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弐(妹を探しにきた男) 比古・オリキャラ兄
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朝になって布団の中になにやら違和感。
(ああ、、昨日拾ってきたんだよな。こいつを。)
冷たかった肌もすっかり暖かくなっており顔色もよい。すっかり熟睡しているようで起きる気配はない。
まつ毛が長く、桜色の唇が艶やかだ。
思わず片手で唇と頬に触れた。
「やわらかいな。」
頬の傷の血は止まっており、三本の傷がくっきり見える。
白いマントの男・・・・・・・比古清十郎は、はぁっと短くため息をつくと、朝餉げでもつくってやろうと表へ出た。
まだ外は薄暗く、少しもやがかかっている。
昨日降った雨のせいであろうか、朝露のせいなのか下草は濡れ空気はひんやりしている。
比古は昨日拾った女と目があった時のことを思い出した。
「・・・・・・・・・やれやれ。」
と、その時なにやら好まざる気配を感じ比古はその方向を睨んだ。
「ここは普通、人が用事もなく来るような粋狂なところじゃないんだが・・・何の用だ。」
言い放つともやの向こうの近づいて来る人影が答えた。
「人を探している。右頬に三本の傷がある女だ。知らないか。」
「ほう、そいつはお前のなんなんだ。」
「妹・・・・・・だ。」
そう言いながら現れたのは三人の山伏のような姿をした男たちだった。
比古が疑問を投げかける前にそのうちの一人が言った。
「何故この場所の場所がわかったのか不思議であろう。御神託だ。」
(御神託?怪しいものだな。)
とも思ったが、通常なら知人でもない限り人が来ることもないこの場所にあの女が湧いてでたことなど分かるはずもない。
あの女自体常識とはかけ離れたものがある。
しかも右頬に傷という特徴まで一致しているなど有り得ない話だ。
この男達の話が本当ならわざわざ里へ下りて身元引受人を探す手間をかけることもない。
なにより、家族というのならなら返してやるのが当然だ。
・・が、比古の直感が、それは否。と言っている。
しかしそれを否定できる根拠はなにもない。
「・・こっちだ。昨晩雨の中、道で倒れていたから連れてきて寝かせておいた。」
比古はそう言うと小屋へ戻り入り口を開けた。
するとその女をみた男は
「蘭子!探したぞ!」
と叫ぶと女に駆け寄り寝ている女の身体を抱き上げた。
が、女が何も身に着けていないことに気付くと、男は怒りの形相をにじませ比古を振り返った。
「何もしちゃぁいねえよ。そいつは何も身に着けていなかったぜ。」
「本当か。」
「本当も何も。こっちが信じられないぜ。素っ裸で山で倒れてるなんてどういう了見か説明して貰いたいぐらいだ。俺がたまたま通りかからなかったらこいつはあのまま冷たくなってたな。」
それを聞くと男は少し間を置き、比古のほうへ正しく座りなおすと深々と頭を下げた。
「此度は妹をお助けいただき真、世話になった。お礼申しつかまつる。」
「大したことじゃねぇ。見つかってよかったな。」
こうして男は女を担ぐと再度比古に頭を下げ他の男と山を下りて行った。
女は比古の前で目覚めることなく去った。
「・・まあ、これで元の鞘に戻ったということだな。」
と呟きつつも比古はどこか納得はしていなかった。
返すべきではなかったという思いが段々強くなる。
だがどうしようもなかったのだ、比古は己に言い聞かせたのだった。
(ああ、、昨日拾ってきたんだよな。こいつを。)
冷たかった肌もすっかり暖かくなっており顔色もよい。すっかり熟睡しているようで起きる気配はない。
まつ毛が長く、桜色の唇が艶やかだ。
思わず片手で唇と頬に触れた。
「やわらかいな。」
頬の傷の血は止まっており、三本の傷がくっきり見える。
白いマントの男・・・・・・・比古清十郎は、はぁっと短くため息をつくと、朝餉げでもつくってやろうと表へ出た。
まだ外は薄暗く、少しもやがかかっている。
昨日降った雨のせいであろうか、朝露のせいなのか下草は濡れ空気はひんやりしている。
比古は昨日拾った女と目があった時のことを思い出した。
「・・・・・・・・・やれやれ。」
と、その時なにやら好まざる気配を感じ比古はその方向を睨んだ。
「ここは普通、人が用事もなく来るような粋狂なところじゃないんだが・・・何の用だ。」
言い放つともやの向こうの近づいて来る人影が答えた。
「人を探している。右頬に三本の傷がある女だ。知らないか。」
「ほう、そいつはお前のなんなんだ。」
「妹・・・・・・だ。」
そう言いながら現れたのは三人の山伏のような姿をした男たちだった。
比古が疑問を投げかける前にそのうちの一人が言った。
「何故この場所の場所がわかったのか不思議であろう。御神託だ。」
(御神託?怪しいものだな。)
とも思ったが、通常なら知人でもない限り人が来ることもないこの場所にあの女が湧いてでたことなど分かるはずもない。
あの女自体常識とはかけ離れたものがある。
しかも右頬に傷という特徴まで一致しているなど有り得ない話だ。
この男達の話が本当ならわざわざ里へ下りて身元引受人を探す手間をかけることもない。
なにより、家族というのならなら返してやるのが当然だ。
・・が、比古の直感が、それは否。と言っている。
しかしそれを否定できる根拠はなにもない。
「・・こっちだ。昨晩雨の中、道で倒れていたから連れてきて寝かせておいた。」
比古はそう言うと小屋へ戻り入り口を開けた。
するとその女をみた男は
「蘭子!探したぞ!」
と叫ぶと女に駆け寄り寝ている女の身体を抱き上げた。
が、女が何も身に着けていないことに気付くと、男は怒りの形相をにじませ比古を振り返った。
「何もしちゃぁいねえよ。そいつは何も身に着けていなかったぜ。」
「本当か。」
「本当も何も。こっちが信じられないぜ。素っ裸で山で倒れてるなんてどういう了見か説明して貰いたいぐらいだ。俺がたまたま通りかからなかったらこいつはあのまま冷たくなってたな。」
それを聞くと男は少し間を置き、比古のほうへ正しく座りなおすと深々と頭を下げた。
「此度は妹をお助けいただき真、世話になった。お礼申しつかまつる。」
「大したことじゃねぇ。見つかってよかったな。」
こうして男は女を担ぐと再度比古に頭を下げ他の男と山を下りて行った。
女は比古の前で目覚めることなく去った。
「・・まあ、これで元の鞘に戻ったということだな。」
と呟きつつも比古はどこか納得はしていなかった。
返すべきではなかったという思いが段々強くなる。
だがどうしようもなかったのだ、比古は己に言い聞かせたのだった。