※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
弐拾と壱(現る) (市彦・夢主・斎藤・抜刀斉)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それからは蘭丸は市彦とその場所に身を隠した。
他のところに不用意に潜伏するのは危険(尊王攘夷が広まってきている京都において裏が何処につながっているのか分からない)だということと、移動すると鷹が戻ってこれなくなるという理由だ。
蘭丸は新撰組に追われている事や、鷹の死については市彦には言えないでいた。
なので毎日見つかりはしないかと冷や冷やだった。
新撰組もそこまで暇という訳ではないらしい。
十六夜丸の話もあれ以来お互いしていない。
兄は時々買い物と情報収集の為に町へ出たが私は迷子&トラブルの元なのでいつも留守番だ。
しかしそのお陰でサバイバルの原点と言うべきか、火打ち石を使った火の起こし方とか薪割も覚えた。
蘭丸が読み書きが不得手なのは市彦にとっては意外で習字もやらせている。
蘭丸にとって街中の文字が読めないのはとても不便だったので頑張ってはいるがローマは一日にして成らずだ。
まして崩し字がほとんどなので難易度は更に高い。
柴刈り、薪割、水汲み、習字、ご飯の支度でほぼ一日が終わる。
蝋燭は貴重品でお日様が昇ると起きて沈むと寝るに近い生活。
そうこうしているうちに夏も終わり秋になった。
夏の疲れの所為か、蘭丸は時々また寝込むようになった。
薬も飲んでないのに寝込むのはやっぱり病弱な身体なんじゃないかと思うようになっていった蘭丸だ。
だが調子はいい時は移ろう季節を感じつつ日々を誠実に生きている・・・と、思っていたのは蘭丸だけだった。
***************
「組長!また、薩摩藩士です。」
「最近薩摩藩士が狙われてばかりだな。なぜ薩摩なんだ・・・?」
「よし、薩摩藩は藩の面目が立たぬと護衛を断ってきたが、藩邸の周りは巡察の強化を局長に申し出ておこう。」
斎藤は斬られて倒れている藩士を見た。
「どれも一撃だな。これだけ多数を・・・。」
その時曇っていた月が顔を出す。
何気に斎藤が空を見上げる。
「下弦・・・・・まさかな。」