※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
弐拾と弐(終焉に向かって) (兄・夢主・十六夜丸)
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初めての冬、蘭丸は悩んでいた。
枯れ枝を拾い集めている時や薪を割っている時など頭の中で繰り返し思う事がある。
この世界に初めて気が付いた時、記憶を失っていた自分。
記憶がなくても自分は未来から来たんだ、と、確信を持っていた。
だから自分は”蘭子さん”とは別人で”蘭子さん”は何かの理由で別の所にいるんじゃないかと思っていた。
だけど”兄”から”蘭子さん”を探しに行こう、とか、・・亡くなった・・とかは聞いたことがない。
ということは本当に私は”蘭子”で何かの理由で未来に行ってまた戻って来た・・・・とか?
私は本当は誰??
それから”お金”。半年以上ここに潜伏しているとはいえ、どこから生活費を稼いでいるのか。
『少しぐらいは貯えがある。』と言っているがそれも何となく怪しいと蘭丸は思っている。
蘭丸のもやもやが続くそんなある日のこと。
「江戸へ行かないか。」
市彦が突然話を持ってきた。
「江戸?って江戸ですか?」
つまりは未来の東京。
約150年前の江戸。この目で見てみたい好奇心に負けた蘭丸だった。
それに、兄が何かを企てている予感はしないでもなかったが、ここにいて薬を飲まされるよりはずっといい。
そう思ったからだ。
それに京都にいると・・あの人を思い出してしまう・・。
と、蘭丸は市彦に顔を見られないように悲しく笑う。
「それに鷹は江戸に行ったのかもしれないしな。京都をこれだけ探しても手掛かりがないのはおかしい。」
「・・・・・・。」
鷹のことについては、まだ言えない・・と蘭丸は思った。
二人の考えはそれぞれであったが、とりあえず江戸に向かった二人だった。
当然のことながら道中手形がない蘭丸が東海道を通れず、体力のなさに苦労をしたのは言うまでもない。