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クリスマスの夜には(後編)
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比古に言われるままに何の気なしに向かいに座っている比古に武尊は右手を差出しテーブルに置いた。
一も蒼紫も比古の動作をじっと見つめた。
すると比古は急に真面目くさった声で、
「俺からのクリスマスプレゼントだ。・・・お前に。」
と言って袋から取り出したのは梅干しよりも大きな紅い石がついた指輪だった。
「!」
「!」
一も蒼紫もそれには息をのんだ。
「もしかしてルビーの指輪!?」
武尊は驚きすぎて声が裏返ってしまった。
比古はにやりと笑うと武尊の手を取り、中指にそれをはめた。
「比古伯父さんっ・・いくら何でも・・こ、こんなもの・・もらえないよ。」
武尊が困惑した声で、しかしながらその紅い石に魅入っていると、
「いちご味にしておいたからな。」
と言った。
「「「え?」」」
一、蒼紫、武尊の三人の声が一つになった。
「なかなかの出来だろ、これも俺が作ったんだぜ。ま、土台の方は食べられねぇけどな。」
としたり顔で言った。
「お菓子なの!?うっそー!」
「ま、手作りだから早めに食べてくれ。」
比古は驚く武尊を楽しそうに見ると一と蒼紫にも、
「お前らも実は持ってんだろ、折角いいシャンパンとケーキを食べてんだ。プレゼントを渡すのにいいシチュエーションを設定したんだ。渡しちまえよ。」
と言った。
一は少し黙っていたが、
「・・仕方がないな。武尊、手を出せ。」
と言い、ズボンのポケットから素のままのシルバープラチナの指輪を取り出した。
武尊は自分の左側に座っていた一に左手を出すと一は左手の中指にそれをはめた。
石はないが美しい曲線の指輪だった。
武尊は嬉しさよりも驚きで一を見た。
一はフッと微笑んで蒼紫に顔を向けた。
「お前もあるんだろ。」
「・・嗚呼。」
蒼紫は複雑な表情をしながらそう返事をし、自分を見ている武尊に向かって、
「武尊、俺にも手を出してくれるかな。」
と言った。
一の向かい、つまり武尊の左斜めに座っていた蒼紫に武尊は一と同じように左手を出した。
武尊はまさかと思ったが蒼紫はポケットから綺麗にラッピングされた小箱を開けた。
それは誰が見ても指輪を入れるケース。
そしてその中からピンクプラチナの指輪を取り出し武尊の・・蒼紫は一瞬何もつけられていない薬指を見たが一と同様、中指に重ねるようにつけてやった。
蒼紫のはパステルカラーの石が3つついた優しい感じのする指輪。
すべての指輪がはめられて武尊は驚きのまま何も言葉が出せなかった。
「良く似合ってるぜ。」
そしてその場の沈黙を打ち破るように比古が武尊を褒めた。
そして、
「ツタンカーメンの黄金マスクのレプリカにしなくてよかったぜ。」
と言うものだから武尊は、
「わ、比古伯父さんもうそんなのは勘弁してください!」
と、昨年送られてきた古代エジプトのネコの姿をした神様の置物を思い出して武尊は首を横に振った。
「何を言いやがる、バステト神はエジプトでは家を守ってくれる女神なんだぞ。ついでに多産のシンボルでもあるがな。」
「多産って!私まだ結婚さえしてないんだから!それだったら今年の指輪の方がよっぽどいい!・・イチゴ味だし・・。でも、まさかみんな指輪だったなんてびっくり・・・。」
武尊は化粧もしないしアクセサリーの類も邪魔だと思うぐらいで一切持っていなかった。
比古はともかく兄二人は武尊がアクセサリーに興味がないという事は知っていたはずなのにと武尊は思ったが、今日は実際そのアクセサリーとやらをもらったら何だか今までとは違ってとても嬉しい気がするのだ。
(こういうのをクリスマスマジックって言うのかもしれない・・。)
武尊は急に驚きよりも嬉しさの方が大きくなってはちきれんばかりの笑顔で、
「ありがとう、比古伯父さん、一兄さん、蒼紫兄さん!私とても嬉しい!」
と素直にお礼を言った。
今日はなんて素敵な日なのだろう!
武尊の心は幸せで満ちていた。
あとがき
(事後話)
一も蒼紫も比古の動作をじっと見つめた。
すると比古は急に真面目くさった声で、
「俺からのクリスマスプレゼントだ。・・・お前に。」
と言って袋から取り出したのは梅干しよりも大きな紅い石がついた指輪だった。
「!」
「!」
一も蒼紫もそれには息をのんだ。
「もしかしてルビーの指輪!?」
武尊は驚きすぎて声が裏返ってしまった。
比古はにやりと笑うと武尊の手を取り、中指にそれをはめた。
「比古伯父さんっ・・いくら何でも・・こ、こんなもの・・もらえないよ。」
武尊が困惑した声で、しかしながらその紅い石に魅入っていると、
「いちご味にしておいたからな。」
と言った。
「「「え?」」」
一、蒼紫、武尊の三人の声が一つになった。
「なかなかの出来だろ、これも俺が作ったんだぜ。ま、土台の方は食べられねぇけどな。」
としたり顔で言った。
「お菓子なの!?うっそー!」
「ま、手作りだから早めに食べてくれ。」
比古は驚く武尊を楽しそうに見ると一と蒼紫にも、
「お前らも実は持ってんだろ、折角いいシャンパンとケーキを食べてんだ。プレゼントを渡すのにいいシチュエーションを設定したんだ。渡しちまえよ。」
と言った。
一は少し黙っていたが、
「・・仕方がないな。武尊、手を出せ。」
と言い、ズボンのポケットから素のままのシルバープラチナの指輪を取り出した。
武尊は自分の左側に座っていた一に左手を出すと一は左手の中指にそれをはめた。
石はないが美しい曲線の指輪だった。
武尊は嬉しさよりも驚きで一を見た。
一はフッと微笑んで蒼紫に顔を向けた。
「お前もあるんだろ。」
「・・嗚呼。」
蒼紫は複雑な表情をしながらそう返事をし、自分を見ている武尊に向かって、
「武尊、俺にも手を出してくれるかな。」
と言った。
一の向かい、つまり武尊の左斜めに座っていた蒼紫に武尊は一と同じように左手を出した。
武尊はまさかと思ったが蒼紫はポケットから綺麗にラッピングされた小箱を開けた。
それは誰が見ても指輪を入れるケース。
そしてその中からピンクプラチナの指輪を取り出し武尊の・・蒼紫は一瞬何もつけられていない薬指を見たが一と同様、中指に重ねるようにつけてやった。
蒼紫のはパステルカラーの石が3つついた優しい感じのする指輪。
すべての指輪がはめられて武尊は驚きのまま何も言葉が出せなかった。
「良く似合ってるぜ。」
そしてその場の沈黙を打ち破るように比古が武尊を褒めた。
そして、
「ツタンカーメンの黄金マスクのレプリカにしなくてよかったぜ。」
と言うものだから武尊は、
「わ、比古伯父さんもうそんなのは勘弁してください!」
と、昨年送られてきた古代エジプトのネコの姿をした神様の置物を思い出して武尊は首を横に振った。
「何を言いやがる、バステト神はエジプトでは家を守ってくれる女神なんだぞ。ついでに多産のシンボルでもあるがな。」
「多産って!私まだ結婚さえしてないんだから!それだったら今年の指輪の方がよっぽどいい!・・イチゴ味だし・・。でも、まさかみんな指輪だったなんてびっくり・・・。」
武尊は化粧もしないしアクセサリーの類も邪魔だと思うぐらいで一切持っていなかった。
比古はともかく兄二人は武尊がアクセサリーに興味がないという事は知っていたはずなのにと武尊は思ったが、今日は実際そのアクセサリーとやらをもらったら何だか今までとは違ってとても嬉しい気がするのだ。
(こういうのをクリスマスマジックって言うのかもしれない・・。)
武尊は急に驚きよりも嬉しさの方が大きくなってはちきれんばかりの笑顔で、
「ありがとう、比古伯父さん、一兄さん、蒼紫兄さん!私とても嬉しい!」
と素直にお礼を言った。
今日はなんて素敵な日なのだろう!
武尊の心は幸せで満ちていた。
あとがき
(事後話)