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蕎麦の思い出・二十六夜待ち(明治・東京)
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---時は明治。----
武尊は警察の密偵の斎藤の下で短期のバイト・・・いや仕事の契約中。
藤田宅に居候の身分の武尊はすっかり時尾さんの手料理になついてしまっていた。
早く帰って美味しいお料理にありつきたい・・と思うものの急ぎの書類整理が終わらない。
ようやく終わったと思ったら、
「武尊、行くぞ。」
と声がかかる。
って、こんな夜遅くにどこへ・・まだ仕事があるのか。
忙しいとは聞いてたものの毎日毎日半端ねぇなと思う。
しかしながら藤田警部補専門助手(自称)とあっては上司の体調管理も仕事の一つ。
「一区切りつきましたので今日はもうあがりませんか?」
それにあなたが決めた私の門限、24時でしょ?時尾さん心配するよ。
なにより、お腹がすいた・・。
そんなことを思ってるうちに斎藤はさっさと支度して部屋をでる。
「あ、ちょっと、待ってください~!」
っと言っても無駄な上司なので武尊もあわてて後を追いかける。
何か事件でもあったのかな。
もくもくと二人して歩いていくと急な坂道に出た。
そこを黙々と登るのだが・・・・・何故だか人が多い。こんな夜更けにも関わらずだ。
(上に何かあるのかな?)
見晴のいい高台にでると、あらまぁ、たくさんの人・・・どころか屋台もびっしり。
「斎藤さん、何これ?」
と聞いてみるが、ふふん、と、鼻で笑われ、こっちだ。と合図されついていくと懐かしのお店に声が漏れた。
「あ、屋台蕎麦・・・・。」
斎藤は真っ直ぐ屋台蕎麦屋に行くと
「かけ二つ。」
と、注文した。
すぐに蕎麦が出る。
「腹の虫がなる前に早く食べろ。」
と言われ、1つ受け取る。
昔の恥ずかしい思い出がさっと脳内をよぎるがお腹ペコペコなのは事実で
「いただきます!」
と、頂戴する。こんなときは何も言わず一先ず食べる!
ゆっくり話をしてると、『蕎麦が伸びてまずくなる。』と、怒られる、というのもあるし。
美味しく頂いた後は、
「はい、ごちそうさまでした!」
斎藤にお礼を言う。
武尊が食べ終わると斎藤は武尊の手を取って引っ張った。
「こっちだ。」
「さ、斎藤さん??」
斎藤が普段こんな風に手を引っ張るなんてことはない。
嫌じゃないけど(というか嬉しいけど)それ以上に恥ずかしさが込み上げる。
そんな武尊の気持ちが読めるのか斎藤が、
「構うな、誰も俺達なんか見ていないさ。」
と、ぐいぐい武尊を引っ張った。
手を放すと人込みで迷子になりそうなくらいの人出。
もう少しで一番上かな、というところで斎藤は道横の藪に入る。
提灯が所々に置いてある人が通る道と違って暗い獣道だ。
「斎藤さん。」
「いいから黙ってついて来い。」
少しばかりガサガサ藪をこぐと、身長以上の巨大な岩のある場所に出た。
足がかりの小岩をよじ登って巨大岩の上に登るとそこは畳一畳ほどの平なスペースがあった。
そこから海と東京が遠くに広がっていた。
雲一つない夜空。
星明りと先程登ってきたばかりの月で海が光って見える。
そして東京の街灯りも。
「うわぁ、街の灯りがすごいね!」
武尊は思わず感激して目を輝かせた。
「嗚呼。まあ、座れ。」
斎藤は座りながら武尊にも座るように催促した。
岩の冷たさがお尻から伝わってくるが身体はむしろ暑いぐらいで冷たさが心地いい。
星明りに月、輝く海に街灯り。
美しい景色を暫く武尊は染み入るように見ていた。
そんな武尊の横顔を斎藤は時々見ながら煙草をふかした。
明治になって文明開化とやらで東京にも街中に街灯とかできた。
江戸の頃も人は多かったがこんなに明るくはなかった。
暮らしの変化、時代の流れを感じてしまう。
それがいい事なのか悪い事なのか。
その先の未来を知る武尊にとって、その答えは結論づけることができない。
ただ、今は激変の時代にあっても日本が外国に侵略されずに平和であるという有難さが人々の灯りとなってこんなにも広がっている。
だから灯りから暖かさが感じられるんだと、武尊は思う。
こんな素敵な景色を見ることが出来て嬉しい。
だけど、何で急に?
どうして?
と、武尊は斎藤の方を見た。
斎藤は煙草を手に眼下の景色を眺めていた。
ねえ、斎藤さん。
そう声をかけようと思ったけど斎藤の遠い所を見るような目に武尊ももう一度景色に目を移した。
武尊は警察の密偵の斎藤の下で短期のバイト・・・いや仕事の契約中。
藤田宅に居候の身分の武尊はすっかり時尾さんの手料理になついてしまっていた。
早く帰って美味しいお料理にありつきたい・・と思うものの急ぎの書類整理が終わらない。
ようやく終わったと思ったら、
「武尊、行くぞ。」
と声がかかる。
って、こんな夜遅くにどこへ・・まだ仕事があるのか。
忙しいとは聞いてたものの毎日毎日半端ねぇなと思う。
しかしながら藤田警部補専門助手(自称)とあっては上司の体調管理も仕事の一つ。
「一区切りつきましたので今日はもうあがりませんか?」
それにあなたが決めた私の門限、24時でしょ?時尾さん心配するよ。
なにより、お腹がすいた・・。
そんなことを思ってるうちに斎藤はさっさと支度して部屋をでる。
「あ、ちょっと、待ってください~!」
っと言っても無駄な上司なので武尊もあわてて後を追いかける。
何か事件でもあったのかな。
もくもくと二人して歩いていくと急な坂道に出た。
そこを黙々と登るのだが・・・・・何故だか人が多い。こんな夜更けにも関わらずだ。
(上に何かあるのかな?)
見晴のいい高台にでると、あらまぁ、たくさんの人・・・どころか屋台もびっしり。
「斎藤さん、何これ?」
と聞いてみるが、ふふん、と、鼻で笑われ、こっちだ。と合図されついていくと懐かしのお店に声が漏れた。
「あ、屋台蕎麦・・・・。」
斎藤は真っ直ぐ屋台蕎麦屋に行くと
「かけ二つ。」
と、注文した。
すぐに蕎麦が出る。
「腹の虫がなる前に早く食べろ。」
と言われ、1つ受け取る。
昔の恥ずかしい思い出がさっと脳内をよぎるがお腹ペコペコなのは事実で
「いただきます!」
と、頂戴する。こんなときは何も言わず一先ず食べる!
ゆっくり話をしてると、『蕎麦が伸びてまずくなる。』と、怒られる、というのもあるし。
美味しく頂いた後は、
「はい、ごちそうさまでした!」
斎藤にお礼を言う。
武尊が食べ終わると斎藤は武尊の手を取って引っ張った。
「こっちだ。」
「さ、斎藤さん??」
斎藤が普段こんな風に手を引っ張るなんてことはない。
嫌じゃないけど(というか嬉しいけど)それ以上に恥ずかしさが込み上げる。
そんな武尊の気持ちが読めるのか斎藤が、
「構うな、誰も俺達なんか見ていないさ。」
と、ぐいぐい武尊を引っ張った。
手を放すと人込みで迷子になりそうなくらいの人出。
もう少しで一番上かな、というところで斎藤は道横の藪に入る。
提灯が所々に置いてある人が通る道と違って暗い獣道だ。
「斎藤さん。」
「いいから黙ってついて来い。」
少しばかりガサガサ藪をこぐと、身長以上の巨大な岩のある場所に出た。
足がかりの小岩をよじ登って巨大岩の上に登るとそこは畳一畳ほどの平なスペースがあった。
そこから海と東京が遠くに広がっていた。
雲一つない夜空。
星明りと先程登ってきたばかりの月で海が光って見える。
そして東京の街灯りも。
「うわぁ、街の灯りがすごいね!」
武尊は思わず感激して目を輝かせた。
「嗚呼。まあ、座れ。」
斎藤は座りながら武尊にも座るように催促した。
岩の冷たさがお尻から伝わってくるが身体はむしろ暑いぐらいで冷たさが心地いい。
星明りに月、輝く海に街灯り。
美しい景色を暫く武尊は染み入るように見ていた。
そんな武尊の横顔を斎藤は時々見ながら煙草をふかした。
明治になって文明開化とやらで東京にも街中に街灯とかできた。
江戸の頃も人は多かったがこんなに明るくはなかった。
暮らしの変化、時代の流れを感じてしまう。
それがいい事なのか悪い事なのか。
その先の未来を知る武尊にとって、その答えは結論づけることができない。
ただ、今は激変の時代にあっても日本が外国に侵略されずに平和であるという有難さが人々の灯りとなってこんなにも広がっている。
だから灯りから暖かさが感じられるんだと、武尊は思う。
こんな素敵な景色を見ることが出来て嬉しい。
だけど、何で急に?
どうして?
と、武尊は斎藤の方を見た。
斎藤は煙草を手に眼下の景色を眺めていた。
ねえ、斎藤さん。
そう声をかけようと思ったけど斎藤の遠い所を見るような目に武尊ももう一度景色に目を移した。