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弐拾と参(運命の夜) (斎藤・十六夜丸・市彦)
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「怪我人が見れるのか?」
「・・程度にもよるが。」
十六夜丸の返答に斎藤は、
「怪我人を頼む。」
と十六夜丸に頭を下げた。
十六夜丸はそんな斎藤の態度が大人しすぎて気味が悪いと思いながら、
「狼の頼みだし、と・く・べ・つ・だからな。傷を見てもらいたい奴は一列に並べ。早く!ああ・・・・一つ注文がある。今夜のことは誰にも言うな。お前らがこれから見るのは幻だからな!」
十六夜丸はそう言うと斎藤の指示で並んだ怪我人の怪我の部分に上から手掌をかざした。
手当を受ける者が半信半疑で見ていたが傷口はみるみるうちにふさがってゆくのを見て驚き叫んだ。
「傷が消えた!歩けるぞ!」
その言葉に周りがどよめく。
「静かにしろ!敵に気付かれちまうだろ。はい、次!治ったものから進んで行け!まとまっていたら狙い撃ちにされたときに終わりだぜ。」
斎藤が無言で頷くと治療を終えたものは二人一組でこの場を離れて言った。
額から汗を流しながら力を使う十六夜丸を斎藤はじっと見ていた。
そうしてそこに居た治療が必要な全員・・二十名ぐらい治療しただろうか。
「終わったぞ.・・・・狼。お前も行け、早く!」
「何をやる気だ一体。」
「お前には関係ない。」
とりあえず邪魔だから早く消えてくれと思うばかりの十六夜丸が何かに気付いた。
常人には分からないが十六夜丸は良からぬ気を察知したのだ。
十六夜丸のに焦りの色が見える。
「行けよ、狼。もうじき来るぜ、敵さんがよ。」
そう言い終わったと同時に下の斜面の方向で大勢の声がした。
(何故いることがばれた?早いぞ!)
十六夜丸がそう思った時どことなく流れたきた煙草の臭い。
「狼!お前の仲間は馬鹿か!!こんな所で煙草なんぞ吸いやがって!」
その時、今までにざわめいていた軍勢が静かになった。
「!」
十六夜丸には分かった。これから何が起こるか。
(---来る!)
次の瞬間、
「狼!危ない!!」
十六夜丸は斎藤を突き飛ばし、上から覆いかぶさる。
パパパパパパン!
何丁もの鉄砲の音がしたと同時に
ブシュッ!
嫌な音がして斎藤の服が血で濡れる。
「くっ~。」
「おい!撃たれたのか!?」
斎藤をかばって撃たれたのは十六夜丸だった。
「大丈夫だ。これくらい。」
左肩を押さえながら十六夜丸は答えた。
「あいつら見境なく打ちやがって・・・。狼、お前は早く行け!」
だが斎藤は動かない。
「行けったら行けよ!」
と、斎藤を睨み噛みつくように言う。
そして、その後ぼそっと、
「あいつも・・・・お前がここで死ぬのを望んじゃいない。」
告げた。
斎藤は食い入るように十六夜丸を見た後、
「死ぬなよ。」
と言って駆け出した。
十六夜丸は斎藤が闇に消えるのを見届けると
「・・・・・・・・死ぬかよ、馬-鹿。」
と呟いた。
言葉と裏腹に息が上がってくる。
「畜生、結構、痛ってぇなぁ・・・・。」
押さえた肩がぬるぬるする。
(さっき力を使い過ぎたか。力が入らねぇや。)
もう十六夜丸には治癒をする力は残っていなかった。
治癒どころか立ってることさえ難しい。
十六夜丸はガクッとひざまづくと、空に向かって思い切り叫んだ。
「礼はたっぷりさせてもらうぜ!馬鹿官軍どもが!」
十六夜丸の眼が紅い輝きを放つと
突然空から稲光が何本も地面に向かって矢のように落ちた。
轟音とともに昼間のごとく辺りを照らした。
辺りが再び静まり返った時、
肩を押さえ荒く息をし、うずくまる十六夜丸の姿があった。
「やばいな・・・血が流れ過ぎだ・・・・。」
十六夜丸は力ない目で空を見上げる。
丁度、月が十六夜丸を照らす。
(いいか武尊・・・少しだけ手放してやる・・だが忘れるなお前は俺の獲物だ、お前を喰らうのは俺だ。)
十六夜丸はもう片方の手で武尊の身体(自分の身体)を抱きしめ最後の力を振り絞った。
「しばしの別れだ!武尊!」
十六夜丸が叫ぶと同時にに今までよりも一際大きな雷が落ちたのだった。
「・・程度にもよるが。」
十六夜丸の返答に斎藤は、
「怪我人を頼む。」
と十六夜丸に頭を下げた。
十六夜丸はそんな斎藤の態度が大人しすぎて気味が悪いと思いながら、
「狼の頼みだし、と・く・べ・つ・だからな。傷を見てもらいたい奴は一列に並べ。早く!ああ・・・・一つ注文がある。今夜のことは誰にも言うな。お前らがこれから見るのは幻だからな!」
十六夜丸はそう言うと斎藤の指示で並んだ怪我人の怪我の部分に上から手掌をかざした。
手当を受ける者が半信半疑で見ていたが傷口はみるみるうちにふさがってゆくのを見て驚き叫んだ。
「傷が消えた!歩けるぞ!」
その言葉に周りがどよめく。
「静かにしろ!敵に気付かれちまうだろ。はい、次!治ったものから進んで行け!まとまっていたら狙い撃ちにされたときに終わりだぜ。」
斎藤が無言で頷くと治療を終えたものは二人一組でこの場を離れて言った。
額から汗を流しながら力を使う十六夜丸を斎藤はじっと見ていた。
そうしてそこに居た治療が必要な全員・・二十名ぐらい治療しただろうか。
「終わったぞ.・・・・狼。お前も行け、早く!」
「何をやる気だ一体。」
「お前には関係ない。」
とりあえず邪魔だから早く消えてくれと思うばかりの十六夜丸が何かに気付いた。
常人には分からないが十六夜丸は良からぬ気を察知したのだ。
十六夜丸のに焦りの色が見える。
「行けよ、狼。もうじき来るぜ、敵さんがよ。」
そう言い終わったと同時に下の斜面の方向で大勢の声がした。
(何故いることがばれた?早いぞ!)
十六夜丸がそう思った時どことなく流れたきた煙草の臭い。
「狼!お前の仲間は馬鹿か!!こんな所で煙草なんぞ吸いやがって!」
その時、今までにざわめいていた軍勢が静かになった。
「!」
十六夜丸には分かった。これから何が起こるか。
(---来る!)
次の瞬間、
「狼!危ない!!」
十六夜丸は斎藤を突き飛ばし、上から覆いかぶさる。
パパパパパパン!
何丁もの鉄砲の音がしたと同時に
ブシュッ!
嫌な音がして斎藤の服が血で濡れる。
「くっ~。」
「おい!撃たれたのか!?」
斎藤をかばって撃たれたのは十六夜丸だった。
「大丈夫だ。これくらい。」
左肩を押さえながら十六夜丸は答えた。
「あいつら見境なく打ちやがって・・・。狼、お前は早く行け!」
だが斎藤は動かない。
「行けったら行けよ!」
と、斎藤を睨み噛みつくように言う。
そして、その後ぼそっと、
「あいつも・・・・お前がここで死ぬのを望んじゃいない。」
告げた。
斎藤は食い入るように十六夜丸を見た後、
「死ぬなよ。」
と言って駆け出した。
十六夜丸は斎藤が闇に消えるのを見届けると
「・・・・・・・・死ぬかよ、馬-鹿。」
と呟いた。
言葉と裏腹に息が上がってくる。
「畜生、結構、痛ってぇなぁ・・・・。」
押さえた肩がぬるぬるする。
(さっき力を使い過ぎたか。力が入らねぇや。)
もう十六夜丸には治癒をする力は残っていなかった。
治癒どころか立ってることさえ難しい。
十六夜丸はガクッとひざまづくと、空に向かって思い切り叫んだ。
「礼はたっぷりさせてもらうぜ!馬鹿官軍どもが!」
十六夜丸の眼が紅い輝きを放つと
突然空から稲光が何本も地面に向かって矢のように落ちた。
轟音とともに昼間のごとく辺りを照らした。
辺りが再び静まり返った時、
肩を押さえ荒く息をし、うずくまる十六夜丸の姿があった。
「やばいな・・・血が流れ過ぎだ・・・・。」
十六夜丸は力ない目で空を見上げる。
丁度、月が十六夜丸を照らす。
(いいか武尊・・・少しだけ手放してやる・・だが忘れるなお前は俺の獲物だ、お前を喰らうのは俺だ。)
十六夜丸はもう片方の手で武尊の身体(自分の身体)を抱きしめ最後の力を振り絞った。
「しばしの別れだ!武尊!」
十六夜丸が叫ぶと同時にに今までよりも一際大きな雷が落ちたのだった。