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お墓参り(明治・東京)
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八月のある日のこと。
「斎藤さん、沖田さんのお墓って東京にあるんでしたよね。」
やぶから棒になんだ。
ああ、武尊は明日非番か。
「東京に来てからまだ1回も行ってなかったので挨拶にでもいこうかと思って。」
**********
翌日、武尊は手桶に水、花とお線香とお供え物を持って斎藤から聞いたお寺にやってきた。
「沖田さん、お久しぶりです。月王・・・・いえ、記憶戻りました。改め武尊です。沖田さんにも私の本当の名前知って欲しくて。」
そして墓前で手を合わせ今までのことをお墓に向かって話す。
「本当、あの日私があんみつ、沖田さんが御団子を食べにあの店に入らなかったら今みたいな巡り合いってなかったんですねぇ。」
遠い目であの日のことを思い出す。
御縁に感謝します。
一礼してまた話だす。
「あ、これ、京都の物じゃなくて申し訳ないですけど、きんつばです。いっしょに食べようと思って、、、へへ。私のも持って来たんですよ。」
そういって武尊は微笑む。
「あ、明治三十五年に、台東区だったかな、私の大好きな“いもようかん”のお店ができるんですよ。もう絶品なんですよ!生きてたらそれも持ってきますね。」
墓前に座り武尊はきんつばを食べながらいろいろなことをお墓に向かって話す。
「まったく、墓前できんつば食べてるのはお前ぐらいなもんだな。」
突然背後で聞き覚えのある声がする。
「斎藤さん!!どうしてここに!」
振り返ると斎藤の手には花。
武尊の花と合わせて供える。
彼は非番ではないはず。
「近くに調べものがあっただけだ。ついでというわけではないが、たまの盆ぐらい来てやらんとな。」
(ほら、斎藤さんってやさしいでしょ。)
「あっ・・・」
ふわりと声がきこえる。
「沖田さん・・・・。」
「ん?どうした。」
「沖田さんが来た。」
武尊は霊感があるとかいってたから見えるのだろう。
斎藤はニヤリとすると
「そうか・・・。そこにいるんだったら都合がいい。沖田さん、武尊は俺がかわいがってやってるから。心配するな。」
「なっ!」
武尊は思いがけない斎藤の言葉に二の句がつげない。
「どうだ、沖田さんはなんて言っている。」
斎藤が得意そうに武尊に聞く。
武尊は沖田の霊と斎藤を交互に見ながら、ふぅ~っと盛大にため息をついて
「むき~~。って言ってますよ。もう、、、、私を肴に遊ぶのはみんな死んでからにしてく・だ・さ・い!」
時は明治。
青い空に大きな積乱雲。毎年変わらぬ夏の昼下がり。
変わるのは人、人の世。
時の環の中においては刹那なのかもしれないが
巡り合えた大事な人々を胸に刻み込んで生きてゆく。
「生きてたらまた来ます。死んだらそっち行きます--ッ!痛っ!!」
「最後の一言は余計だ、阿呆。」
「たたいた!思いっきりたたいたでしょ--!」
武尊が騒ぐ姿を見て笑う沖田にぺこりと頭を下げて、先にスタスタと行ってしまった上司を追いかける。
走ってすれ違いざまに
「私、斎藤さんと沖田さんに出会えて本当によかった!」
と言って全力ダッシュ。
「何だ、よく聞こえなかったぞ。」
という斎藤に
「なんでもな----い!」
と笑って武尊は下まで駆け降りた。
余談:
沖田さんのお墓は東京にあるということなのですが、実際とても多くのファンの方が来られていろいろ大変だったということで現在は墓標のほうへは行くことができないそうです。
沖田さんファンの方はご自宅から冥福をお祈りしましょう。
「斎藤さん、沖田さんのお墓って東京にあるんでしたよね。」
やぶから棒になんだ。
ああ、武尊は明日非番か。
「東京に来てからまだ1回も行ってなかったので挨拶にでもいこうかと思って。」
**********
翌日、武尊は手桶に水、花とお線香とお供え物を持って斎藤から聞いたお寺にやってきた。
「沖田さん、お久しぶりです。月王・・・・いえ、記憶戻りました。改め武尊です。沖田さんにも私の本当の名前知って欲しくて。」
そして墓前で手を合わせ今までのことをお墓に向かって話す。
「本当、あの日私があんみつ、沖田さんが御団子を食べにあの店に入らなかったら今みたいな巡り合いってなかったんですねぇ。」
遠い目であの日のことを思い出す。
御縁に感謝します。
一礼してまた話だす。
「あ、これ、京都の物じゃなくて申し訳ないですけど、きんつばです。いっしょに食べようと思って、、、へへ。私のも持って来たんですよ。」
そういって武尊は微笑む。
「あ、明治三十五年に、台東区だったかな、私の大好きな“いもようかん”のお店ができるんですよ。もう絶品なんですよ!生きてたらそれも持ってきますね。」
墓前に座り武尊はきんつばを食べながらいろいろなことをお墓に向かって話す。
「まったく、墓前できんつば食べてるのはお前ぐらいなもんだな。」
突然背後で聞き覚えのある声がする。
「斎藤さん!!どうしてここに!」
振り返ると斎藤の手には花。
武尊の花と合わせて供える。
彼は非番ではないはず。
「近くに調べものがあっただけだ。ついでというわけではないが、たまの盆ぐらい来てやらんとな。」
(ほら、斎藤さんってやさしいでしょ。)
「あっ・・・」
ふわりと声がきこえる。
「沖田さん・・・・。」
「ん?どうした。」
「沖田さんが来た。」
武尊は霊感があるとかいってたから見えるのだろう。
斎藤はニヤリとすると
「そうか・・・。そこにいるんだったら都合がいい。沖田さん、武尊は俺がかわいがってやってるから。心配するな。」
「なっ!」
武尊は思いがけない斎藤の言葉に二の句がつげない。
「どうだ、沖田さんはなんて言っている。」
斎藤が得意そうに武尊に聞く。
武尊は沖田の霊と斎藤を交互に見ながら、ふぅ~っと盛大にため息をついて
「むき~~。って言ってますよ。もう、、、、私を肴に遊ぶのはみんな死んでからにしてく・だ・さ・い!」
時は明治。
青い空に大きな積乱雲。毎年変わらぬ夏の昼下がり。
変わるのは人、人の世。
時の環の中においては刹那なのかもしれないが
巡り合えた大事な人々を胸に刻み込んで生きてゆく。
「生きてたらまた来ます。死んだらそっち行きます--ッ!痛っ!!」
「最後の一言は余計だ、阿呆。」
「たたいた!思いっきりたたいたでしょ--!」
武尊が騒ぐ姿を見て笑う沖田にぺこりと頭を下げて、先にスタスタと行ってしまった上司を追いかける。
走ってすれ違いざまに
「私、斎藤さんと沖田さんに出会えて本当によかった!」
と言って全力ダッシュ。
「何だ、よく聞こえなかったぞ。」
という斎藤に
「なんでもな----い!」
と笑って武尊は下まで駆け降りた。
余談:
沖田さんのお墓は東京にあるということなのですが、実際とても多くのファンの方が来られていろいろ大変だったということで現在は墓標のほうへは行くことができないそうです。
沖田さんファンの方はご自宅から冥福をお祈りしましょう。