※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
涼をもとめて (明治・京都山の中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夏、天ヶ岳の中腹といえども小屋の前の開けた場所は直射日光が当たる。
川から荷物を持って帰って来た武尊は当然のことながら、
「・・暑い。」
と、呟いた。
が、両手でパンと自分の頬に気合を入れると、背負子の中から先程川で洗ってきた比古の作務衣上下・・と、ふんどしをバンバンと振ってしわを伸ばすと竹竿に干した。
四日間の火入れがやっと終わってたくさん汗を吸った比古の作務衣・・洗わなくてもいい匂いだと思ったことは武尊の内緒で先程二人で川へ行き、一緒に洗濯をした後比古は川で遊泳(=水風呂)中。
武尊がさて今日のお昼ご飯は何にしようかと思いながら背負子をしまおうとしていると、
「武尊。」と声がした。
いつも二人暮らして他の人などいない日常。
そんな所でいきなり名前を呼ばれ、一瞬ドキっとしたが、聞き覚えのあるその声。
武尊は『蒼紫。』と呼びながら振り返った。
「どうしたの、今日は。」
「嗚呼、比古から葉月に入ったら来るように言われている。こちらも準備があり来るのが少し遅れてしまった。」
「ううん、丁度良かったよ。今朝まで窯にかかりっきりだったから。あ、だけど冷えるまで出せないよ。」
「いや、物の方はまた後にでも取りに来る。」
と、話していると髪もまとめてない比古が着替えの作務衣と草履・・と、腰には愛刀桔梗仙冬月で登場。
「よく来たな、四乃森。」
「こちらこそお世話になってます。」
蒼紫は比古に会釈をした。
「お帰り、比古さん。」
「おう。」
と武尊に返事をすると、蒼紫に
「悪いな。月頭には出来てるはずだったんだがこないだの長雨に火入れが送れちまってな。」
と言った。
「いえ、納期には十分間に合うので後日また取りに来ます。・・で、武尊、いつものだ。」
と、蒼紫は自分が背負って来た背負子から武尊に茄子を手渡した。
蒼紫の言う『いつもの』とは山小屋に来る度に渡す食料品のこと。
武尊が山へ帰ってから大体二か月に1回ぐらいは蒼紫は比古のところに来ていた。
もちろん武尊に会いに・・なのだが武尊が比古の嫁さんに落ち着いてもちゃんと栄養は取れているか心配で持ってくるのだ。
ということを比古は了承済み。
今まで里や町に下りるのは自分の食糧(=燃料、つまり酒)が入用になった時ぐらいで思い返せば俗にいう”町の人達が食べる物”はほぼ皆無の生活。
武尊は別にいいよと言うが酒がほぼ飲めない武尊にしっかり栄養を取らせるには蒼紫は比古にとっても都合が良かったのである。
武尊も時折蒼紫が来るのが分かっていてその時にいつもお土産と言って食料を持ってくるので申し訳ないと思いつつも期待してるのである。
武尊は受け取った茄子を見て感動した。
「わ!すごい艶!へたもとげとげ!」
武尊が驚いていると、次に木箱が出てきた。
「三輪の素麺だ。」
と武尊に手渡す。
「素麺!!」
武尊が大きく目を見張った。三輪そうめんは美味しいのを武尊は知っている。
それから・・と言って蒼紫は料亭葵屋特製の麺つゆの入った瓶と葵屋特製の梅干しと白の調理した鱧を手渡した。
とどめは竹筒に入った水ようかんだ。
「すっごい・・。」
豪華な食材に武尊は頭がショートした。
その様子に蒼紫も比古も口元を緩める。
「ねぇ、比古さん!蒼紫も一緒に食べてってもらおうよ!」
と武尊が言うと、
「おう、折角だから下で食べるか。」
と言った。
「下?」
「うん。」
蒼紫の問いに頷くと、ちょっと待っててと言い小屋に入るとすぐにまた出てきた。
武尊の手にはまな板と包丁とか諸々。
自分の背負子の籠に入れると、
「蒼紫、悪いけど食材一緒に持って来てくれる?じゃ、比古さん、先行ってるから比古さんは少し休んでから来てね!蒼紫、行こう!」
と、川へ向かって足取り超軽く道を進んで行った。
蒼紫はまた軽く比古に会釈をすると武尊の後を追った。
川から荷物を持って帰って来た武尊は当然のことながら、
「・・暑い。」
と、呟いた。
が、両手でパンと自分の頬に気合を入れると、背負子の中から先程川で洗ってきた比古の作務衣上下・・と、ふんどしをバンバンと振ってしわを伸ばすと竹竿に干した。
四日間の火入れがやっと終わってたくさん汗を吸った比古の作務衣・・洗わなくてもいい匂いだと思ったことは武尊の内緒で先程二人で川へ行き、一緒に洗濯をした後比古は川で遊泳(=水風呂)中。
武尊がさて今日のお昼ご飯は何にしようかと思いながら背負子をしまおうとしていると、
「武尊。」と声がした。
いつも二人暮らして他の人などいない日常。
そんな所でいきなり名前を呼ばれ、一瞬ドキっとしたが、聞き覚えのあるその声。
武尊は『蒼紫。』と呼びながら振り返った。
「どうしたの、今日は。」
「嗚呼、比古から葉月に入ったら来るように言われている。こちらも準備があり来るのが少し遅れてしまった。」
「ううん、丁度良かったよ。今朝まで窯にかかりっきりだったから。あ、だけど冷えるまで出せないよ。」
「いや、物の方はまた後にでも取りに来る。」
と、話していると髪もまとめてない比古が着替えの作務衣と草履・・と、腰には愛刀桔梗仙冬月で登場。
「よく来たな、四乃森。」
「こちらこそお世話になってます。」
蒼紫は比古に会釈をした。
「お帰り、比古さん。」
「おう。」
と武尊に返事をすると、蒼紫に
「悪いな。月頭には出来てるはずだったんだがこないだの長雨に火入れが送れちまってな。」
と言った。
「いえ、納期には十分間に合うので後日また取りに来ます。・・で、武尊、いつものだ。」
と、蒼紫は自分が背負って来た背負子から武尊に茄子を手渡した。
蒼紫の言う『いつもの』とは山小屋に来る度に渡す食料品のこと。
武尊が山へ帰ってから大体二か月に1回ぐらいは蒼紫は比古のところに来ていた。
もちろん武尊に会いに・・なのだが武尊が比古の嫁さんに落ち着いてもちゃんと栄養は取れているか心配で持ってくるのだ。
ということを比古は了承済み。
今まで里や町に下りるのは自分の食糧(=燃料、つまり酒)が入用になった時ぐらいで思い返せば俗にいう”町の人達が食べる物”はほぼ皆無の生活。
武尊は別にいいよと言うが酒がほぼ飲めない武尊にしっかり栄養を取らせるには蒼紫は比古にとっても都合が良かったのである。
武尊も時折蒼紫が来るのが分かっていてその時にいつもお土産と言って食料を持ってくるので申し訳ないと思いつつも期待してるのである。
武尊は受け取った茄子を見て感動した。
「わ!すごい艶!へたもとげとげ!」
武尊が驚いていると、次に木箱が出てきた。
「三輪の素麺だ。」
と武尊に手渡す。
「素麺!!」
武尊が大きく目を見張った。三輪そうめんは美味しいのを武尊は知っている。
それから・・と言って蒼紫は料亭葵屋特製の麺つゆの入った瓶と葵屋特製の梅干しと白の調理した鱧を手渡した。
とどめは竹筒に入った水ようかんだ。
「すっごい・・。」
豪華な食材に武尊は頭がショートした。
その様子に蒼紫も比古も口元を緩める。
「ねぇ、比古さん!蒼紫も一緒に食べてってもらおうよ!」
と武尊が言うと、
「おう、折角だから下で食べるか。」
と言った。
「下?」
「うん。」
蒼紫の問いに頷くと、ちょっと待っててと言い小屋に入るとすぐにまた出てきた。
武尊の手にはまな板と包丁とか諸々。
自分の背負子の籠に入れると、
「蒼紫、悪いけど食材一緒に持って来てくれる?じゃ、比古さん、先行ってるから比古さんは少し休んでから来てね!蒼紫、行こう!」
と、川へ向かって足取り超軽く道を進んで行った。
蒼紫はまた軽く比古に会釈をすると武尊の後を追った。