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クリスマスの夜には(後編)
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「あ・・れ・・?」
部屋に入るなり武尊は目をまんまるに見張って比古と一を見た。
驚きから大好きな二人の姿を現実のものと脳が認識し始めると武尊は満面の笑みをたたえていた。
「比古伯父さん!一にぃ!うわっーどうしてっ・・」
武尊がもっと喋ろうとしていたら猫のひこさんが武尊に向かって突進してドスッ、ドスッと武尊の身体をよじ登って頭にのった。
「【ひこさん】!ダメだって!頭重い!うわぁ~!」
完全に猫に主導権を取られ慌てている武尊に比古が近づいて【ひこさん】の首根っこをつかまえてひょいっと持ち上げた。
「てめぇは誰にたてついてんだよ。武尊はお前の御主人様だろうが。」
と、言い聞かせて床に下ろした。
『ぶみゃ~も』
【ひこ】はイエスかノーか分からない鳴き声をすると武尊の足の周りを体をすりつけながら回った。
武尊は、
「ごめんね【ひこさん】、久しぶりにたくさん人がいるから興奮したの?」
と、しゃがんで【ひこさん】ののどをごろごろといじった。
「でも本当にびっくり!本物の比古伯父さんに会うなんて!比古伯父さんってこんなに大きい人だったんだ。」
「そりゃ、そうやってしゃがんでたんじゃぁ誰でもでかく見えるさ。」
比古はにやりとしながら鼻をフンとならした。
「だが武尊も立派に成長したな。予想以上だ。」
比古がそう言うのも無理はない、比古が日本三兄妹の前に姿を現したのは彼等の両親が事故で死んだ時以来だったからだ。
にもかかわらず武尊と親しく話すのは比古が猫の【ひこ】を武尊に送って以来時々メールや、最近ではラインで連絡を取っていたからだ。
「日本に帰って来るっていうそんな重要な事を私達に黙っているなんて・・事前に言ってくれればもっとちゃんとお料理とか作ったのに・・。」
と武尊は言いつつも視線はぐるりと居間を見渡していた。
いつもと何か違う違和感の原因はすぐに分かった。
「クリスマスツリー・・どうしたの、これ!?確か何年も屋根裏部屋にしまっておいたのに。」
武尊は思わずそう呟いた。
もう何年も斎ノ森家ではツリーを出していなかったのだ。
「ああ、これは俺が屋根裏部屋から引っ張りだしてきたんだ。捨ててなかったんだな、箱の中は綺麗なもんだったぜ。」
「伯父さん一人でこれを飾ったの?」
「どうだ、なかなか上手く飾れただろ。」
「うん、すごい。」
武尊は呆れたというか感服したというか、自分の家のツリーは大人の身長よりも少し大きなものなのによくも一人で飾ったものだと息をのんだ。
再び武尊は立ちあがった時もう一つ、朝にはなかったものがあるという事に気がついた。
部屋に漂う甘い匂い。
砂糖とバターの匂いだ。
そして一の座っているテーブルに美しいクリスマスケーキがある事に気がついた。
そして一の持っている絞り袋にも。
「ま・・まさか・・このケーキ・・。」
長兄一が焼いたとは天地がひっくり返っても想像出来ないと武尊は声を震わせた。
「阿呆、そんなに驚くことはないだろう。最もスポンジを焼いたのと果物の盛り付けはは伯父貴だがな。」
一はそう言うと立ち上がった。
「早く手を洗って来い。夜中だがせっかく伯父貴が作ってくれたんだ、皆で頂くとしよう。」
「うん、そうだね!今日だけはダイエットやめるね!」
武尊はそう言うと洗面所へ駆けて行った。
「お前もだ、蒼紫。早くコートぐらい脱いで手を洗って来い。」
一にそう言われるまで先に帰って来たにもかかわらず武尊に気を取られてその場に立ち尽くしていた蒼紫だった。
「嗚呼・・そうするよ。兄さん、悪いけどお湯沸かしといて。コーヒー入れなきゃ。」
蒼紫がそう言うと比古が、
「シャンパングラスも洗っておいた。折角のクリスマスだぐらい最初はシャンパンで乾杯と行こうぜ。」
と、比古はエプロンの紐をほどきながら台所へ向かった。
部屋に入るなり武尊は目をまんまるに見張って比古と一を見た。
驚きから大好きな二人の姿を現実のものと脳が認識し始めると武尊は満面の笑みをたたえていた。
「比古伯父さん!一にぃ!うわっーどうしてっ・・」
武尊がもっと喋ろうとしていたら猫のひこさんが武尊に向かって突進してドスッ、ドスッと武尊の身体をよじ登って頭にのった。
「【ひこさん】!ダメだって!頭重い!うわぁ~!」
完全に猫に主導権を取られ慌てている武尊に比古が近づいて【ひこさん】の首根っこをつかまえてひょいっと持ち上げた。
「てめぇは誰にたてついてんだよ。武尊はお前の御主人様だろうが。」
と、言い聞かせて床に下ろした。
『ぶみゃ~も』
【ひこ】はイエスかノーか分からない鳴き声をすると武尊の足の周りを体をすりつけながら回った。
武尊は、
「ごめんね【ひこさん】、久しぶりにたくさん人がいるから興奮したの?」
と、しゃがんで【ひこさん】ののどをごろごろといじった。
「でも本当にびっくり!本物の比古伯父さんに会うなんて!比古伯父さんってこんなに大きい人だったんだ。」
「そりゃ、そうやってしゃがんでたんじゃぁ誰でもでかく見えるさ。」
比古はにやりとしながら鼻をフンとならした。
「だが武尊も立派に成長したな。予想以上だ。」
比古がそう言うのも無理はない、比古が日本三兄妹の前に姿を現したのは彼等の両親が事故で死んだ時以来だったからだ。
にもかかわらず武尊と親しく話すのは比古が猫の【ひこ】を武尊に送って以来時々メールや、最近ではラインで連絡を取っていたからだ。
「日本に帰って来るっていうそんな重要な事を私達に黙っているなんて・・事前に言ってくれればもっとちゃんとお料理とか作ったのに・・。」
と武尊は言いつつも視線はぐるりと居間を見渡していた。
いつもと何か違う違和感の原因はすぐに分かった。
「クリスマスツリー・・どうしたの、これ!?確か何年も屋根裏部屋にしまっておいたのに。」
武尊は思わずそう呟いた。
もう何年も斎ノ森家ではツリーを出していなかったのだ。
「ああ、これは俺が屋根裏部屋から引っ張りだしてきたんだ。捨ててなかったんだな、箱の中は綺麗なもんだったぜ。」
「伯父さん一人でこれを飾ったの?」
「どうだ、なかなか上手く飾れただろ。」
「うん、すごい。」
武尊は呆れたというか感服したというか、自分の家のツリーは大人の身長よりも少し大きなものなのによくも一人で飾ったものだと息をのんだ。
再び武尊は立ちあがった時もう一つ、朝にはなかったものがあるという事に気がついた。
部屋に漂う甘い匂い。
砂糖とバターの匂いだ。
そして一の座っているテーブルに美しいクリスマスケーキがある事に気がついた。
そして一の持っている絞り袋にも。
「ま・・まさか・・このケーキ・・。」
長兄一が焼いたとは天地がひっくり返っても想像出来ないと武尊は声を震わせた。
「阿呆、そんなに驚くことはないだろう。最もスポンジを焼いたのと果物の盛り付けはは伯父貴だがな。」
一はそう言うと立ち上がった。
「早く手を洗って来い。夜中だがせっかく伯父貴が作ってくれたんだ、皆で頂くとしよう。」
「うん、そうだね!今日だけはダイエットやめるね!」
武尊はそう言うと洗面所へ駆けて行った。
「お前もだ、蒼紫。早くコートぐらい脱いで手を洗って来い。」
一にそう言われるまで先に帰って来たにもかかわらず武尊に気を取られてその場に立ち尽くしていた蒼紫だった。
「嗚呼・・そうするよ。兄さん、悪いけどお湯沸かしといて。コーヒー入れなきゃ。」
蒼紫がそう言うと比古が、
「シャンパングラスも洗っておいた。折角のクリスマスだぐらい最初はシャンパンで乾杯と行こうぜ。」
と、比古はエプロンの紐をほどきながら台所へ向かった。