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拾と九(接触者) (斎藤・沖田・土方・従者)
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「あ、鷹。」
こっちに向かって歩いてきた町人風の恰好をしている若者。
服・髪型が違ってもわかる。
なぜかきょろきょろしながら屋台にやってくる。
「蕎麦1つ。」
と、蕎麦を注文する。
その時、屋台の主人、山崎は蘭丸に『小用を足しに。』と屋台を離れた。
蘭丸は山崎がいなくても調理接客は任せられるぐらいにはなっており手際よく作りながら鷹に話しかけた。
「鷹、久しぶり。ごめんね、行方不明みたいになっちゃって。ちょっと理由 あって帰れなかったけど明日か明後日には帰ると思うから。」
鷹は周囲に気を配りつつ少し小声で話す。
「蘭子様、心配しましたよ。市彦様もそれはそれは心配されてました。」
「ました?(過去形?)」
「ええ。実は蘭子様がここで屋台蕎麦にいることは三日前に分かり市彦様も一先ず安心されたのですが・・今は戻られなかったことがかえって良かった事態になりました。」
「え?それはどういうこと?」
「ここで詳しくは申せないのですが、兄上様と御前様の間にいざこざがございまして、市彦様が屋敷を出られて今、とある場所に潜伏中なのです。」
「え?え?」
蘭丸は自分が不在の間の状況の変化に面食らった。
鷹の言っている意味が全然わからない。
「蘭子様には一刻も早く市彦様と合流して頂きたいのですが、私も御前様の勢力に追われてるのでとにかく今はご報告のみになります。」
「追われてる?!」
更に驚くことを言われて唖然とする蘭丸。
「蘭子様も捕まることのないようにお気をつけください。」
「ちょっと待って。そもそも御前様って誰?その勢力って何?私ぜんぜん聞いてない。」
湯の中で蕎麦をぐるぐるかき回しながら蘭丸は言うが、
「すみません、急用を思い出したのでもう行きます。お代を。」
と、懐から財布を取り出し蕎麦代を蘭丸に握らせる。
「では、ここで落ち合いましょう。何卒お気をつけて。」
と、小声で言いながら。
「あ、鷹!」
蘭丸は追いかけようと四歩ぐらい駆け出したが屋台を留守にするわけにはいかない。
鷹の向かった方を見ていると蘭丸のすぐ前を四人組の侍が小走りで鷹と同じ方向へ向かって通り過ぎた。
蘭丸はそれも気になったが、作りかけのお蕎麦が茹ですぎだと慌てて屋台に戻った。
握らされたお金もとりあえず集金袋へしまわないと、と、手の平に意識がいった時お金とは違う他の感触がある事に気が付いた。
手を開くと折った紙が2つある。
その時蘭丸は後ろから近づく足音に紙の1つを無意識に袖に隠した。
「あれ?お客さん、もう帰りはったん?知り合いやなかったん。」
足音は山崎だった。
「あ、はい、、でも、行っちゃいました。」
「あ、これはなんやろ。」
と目ざとく蘭丸の手の平に乗っている紙を指さす。
「さあ・・何でしょうね。」
と言いつつ開いてみると、
『逃げろ』
と、ただそれだけ書いてあった。
(これだけ書かれても・・真意が分からないよ・・鷹。)
覗き込むようにその紙を見る山崎から何故かピリピリと得体の知れない恐怖が感じられるような気がしたが落ち着かなければと蘭丸は自分に言い聞かした。
「山崎さん、これどういう意味でしょうね。」
「私に聞かれてもねぇ~。」
と、はぐらかされた気がした。
「あ、そうや。さっき小用足しに行ったときな、古い知り合いに合うてもうてな、これからその知り合いんとこへ行くことになったし、蘭丸は今日はもう上がってええわ。これ(屋台)は私が先持って帰るし。」
「本当ですか!あ、やった-!お休みだ-!」
急遽入った自由の時間。1週間以上休みなしだったので思わず両腕でガッツポーズの蘭丸。
「じゃ、また明日いつもの時間で。ついでにこの間の甘味処よってゆっくりしてき。土方さんにはお休みは内緒にするさかい。」
と言って山崎は蘭丸に小銭を渡した。
「え、いいんですか?」
なんかとても嬉しい気持ちが隠せず目をキラキラさせながら蘭丸はちゃっかりお金を受け取りお礼をいうと八坂さんの方向へ向かって行った。
山崎は蘭丸が見えなくなるの確認するとそそくさと人ごみの中に消えて行った。
この時蘭丸は知らなかった。山崎は実は新撰組の隊士で、副長から命を受けて蘭丸を見張らせてたということを・・・・。
こっちに向かって歩いてきた町人風の恰好をしている若者。
服・髪型が違ってもわかる。
なぜかきょろきょろしながら屋台にやってくる。
「蕎麦1つ。」
と、蕎麦を注文する。
その時、屋台の主人、山崎は蘭丸に『小用を足しに。』と屋台を離れた。
蘭丸は山崎がいなくても調理接客は任せられるぐらいにはなっており手際よく作りながら鷹に話しかけた。
「鷹、久しぶり。ごめんね、行方不明みたいになっちゃって。ちょっと
鷹は周囲に気を配りつつ少し小声で話す。
「蘭子様、心配しましたよ。市彦様もそれはそれは心配されてました。」
「ました?(過去形?)」
「ええ。実は蘭子様がここで屋台蕎麦にいることは三日前に分かり市彦様も一先ず安心されたのですが・・今は戻られなかったことがかえって良かった事態になりました。」
「え?それはどういうこと?」
「ここで詳しくは申せないのですが、兄上様と御前様の間にいざこざがございまして、市彦様が屋敷を出られて今、とある場所に潜伏中なのです。」
「え?え?」
蘭丸は自分が不在の間の状況の変化に面食らった。
鷹の言っている意味が全然わからない。
「蘭子様には一刻も早く市彦様と合流して頂きたいのですが、私も御前様の勢力に追われてるのでとにかく今はご報告のみになります。」
「追われてる?!」
更に驚くことを言われて唖然とする蘭丸。
「蘭子様も捕まることのないようにお気をつけください。」
「ちょっと待って。そもそも御前様って誰?その勢力って何?私ぜんぜん聞いてない。」
湯の中で蕎麦をぐるぐるかき回しながら蘭丸は言うが、
「すみません、急用を思い出したのでもう行きます。お代を。」
と、懐から財布を取り出し蕎麦代を蘭丸に握らせる。
「では、ここで落ち合いましょう。何卒お気をつけて。」
と、小声で言いながら。
「あ、鷹!」
蘭丸は追いかけようと四歩ぐらい駆け出したが屋台を留守にするわけにはいかない。
鷹の向かった方を見ていると蘭丸のすぐ前を四人組の侍が小走りで鷹と同じ方向へ向かって通り過ぎた。
蘭丸はそれも気になったが、作りかけのお蕎麦が茹ですぎだと慌てて屋台に戻った。
握らされたお金もとりあえず集金袋へしまわないと、と、手の平に意識がいった時お金とは違う他の感触がある事に気が付いた。
手を開くと折った紙が2つある。
その時蘭丸は後ろから近づく足音に紙の1つを無意識に袖に隠した。
「あれ?お客さん、もう帰りはったん?知り合いやなかったん。」
足音は山崎だった。
「あ、はい、、でも、行っちゃいました。」
「あ、これはなんやろ。」
と目ざとく蘭丸の手の平に乗っている紙を指さす。
「さあ・・何でしょうね。」
と言いつつ開いてみると、
『逃げろ』
と、ただそれだけ書いてあった。
(これだけ書かれても・・真意が分からないよ・・鷹。)
覗き込むようにその紙を見る山崎から何故かピリピリと得体の知れない恐怖が感じられるような気がしたが落ち着かなければと蘭丸は自分に言い聞かした。
「山崎さん、これどういう意味でしょうね。」
「私に聞かれてもねぇ~。」
と、はぐらかされた気がした。
「あ、そうや。さっき小用足しに行ったときな、古い知り合いに合うてもうてな、これからその知り合いんとこへ行くことになったし、蘭丸は今日はもう上がってええわ。これ(屋台)は私が先持って帰るし。」
「本当ですか!あ、やった-!お休みだ-!」
急遽入った自由の時間。1週間以上休みなしだったので思わず両腕でガッツポーズの蘭丸。
「じゃ、また明日いつもの時間で。ついでにこの間の甘味処よってゆっくりしてき。土方さんにはお休みは内緒にするさかい。」
と言って山崎は蘭丸に小銭を渡した。
「え、いいんですか?」
なんかとても嬉しい気持ちが隠せず目をキラキラさせながら蘭丸はちゃっかりお金を受け取りお礼をいうと八坂さんの方向へ向かって行った。
山崎は蘭丸が見えなくなるの確認するとそそくさと人ごみの中に消えて行った。
この時蘭丸は知らなかった。山崎は実は新撰組の隊士で、副長から命を受けて蘭丸を見張らせてたということを・・・・。