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弐拾(手紙の場所) (土方・沖田・斎藤・夢主・鷹・市彦)
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「・・・・なんだ今のは。」
蘭丸のあまりにも突然で素早かった動きに土方は愕然としていた。
事実、土方に向かってきた蘭丸に木刀で下段の構えから逆袈裟切りにいったのだ。
本来あの太刀筋であれば足の骨1本ぐらいは木刀で砕けるはずだった。
ところが蘭丸は跳躍し、空中で1回転してかわし、そのまま逃走したのであった。
斎藤も沖田も土方の一撃をかわせると思ってなかったので次の行動に移るのが遅れたため、追っていけなかったのであった。
「・・まあ、あいつは一人では何もできまい。」
と、斎藤が言った。
「土地勘も、常識もまるでありませんからね~。蘭丸さんは。」
と、沖田はまるで何事もなかったかのように蘭丸のことを言う。
土方はある事が気になり沖田に聞いた。
「総司、お前さっきこいつと蘭丸が知り合いじゃないかて言ってたよな。だが呼んだ名前が違ってなかったか?」
「え?別に良いんじゃないですか、蘭丸だって蘭子だってどちらでも。さっきのには驚きましたが大事なのは十六夜丸かどうかであって男か女かは関係ないかと。」
沖田の言葉にショックを受ける土方。
その話の流れからすると蘭丸は女だった!
一応自分は女に対しては優しいがというのが土方のプライドだ。
だが蘭丸の所作は女じゃなかったと自分に言い訳をする。
「斎藤!(てめぇ報告を怠っただろ)」
土方の言わんとすることが分かる斎藤は、
「最初にお伝えしたと思いましたが。」
と、つらっと嘘を吐いた。
「土方さん、そんなの言われなくても見てれば分かるじゃないですか。」
と沖田にとどめをさされて土方はガス抜きが出来ない。
「巡察の隊士に見つけたら捕縛するように伝えろ。後始末しとけよ、総司。」
土方は木刀を置いて小屋を出た。
「え~~。私ですかぁ。も~、土方さんも人使い荒いなぁ。」
沖田が文句を言う。
「嫌なら、部下にやらせればいいだろう。」
「今日は私の組は非番なので皆、外出してしまって誰もいませんよ。あ、斎藤さんのとこは昼巡察だったから皆いますよね。」
沖田はにこっと笑うと
「斎藤さん、お願いしますよ~。」
と猫なで声を出す。
斎藤はいいと言ってないのに沖田は
「じゃあ、斎藤さんの組の人何人か呼んで来ますから後よろしくお願いします。」
と勝手に決めて二・三歩進んで、ふと足を止めて斎藤を振り返った。
「斎藤さん、玩具がなくなって寂しいです?」
「それは沖田さんじゃないのか。」
「ははっ、まさか。じゃ、後を頼みます。」
沖田が行った後、斎藤は鷹の遺体を見上げ、
「お前の主人は見事逃げたぞ。お前はよくやった。」
そう言って鷹を降ろしてやった。
斎藤にとってこの結末は最悪のシナリオとまではいかなかったがかなり悪い結果となった。
新撰組の追撃能力を考えるとせめて洛中内にいなければ今はそれでいい。と思った。
蘭丸は走って、走って、走った。
夕暮時が幸いしたのか運よく、誰にも怪しまれることなく京の外れまで来た。
日も暮れ、暗闇が辺りを覆う草野原。
今までしたことがないくらい全力で長距離走ったため、何も考えられないくらい疲弊していた。
でも・・蘭丸はそれでいいと思った。今は何も考えたくなかった。
鷹のこと・・・・斎藤のこと・・・・。
この身一つでこれからどうしたらいいのか。
どこか身を隠すとこはないかと残りの力を振り絞って少し歩く。
すると土手に出た。
「あ、川だ・・・。」
喉がカラカラだ、水が飲める!っと蘭丸土手を下り顔ごと川に突っ込む。
耳に浸み込む水の音。
(このまま流れて行きたい・・・。)
今はそんな気持ちだ。
水を飲んで少し落ち着いたので土手の草原に身を隠しながらに寝転がり空を見上げる。
「何もなくなっちゃった・・・・。」
勝手に涙がポロポロとこぼれる。
もうこんな自分に笑うしかない。
(星はこんなにも綺麗なのに、いつの時代も人間って何やってるんだろう。小さいな・・・。)
(・・・あ・・・蛍!)
すっかり現代では見られなくなってるけど、よく回りを見たら黄緑の光がス~~っと泳いでいく。
・・・・・・・綺麗だな。
私もこの光みたいに消えてしまえばいいのに。
川辺に吹く風が夏の夜に心地よく、精神的・肉体的にも疲労していた蘭丸はそのまま眠りについた。
蘭丸のあまりにも突然で素早かった動きに土方は愕然としていた。
事実、土方に向かってきた蘭丸に木刀で下段の構えから逆袈裟切りにいったのだ。
本来あの太刀筋であれば足の骨1本ぐらいは木刀で砕けるはずだった。
ところが蘭丸は跳躍し、空中で1回転してかわし、そのまま逃走したのであった。
斎藤も沖田も土方の一撃をかわせると思ってなかったので次の行動に移るのが遅れたため、追っていけなかったのであった。
「・・まあ、あいつは一人では何もできまい。」
と、斎藤が言った。
「土地勘も、常識もまるでありませんからね~。蘭丸さんは。」
と、沖田はまるで何事もなかったかのように蘭丸のことを言う。
土方はある事が気になり沖田に聞いた。
「総司、お前さっきこいつと蘭丸が知り合いじゃないかて言ってたよな。だが呼んだ名前が違ってなかったか?」
「え?別に良いんじゃないですか、蘭丸だって蘭子だってどちらでも。さっきのには驚きましたが大事なのは十六夜丸かどうかであって男か女かは関係ないかと。」
沖田の言葉にショックを受ける土方。
その話の流れからすると蘭丸は女だった!
一応自分は女に対しては優しいがというのが土方のプライドだ。
だが蘭丸の所作は女じゃなかったと自分に言い訳をする。
「斎藤!(てめぇ報告を怠っただろ)」
土方の言わんとすることが分かる斎藤は、
「最初にお伝えしたと思いましたが。」
と、つらっと嘘を吐いた。
「土方さん、そんなの言われなくても見てれば分かるじゃないですか。」
と沖田にとどめをさされて土方はガス抜きが出来ない。
「巡察の隊士に見つけたら捕縛するように伝えろ。後始末しとけよ、総司。」
土方は木刀を置いて小屋を出た。
「え~~。私ですかぁ。も~、土方さんも人使い荒いなぁ。」
沖田が文句を言う。
「嫌なら、部下にやらせればいいだろう。」
「今日は私の組は非番なので皆、外出してしまって誰もいませんよ。あ、斎藤さんのとこは昼巡察だったから皆いますよね。」
沖田はにこっと笑うと
「斎藤さん、お願いしますよ~。」
と猫なで声を出す。
斎藤はいいと言ってないのに沖田は
「じゃあ、斎藤さんの組の人何人か呼んで来ますから後よろしくお願いします。」
と勝手に決めて二・三歩進んで、ふと足を止めて斎藤を振り返った。
「斎藤さん、玩具がなくなって寂しいです?」
「それは沖田さんじゃないのか。」
「ははっ、まさか。じゃ、後を頼みます。」
沖田が行った後、斎藤は鷹の遺体を見上げ、
「お前の主人は見事逃げたぞ。お前はよくやった。」
そう言って鷹を降ろしてやった。
斎藤にとってこの結末は最悪のシナリオとまではいかなかったがかなり悪い結果となった。
新撰組の追撃能力を考えるとせめて洛中内にいなければ今はそれでいい。と思った。
蘭丸は走って、走って、走った。
夕暮時が幸いしたのか運よく、誰にも怪しまれることなく京の外れまで来た。
日も暮れ、暗闇が辺りを覆う草野原。
今までしたことがないくらい全力で長距離走ったため、何も考えられないくらい疲弊していた。
でも・・蘭丸はそれでいいと思った。今は何も考えたくなかった。
鷹のこと・・・・斎藤のこと・・・・。
この身一つでこれからどうしたらいいのか。
どこか身を隠すとこはないかと残りの力を振り絞って少し歩く。
すると土手に出た。
「あ、川だ・・・。」
喉がカラカラだ、水が飲める!っと蘭丸土手を下り顔ごと川に突っ込む。
耳に浸み込む水の音。
(このまま流れて行きたい・・・。)
今はそんな気持ちだ。
水を飲んで少し落ち着いたので土手の草原に身を隠しながらに寝転がり空を見上げる。
「何もなくなっちゃった・・・・。」
勝手に涙がポロポロとこぼれる。
もうこんな自分に笑うしかない。
(星はこんなにも綺麗なのに、いつの時代も人間って何やってるんだろう。小さいな・・・。)
(・・・あ・・・蛍!)
すっかり現代では見られなくなってるけど、よく回りを見たら黄緑の光がス~~っと泳いでいく。
・・・・・・・綺麗だな。
私もこの光みたいに消えてしまえばいいのに。
川辺に吹く風が夏の夜に心地よく、精神的・肉体的にも疲労していた蘭丸はそのまま眠りについた。