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張と左之助(明治・東京)
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「なぁ。」
聞くことは聞いたし後はホウキ頭が三本傷の居場所を調べるのを待ってればいいやと思った左之助は張に話しかけた。
「何や・・。」
少し元気なく張は返事をした。
「さっきの事だがよ、お前の女ってどんな奴なんだよ。」
左之助は張の女というのが少々気になった。
左之助にとって嬢ちゃんや赤べこの燕という娘というのは悪い女には思えないが、かと言って別に興味が湧く対象でもないからだ。
つまり左之助は自分より年下の女にはまったく興味がない。
「志々雄の女・・・みたいな感じの女なのかよ?お前の女って。」
強いて言えば自分より年上の方が興味はなくても一応女という生きものに見えるらしい・・左之助にとっては。
「あ?わかっとらんなトリ頭は。(ほんまアホちゃうか?この男。)」
と、張が呆れながら言った。
「お前【女】ちゅう、存在がどういうもんかわかっとらんやろ。わいやって年から年中女の事考えとるわけやないで。面白いちゅう事に限って言えば人斬っとる方が面白いわ。せやけど、そういうのとはちゃうねん。お前みたいに喧嘩しか面白うないちゅう奴には言うたってわからへんわ。」
「何だとコラ。」
別に今日の今日まで女という者が必要だとは考えもしなかった左之助だが、弥彦に先をこされる(何を)わけにはいかないと思うと少し焦るのであった。
「もうええわ、お前みたいなんとくっつく女がおったらそっちの方が可哀想や。筆おろしが気になるんやったら早よう金出してやってもらえ。」
「るせぇよ!そんな事はわかってら!」
「それに別に女は必要ないで、わいらみたいな男には・・。」
と、張はため息をついた。
「ほんでも、出会ってしもうたら・・自分のこれやと思う女に出会うてしもうたら・・・。」
張は見つめていた酒をぐいっとあおった。
「出・・出会ったらどうなるってんだい・・。」
ゴクリと左之助は唾をのみ、張の続きを待った。
「女は顔やない、歳でもない、まして金でもないで・・・この手で守りたいと本気で思える女がそいつの女や。そういう【女】に出会ったら男は・・。」
「男は・・?」
「【男】になんねん。」
「・・・・・・。」
プシュー、と左之助から音がした。
どうやら頭がショートしたらしい。
「アホ、やっぱお前みたいなんには言うてもわからんやったか。」
固まってる左之助に張は最後にこう言った。
「トリ頭、そんなお前は女ちゅうもんには一生縁がなさそうやな。お前がどんな人生送るかわいには全く興味があらへんけど一つええこと教えてやるわ。ええか、お前みたいな男に優しくしてくれる女がおったら素直に『好き』言うてみ、奇跡が起これば上手く行くかもしれへんで・・・・お前も出会えるとええな、お前の【女】に。」
と、言って席を立った。
「金は払ろうとっちゃるで、ま、ゆっくりせぇ、ほな。」
と、張はそこを出た。
「わいもそんな偉そうな事言う口はあらへんな・・旦那に付いて蝦夷行くんならわいも・・・わいの気持ち言った方がええんかの・・・うおっ、寒っ!」
夏は終わった。
夜風もすっかり秋らしくなり、今年初めて少し冷たい風が張の横を擦り抜けた。
張は三軒目に向かいながら今後の身の振りに悩むのであった。
2014. 4. 4
聞くことは聞いたし後はホウキ頭が三本傷の居場所を調べるのを待ってればいいやと思った左之助は張に話しかけた。
「何や・・。」
少し元気なく張は返事をした。
「さっきの事だがよ、お前の女ってどんな奴なんだよ。」
左之助は張の女というのが少々気になった。
左之助にとって嬢ちゃんや赤べこの燕という娘というのは悪い女には思えないが、かと言って別に興味が湧く対象でもないからだ。
つまり左之助は自分より年下の女にはまったく興味がない。
「志々雄の女・・・みたいな感じの女なのかよ?お前の女って。」
強いて言えば自分より年上の方が興味はなくても一応女という生きものに見えるらしい・・左之助にとっては。
「あ?わかっとらんなトリ頭は。(ほんまアホちゃうか?この男。)」
と、張が呆れながら言った。
「お前【女】ちゅう、存在がどういうもんかわかっとらんやろ。わいやって年から年中女の事考えとるわけやないで。面白いちゅう事に限って言えば人斬っとる方が面白いわ。せやけど、そういうのとはちゃうねん。お前みたいに喧嘩しか面白うないちゅう奴には言うたってわからへんわ。」
「何だとコラ。」
別に今日の今日まで女という者が必要だとは考えもしなかった左之助だが、弥彦に先をこされる(何を)わけにはいかないと思うと少し焦るのであった。
「もうええわ、お前みたいなんとくっつく女がおったらそっちの方が可哀想や。筆おろしが気になるんやったら早よう金出してやってもらえ。」
「るせぇよ!そんな事はわかってら!」
「それに別に女は必要ないで、わいらみたいな男には・・。」
と、張はため息をついた。
「ほんでも、出会ってしもうたら・・自分のこれやと思う女に出会うてしもうたら・・・。」
張は見つめていた酒をぐいっとあおった。
「出・・出会ったらどうなるってんだい・・。」
ゴクリと左之助は唾をのみ、張の続きを待った。
「女は顔やない、歳でもない、まして金でもないで・・・この手で守りたいと本気で思える女がそいつの女や。そういう【女】に出会ったら男は・・。」
「男は・・?」
「【男】になんねん。」
「・・・・・・。」
プシュー、と左之助から音がした。
どうやら頭がショートしたらしい。
「アホ、やっぱお前みたいなんには言うてもわからんやったか。」
固まってる左之助に張は最後にこう言った。
「トリ頭、そんなお前は女ちゅうもんには一生縁がなさそうやな。お前がどんな人生送るかわいには全く興味があらへんけど一つええこと教えてやるわ。ええか、お前みたいな男に優しくしてくれる女がおったら素直に『好き』言うてみ、奇跡が起これば上手く行くかもしれへんで・・・・お前も出会えるとええな、お前の【女】に。」
と、言って席を立った。
「金は払ろうとっちゃるで、ま、ゆっくりせぇ、ほな。」
と、張はそこを出た。
「わいもそんな偉そうな事言う口はあらへんな・・旦那に付いて蝦夷行くんならわいも・・・わいの気持ち言った方がええんかの・・・うおっ、寒っ!」
夏は終わった。
夜風もすっかり秋らしくなり、今年初めて少し冷たい風が張の横を擦り抜けた。
張は三軒目に向かいながら今後の身の振りに悩むのであった。
2014. 4. 4