※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
Web拍手、斎藤編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「むぅ・・。」
不意打ちの口づけに武尊は目を見開いた。
瞬きをするとまつ毛が斎藤の頬を掠める・・。
懐かしい口づけ。
奪われる快楽が脳底から呼び起こされる。
三行半だか何だか知らないけれどそんなにそっけない態度を取るんだったら離縁でも何でもされちゃえ!と思った気持ちが心の底に望んでいたことをされて瞬時に溶けていく。
苦いはずの煙草の味も甘美に感じるほど脳が犯される口づけ。
何度か角度を変えて求められると無意識のうちに自分から求めていた。
ねっとりと犯された口内がようやく解放された時、武尊はたまらず斎藤にもたれこんだ。
「はぁ・・。」
武尊は身震いしながら酸素を求めて大きく息を吸った。
そして熱い吐息を吐き出した途端、頭上から独り言のような呟きが聞こえた。
「・・帰すわけがないだろうが。」
低い声に心臓が鷲掴みにされるかと思いつつ思わず顔を上げるとポンポンと頭を撫でられた。
そしてドキっとする。
思わず見上げたその顔は愛しい優しい顔。
たぶん自分にしか見せてくれない特別な顔。
「一・・。」
本当にズルい。
(そんな顔をされると帰ると言えない、言えなくなる・・。)
武尊は思わず苦笑した。
そして観念した。
「もう・・本当に藤田家がどうなっても知らないから。」
「阿呆、お前の居場所は当の昔からここなんだよ。」
武尊の言い草に斎藤は自分の左脇をポンと叩いた。
「ん?」
叩いた意味が分からず思わず首をちょこんと傾げると斎藤は、
「武士は二本差しと決まっているだろうが。」
武尊はそう言えばばそうだなと帯刀警官斎藤が持っている一本の刀に目をやると、
「お前は俺の脇差だ。戻ってきた刀を二度と手放すわけがないだろう。俺が武士として死ぬまで・・共に居ろ。」
最後は掠れるような声で言った言葉と共に斎藤は武尊を強く抱きしめた。
斎藤の胸元に顔を埋めた武尊の耳が赤くなる。
じんわりと、だが確実に嬉しさが込み上げるなかそっと上を剥けば夕日に溶けそうな甘い顔をした斎藤の視線とぶつかった。
茜空の下に思わず微笑み合う二人。
その陰は今一度一つに重なった。
二人の北の国の物語はここから始まる。
********
帰り道の途中、煙草を吸いながら斎藤が呟いた。
「今日は刀の手入れが大変だな。」
「え?しばらく手入れしてないんですか?(へぇ、そうなんだ、以前は必ず毎日してたのに。こっちに来て習慣が変わったのかな?)」
武尊がまた目を大きくして問いかけると斎藤はニヤリと口角をあげ、
「阿呆、お前のことだ。さぞかし手入れがされてないだろうからな。今夜は朝までしっかり手をかけてやるからな。」
と言われた。
「え?」
パチクリと瞬きした後に斎藤の言葉の意味が理解した武尊はぞわぞわと鳥肌が立った。
「やっぱり帰る~~!」
速攻回れ右した武尊だったが斎藤が武尊を逃すわけがなく、武尊は首根っこを掴まれ引きずられていくのであった。
2017.11.15
不意打ちの口づけに武尊は目を見開いた。
瞬きをするとまつ毛が斎藤の頬を掠める・・。
懐かしい口づけ。
奪われる快楽が脳底から呼び起こされる。
三行半だか何だか知らないけれどそんなにそっけない態度を取るんだったら離縁でも何でもされちゃえ!と思った気持ちが心の底に望んでいたことをされて瞬時に溶けていく。
苦いはずの煙草の味も甘美に感じるほど脳が犯される口づけ。
何度か角度を変えて求められると無意識のうちに自分から求めていた。
ねっとりと犯された口内がようやく解放された時、武尊はたまらず斎藤にもたれこんだ。
「はぁ・・。」
武尊は身震いしながら酸素を求めて大きく息を吸った。
そして熱い吐息を吐き出した途端、頭上から独り言のような呟きが聞こえた。
「・・帰すわけがないだろうが。」
低い声に心臓が鷲掴みにされるかと思いつつ思わず顔を上げるとポンポンと頭を撫でられた。
そしてドキっとする。
思わず見上げたその顔は愛しい優しい顔。
たぶん自分にしか見せてくれない特別な顔。
「一・・。」
本当にズルい。
(そんな顔をされると帰ると言えない、言えなくなる・・。)
武尊は思わず苦笑した。
そして観念した。
「もう・・本当に藤田家がどうなっても知らないから。」
「阿呆、お前の居場所は当の昔からここなんだよ。」
武尊の言い草に斎藤は自分の左脇をポンと叩いた。
「ん?」
叩いた意味が分からず思わず首をちょこんと傾げると斎藤は、
「武士は二本差しと決まっているだろうが。」
武尊はそう言えばばそうだなと帯刀警官斎藤が持っている一本の刀に目をやると、
「お前は俺の脇差だ。戻ってきた刀を二度と手放すわけがないだろう。俺が武士として死ぬまで・・共に居ろ。」
最後は掠れるような声で言った言葉と共に斎藤は武尊を強く抱きしめた。
斎藤の胸元に顔を埋めた武尊の耳が赤くなる。
じんわりと、だが確実に嬉しさが込み上げるなかそっと上を剥けば夕日に溶けそうな甘い顔をした斎藤の視線とぶつかった。
茜空の下に思わず微笑み合う二人。
その陰は今一度一つに重なった。
二人の北の国の物語はここから始まる。
********
帰り道の途中、煙草を吸いながら斎藤が呟いた。
「今日は刀の手入れが大変だな。」
「え?しばらく手入れしてないんですか?(へぇ、そうなんだ、以前は必ず毎日してたのに。こっちに来て習慣が変わったのかな?)」
武尊がまた目を大きくして問いかけると斎藤はニヤリと口角をあげ、
「阿呆、お前のことだ。さぞかし手入れがされてないだろうからな。今夜は朝までしっかり手をかけてやるからな。」
と言われた。
「え?」
パチクリと瞬きした後に斎藤の言葉の意味が理解した武尊はぞわぞわと鳥肌が立った。
「やっぱり帰る~~!」
速攻回れ右した武尊だったが斎藤が武尊を逃すわけがなく、武尊は首根っこを掴まれ引きずられていくのであった。
2017.11.15