「はぁ～。」


何度考えてもため息しかでてこない。

ここは知恵袋の翁にでも相談するしかない。

そして操ちゃんの方も翁からうまく話してもらって機嫌を戻してもらうしかない。



そう決心して足取り重く翁のとこへ向かった。

翁の部屋の前にきたが、こんな恥ずかしいことなかなか言い出す決心がつかず、うろうろしていると障子の向こうから翁が



「武尊か。入りなさい。」


とすこぶる真面目な声で私を呼んだ。


「翁さん、すみません。お忙しいときに。」

っとまず詫びをいれたが後が続かない。


あまりにもごもごしている私をみて

「どうした武尊。なにか困りごとか？」

「はい、あ、あのぅ～。その旅行会のことなのですが・・・」

翁の表情が“旅行会”っと言った途端にうひうひ顔になった・・ような気がした。

ああ・・・・なんかよくない予感がする。



「おお、そうじゃ武尊、操から聞いておるぞ！なんか寸劇をするとかなんとかで。なんか大人の私達を見せつけるから楽しみにしておれと言うておうたわい。まあ、あれだけ意気込んでおったのじゃ。なかなかのもんが見れると楽しみにしておるんじゃ。」


っと翁は手をポンっとたたきながらにこにこしながら・・・・いや、にや～っとしながら武尊を見た。



（だ、だめだ、、、翁はこの手の話が好きだったんだ。）



肩も頭も落として廊下を歩いていたら


『ドン』


誰かにぶつかった。


「あっ、すみません・・・・」
と顔をあげたら


「あ・あ・蒼紫・・・・・・・・・・・・・・・様。」


「なんだ今の間は。二人きりの時は名前でいい言っただろう。何か考え事か？」


「え・・あ・・。ん、、操ちゃんから相談、というかお願いごとされちゃったんだけど・・。」


武尊は盛大にため息をついた。


「なんなら話を聞こうか。」


（へ？）


「ここで言いにくければ俺の部屋へ来い。」


（ひぃ～！ここでも言いにくいけどそこもいや～～～～！）


だが武尊は蒼紫に手を引かれて彼の部屋へ連れて行かれた。