「武尊さん！」


突然操ちゃんが鼻息荒く私の部屋へ入ってきた。


「はい～、どうしたの？そんなに意気込んで。」


「ほら、武尊さん、前に話してたじゃない！今度うちで旅行会があったら私と武尊さんで寸劇やるって。」


「あ～～、そういえばそうだったわね～～。」


「でね、でね！いいこと思いついたの！」


「いいことって？」


「いつも、蒼紫様がね、私のこと、子供扱いするでしょ。だから私と武尊さんで・・・・ほら、男と女のラブロマンスを演じるの！」





「はぃい？ど、ど、ど、どうやって。」


あまりに衝撃的な発言に思わす口がうまく動かずどもってしまった。



「つまり！（じゃじゃ～んと、操に指をさされる）。武尊さんが、蒼紫様に～、男と女のらぶろまんすってどうやってやるのか聞いてきてもらって、それを私達でやるの！どう！みんなびっくりよ！」


（ラブロマンスってなによ！みんなびっくりの前に私がびっくりで倒れそうだわ！）

っと、突っ込んでみたくなるものの、こんな、危険な考えは何とかやめてもらわなければ！！
そもそも、そんなことを、しかも、よりによって蒼紫に聞くなんて。



一番ロマンスから遠そうな・・人だ。



そんなことを聞いたら間違いなく軽蔑のまなざしを受けてしまうのは間違いない。


今後の私の葵屋での生活がかかっている。


想像しただけでもだめだ、そんなのは。


「操ちゃん・・それはまずいって。。」


するといきなり操はすくっと立ち上がり、


「なによ、武尊さん。いつも困ったことがあったら私にいってね、力になるから。っていってたのは嘘だったの！うそつき！！」


そういうとキッっと武尊を睨んだあと、大粒の涙をポロっとこぼして


「武尊さんのばか～～～～～～～～～～～～～～～～～～ぁああ！」


っと叫び部屋を出て行ってしまった。


「操ちゃん！待って！！待って～～～ぇえええ！」

と、手を伸ばしたときはすでに影も見当たらない。


「いや、馬鹿って言われても・・はぁぁ～～あ。どうしてこうなるの。・・どうしよう。」


私は盛大にため息をつきがくっと頭を垂れた。