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クリスマスの夜には(前編)
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*クリスマス一週間前*
「武尊は24日はどうなんだ。」
「ん?24日?なんかあったっけ。」
今年もやって来るクリスマス。
斎ノ森蒼紫がそれが女性にとって特別な日だと気がついたのは数年前のこと。
自分の妹に対して何か今まで感じた事のない感情が芽生える前までは女という生き物に、ましてクリスマスなどにはまるで感心がなかった。
蒼紫にとってクリスマスシーズンと言えば、一年のうちで一番バイトに忙しい時期で家計の足しになるお金を稼ぐにしか過ぎなかった。
今年も御多分に漏れず、隠れ家的な存在でちょっと名の知れた【バー葵屋】のオーナー翁は蒼紫を入れると格段に客の入りがいいので稼ぎ時には必ず蒼紫をシフトに入れるのだった。
そのくせ客が自分に向かないと機嫌が悪くなる。
ともかくそんな理由で今年も蒼紫のクリスマスウイークはバイト三昧なのだ。
だが今年蒼紫がバイトにいそしむのには別の理由があった。
今年はクリスマスには何だかんだと理由をつけて東京からわざわざ帰って来る長男一が事件捜査の為に帰って来れない事が判明しているからだ。
(今年こそ・・俺の気持ちを武尊に伝えるのだ・・。)
蒼紫は迷う気持ちを奮い立たせて今回の計画を立てた。
貯めたバイト代で買ったピンクプラチナのリングをクリスマスに武尊の指にはめる。
そして自分の気持ちを打ち明ける・・。
「どうしたの蒼紫兄、蒼紫兄は今年もバイトで遅くなるんでしょ?」
「あ、嗚呼・・。」
どんなに遅くとも帰って来るのは武尊のいるこの家。
自分が帰って来るのはもう武尊が寝た頃になるかも知れないが、それはそれで部屋にそっと入り・・・。
妄想だけが蒼紫の頭でムクムクと膨らんでいると武尊が、
「あ、そうだった!私、薫ちゃんに頼まれて24日変わりにバイトに入る事になったから。」
耳に何か不穏な言葉が聞こえハッと武尊の方へ顔を向けた蒼紫は笑顔の妹の顔を食い入るように見た。
「今なんと・・。」
「ん?私もバイトだよ。蒼紫兄と一緒だね。」
と武尊は蒼紫に微笑んだ。
「薫ちゃんデートなんだって。どうしてもってお願いされた身としてはしょうがないよね。だってクリスマスじゃない。私、彼氏いないし・・やっぱりいる人を応援したほうがいいかなって思って。」
薫ちゃん、とは以前武尊がバイトしていた時のバイト仲間だ。
今は武尊はバイトをやめてはいるが店長の顔も良く知っているし心よく薫の代理を受けてくれたのだ。
武尊の話は続く。
「蒼紫兄は確か明日だけ早くあがってこれるんだったよね?私引き継ぎついでにチキンとケーキ買って帰るからちょっと早いけどちっちゃなクリスマスやろっか。」
そう、斎ノ森家ではクリスマスのお祝いをクリスマスにやったためしはここ何年もなく、通常蒼紫が早くバイトが終わる日に二人でささやかながらチキンとケーキで済ますのだ。
「嗚呼・・そうだな。」
蒼紫は自分のプレゼント計画は極秘なので例年行事を滞りなく済ませておこうと頷いたのだった。
「武尊は24日はどうなんだ。」
「ん?24日?なんかあったっけ。」
今年もやって来るクリスマス。
斎ノ森蒼紫がそれが女性にとって特別な日だと気がついたのは数年前のこと。
自分の妹に対して何か今まで感じた事のない感情が芽生える前までは女という生き物に、ましてクリスマスなどにはまるで感心がなかった。
蒼紫にとってクリスマスシーズンと言えば、一年のうちで一番バイトに忙しい時期で家計の足しになるお金を稼ぐにしか過ぎなかった。
今年も御多分に漏れず、隠れ家的な存在でちょっと名の知れた【バー葵屋】のオーナー翁は蒼紫を入れると格段に客の入りがいいので稼ぎ時には必ず蒼紫をシフトに入れるのだった。
そのくせ客が自分に向かないと機嫌が悪くなる。
ともかくそんな理由で今年も蒼紫のクリスマスウイークはバイト三昧なのだ。
だが今年蒼紫がバイトにいそしむのには別の理由があった。
今年はクリスマスには何だかんだと理由をつけて東京からわざわざ帰って来る長男一が事件捜査の為に帰って来れない事が判明しているからだ。
(今年こそ・・俺の気持ちを武尊に伝えるのだ・・。)
蒼紫は迷う気持ちを奮い立たせて今回の計画を立てた。
貯めたバイト代で買ったピンクプラチナのリングをクリスマスに武尊の指にはめる。
そして自分の気持ちを打ち明ける・・。
「どうしたの蒼紫兄、蒼紫兄は今年もバイトで遅くなるんでしょ?」
「あ、嗚呼・・。」
どんなに遅くとも帰って来るのは武尊のいるこの家。
自分が帰って来るのはもう武尊が寝た頃になるかも知れないが、それはそれで部屋にそっと入り・・・。
妄想だけが蒼紫の頭でムクムクと膨らんでいると武尊が、
「あ、そうだった!私、薫ちゃんに頼まれて24日変わりにバイトに入る事になったから。」
耳に何か不穏な言葉が聞こえハッと武尊の方へ顔を向けた蒼紫は笑顔の妹の顔を食い入るように見た。
「今なんと・・。」
「ん?私もバイトだよ。蒼紫兄と一緒だね。」
と武尊は蒼紫に微笑んだ。
「薫ちゃんデートなんだって。どうしてもってお願いされた身としてはしょうがないよね。だってクリスマスじゃない。私、彼氏いないし・・やっぱりいる人を応援したほうがいいかなって思って。」
薫ちゃん、とは以前武尊がバイトしていた時のバイト仲間だ。
今は武尊はバイトをやめてはいるが店長の顔も良く知っているし心よく薫の代理を受けてくれたのだ。
武尊の話は続く。
「蒼紫兄は確か明日だけ早くあがってこれるんだったよね?私引き継ぎついでにチキンとケーキ買って帰るからちょっと早いけどちっちゃなクリスマスやろっか。」
そう、斎ノ森家ではクリスマスのお祝いをクリスマスにやったためしはここ何年もなく、通常蒼紫が早くバイトが終わる日に二人でささやかながらチキンとケーキで済ますのだ。
「嗚呼・・そうだな。」
蒼紫は自分のプレゼント計画は極秘なので例年行事を滞りなく済ませておこうと頷いたのだった。