丸は目を見開いて自分の支配している身体なのになすすべがない。
手塩にかけて開発した身体が裏目に出た。
というか裏目に出ることなど全くの想定外なのだ。
いつもは与える方の立場なのにこれは不意打ちだ。
力が抜けていく・・・・・。やばい・・・・。
腰がくだけそうになるほど快楽の海に溺れる自分の身体。
(畜生!なんで狼なんかに!)
斎藤は蘭丸の肉体を求めた。
その奥にあると信じる蘭丸の心を探すように。
獣が貪るように十六夜丸の口内を味わう。
(嗚呼、、以前と同じ蘭丸の味だ。)
あの日以来姿を消した蘭丸。
生きてさえすればいいと思っていたが変わらぬ唇の味に支配欲が抑えられない。
十六夜丸も必至で抗う。まさか狼に口づけされ、しかもいかされそうだ。そんなことは十六夜丸の自尊心が許さない。
(くっ!)
バチッ!
斎藤の皮膚に強い痛みが走った。
まさかの衝撃に斎藤は十六夜丸から接触させていた部分を離す。
「何だ?今のは?」
初めての不可思議な感覚に目を見開いて驚く斎藤だ。
それは十六夜丸が放った”放電”だった。
「狼・・・・。俺はお前なんかといちゃつく趣味はねぇぞ。」
十六夜丸は涎を拭いながら斎藤を睨んだ。
「そう言いながらえらく感じているんじゃないか。」
今度は斎藤がにやりとしながら十六夜丸を見る。
「うるせぇよ、油断しただけだ。まったく飢えた狼そのものだな。だがこれで終いだ。お前に蘭丸は渡せねぇ。」
「フ、どうかな。」
斎藤が一歩前に出る。
「おっと、これ以上俺に近づくんじゃねぇ・・。お預けだ。クク。」
ざまあぁみろと十六夜丸は、じりっと後ろに下がると逃走準備に入る。
とその時、何かを思い出したかのように斎藤に言った。
「狼・・・・、長州と薩摩が秘密裏に手を組んだ。もうお前と遊んでる暇はなさそうだ。時代は動く・・。」
「何だと?」
問い返す斎藤を振り返りざま意地悪く見返すと十六夜丸は屋根に飛び上がる。
「待て、今のはどういうことだ。」
斎藤が後を追おうとするとバチッ、っと先ほどより少し強烈な衝撃を受けた。
「く・・。」
斎藤は打つ手がなく十六夜丸を見失った。
大政奉還まで数か月前の話であった。
目撃者なし。今日も完璧な俺様さすが。
ということで悠々と引きあげる。
が、今日に限ってもう一つ用事がある。
島原に寄って天満太夫に文を渡す、という仕事。
(めんどくせぇなぁ…。)
と、思いつつもさっさ用事を終わらせた時・・。
「うおっ!?」
なれない花街で回りに気を取られ過ぎたか、殺気だったら反応するのに、逆に色んな欲が渦巻くこの場所で気持ちの悪い人間の感情を察知しないため故意的に感覚を押さえていたからか。
十六夜丸は手首を掴まれ、路地裏に引っ張られた。
「誰だ死にたい奴は。」
と言ったものの自分の手を引っ張る姿はよく見知ったシルエット。
「お、狼!?」
こんな時間にこんな所で何をしている。
隊服ではなかったため判断が一瞬遅れた。
副長の密命か何かか?
引っ張りこまれた奥で眉間に皺を寄せた斎藤が訊ねた。
「こんな所で何をしている。」
「狼こそ何をしている。」
「女(太夫に)しかないだろう。ここに来る理由は(手紙を渡す)。」
「女(遊女を)しかないだろう。ここに来る理由は(買う)。」
理由は違えども同時に同じ事を口に出す。
「まさかお前と同じ事を言うとはな。十六夜丸、今日も斬って来たな。血の匂いがするぞ。」
斎藤がぎりりと手に力を込めて絞り上げる。
「さあ、どうだかな。どうして俺が十六夜丸の方だと分かった。」
十六夜丸は、にやりと下から斎藤を見上げる。
お前の目を見れば聞かなくても分かるんだよと思いつつも
「あれは刀を持たん。」
と、斎藤は答えた。
いや、蘭丸なら顔を見なくても分かると斎藤は思った。
十六夜丸を見ながらそんなことを考えていると、
「ふ~ん。これからはそうも言ってられなくなるかもな。」
十六夜丸は意味あり気に笑った。
それが気に入らなかったのか斎藤は少しむっとした表情になり、次の瞬間、
「んっ!?んんん~~~~!」
と斎藤は十六夜丸に口づけした。
十六夜丸は予想外の出来事に必至に抵抗するがもともとこの身体は蘭丸の肉体。
頭の中が真っ白になり、本来の力が急には出せなかった。
素では斎藤の力に全然かなわない。
そして全身を瞬時に駆け廻る快楽の刺激。
十六夜丸は目を見開いて自分の支配している身体なのになすすべがない。
手塩にかけて開発した身体が裏目に出た。
というか裏目に出ることなど全くの想定外なのだ。
いつもは与える方の立場なのにこれは不意打ちだ。
力が抜けていく・・・・・。やばい・・・・。
腰がくだけそうになるほど快楽の海に溺れる自分の身体。
(畜生!なんで狼なんかに!)
斎藤は蘭丸の肉体を求めた。
その奥にあると信じる蘭丸の心を探すように。
獣が貪るように十六夜丸の口内を味わう。
(嗚呼、、以前と同じ蘭丸の味だ。)
あの日以来姿を消した蘭丸。
生きてさえすればいいと思っていたが変わらぬ唇の味に支配欲が抑えられない。
十六夜丸も必至で抗う。まさか狼に口づけされ、しかもいかされそうだ。そんなことは十六夜丸の自尊心が許さない。
(くっ!)
バチッ!
斎藤の皮膚に強い痛みが走った。
まさかの衝撃に斎藤は十六夜丸から接触させていた部分を離す。
「何だ?今のは?」
初めての不可思議な感覚に目を見開いて驚く斎藤だ。
それは十六夜丸が放った”放電”だった。
「狼・・・・。俺はお前なんかといちゃつく趣味はねぇぞ。」
十六夜丸は涎を拭いながら斎藤を睨んだ。
「そう言いながらえらく感じているんじゃないか。」
今度は斎藤がにやりとしながら十六夜丸を見る。
「うるせぇよ、油断しただけだ。まったく飢えた狼そのものだな。だがこれで終いだ。お前に蘭丸は渡せねぇ。」
「フ、どうかな。」
斎藤が一歩前に出る。
「おっと、これ以上俺に近づくんじゃねぇ・・。お預けだ。クク。」
ざまあぁみろと十六夜丸は、じりっと後ろに下がると逃走準備に入る。
とその時、何かを思い出したかのように斎藤に言った。
「狼・・・・、長州と薩摩が秘密裏に手を組んだ。もうお前と遊んでる暇はなさそうだ。時代は動く・・。」
「何だと?」
問い返す斎藤を振り返りざま意地悪く見返すと十六夜丸は屋根に飛び上がる。
「待て、今のはどういうことだ。」
斎藤が後を追おうとするとバチッ、っと先ほどより少し強烈な衝撃を受けた。
「く・・。」
斎藤は打つ手がなく十六夜丸を見失った。
大政奉還まで数か月前の話であった。