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拾と八(屋台) (斎藤・沖田)
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朝起きたら斎藤はすでに巡察へ行ってしまった後だった。
沖田さんは夜の巡察だったようで明け方戻って来てうろうろしている。
蘭丸は(眠くないのだろうか・・)と思ってみるもののこちらからは近寄らないようにと、朝食後部屋に戻ると、
「蘭丸さん、門のところに客人が来てますよ~~。」
と、沖田さんが笑顔で伝えに来てくれた。
昨日話しに聞いたお手伝いをする人だと。蘭丸は小走りで向かった。
すると、屯所入り口に何やら見知らぬ大きな物体が置いてあった。
昨日はなかったものだ。
(何だろ?暖簾がかかってる?)
近くに寄って見て見ると何となく分かった気がした。
(もしかして屋台!?)
暖簾の字もじーっと見ていると、崩し文字で書いてあるのでよく分からないがなんとなく“蕎麦”という字に見えてきた。
(もしかして屋台のお蕎麦屋さん!?)
こんなものがあるんだと感心してその周りをぐるぐる回っていると町人の男が現れた。
「どうも、あっしは山崎っていうもんです。斎藤さんと土方さんから話は聞いてます。よろしゅうお願いします。」
「あ、、秦 蘭丸です。蘭丸でいいです。こちらこそ、よろしくお願いします。」
蘭丸はぺこりと頭を下げた後じーっと山崎を見た。
山崎も自分がそんなに凝視されるとは思わなくて、思わず照れ笑いをした。
「いやぁ、そんなにめずらしぃですかねぇ~。担い屋台蕎麦。兄さん、もしかしてどこかのぼんぼん?」
「いえ、土方さんからは『患者』になってくれと言われたのですが、来られたのがお蕎麦屋さんなので話が見えなくて・・。お医者さんが来ると思っていたのですが。」
と蘭丸は真顔で答えた。
山崎は一瞬固まったがその訳が分かってぷぷっと思わず吹いてしまった。
その様子を見て今度は蘭丸が目を丸くする。
「え?え?」
状況が呑み込めないでいると蘭丸の後ろから『あはは』と沖田の笑う声がした。
「やっぱり蘭丸さんは面白いや。」
蘭丸は沖田と山崎を交互に見てどこに笑う要素があるのか困惑していると、
「蘭丸さん、『患者』ちゃいますねん、『間者』ですねん。」
と山崎が教えてた。
「え、どっちも同じじゃないんですか?」
と不思議そうに尋ねる。
山崎はその様子にハッと気が付く。
「蘭丸さん、もしかして『間者』を知らへんとか・・。」
「だから病人とか怪我人とかじゃないんですか?」
蘭丸の答えに沖田がさらに笑う。
「本当に知らないんですか蘭丸さん。」
「え・・。」
どうすればと狼狽える蘭丸に山崎が、
「『間者』いいますのは間諜(かんちょう)のことですわ。」
「浣腸・・?」
蘭丸はますます首を傾げて考える。
間諜も分からないか・・と思った山崎は更に言い変える。
「『密偵』ゆうたらわかりますか。」
それには蘭丸も目を輝かせて、
「あ、分かります、分かりました!なるほど密偵ですか!・・・て密偵?・・密偵・・。」
ここで蘭丸は昨日の土方の言葉を思い出す。
(つまりは・・自分は十六夜丸という要注意人物なので蕎麦屋として街中に潜入し、その間に自分に接触する怪しい奴がいたら報告しろということ。なるほど。)
山崎は本当に意味を理解したのか蘭丸の様子を見て不安になるが、
「大丈夫です、分かりました。」
と言う蘭丸にまあ良しとするかと思うのだった。
沖田は納得の様子の蘭丸に、
「あーあ、意味分かっちゃったみたいだ。つまんないなー。面白かったのに。」
そう言うと何処かへ行ってしまった。
蘭丸は、
「山崎さんも『間者』なんですか?」
と聞くと、山崎はにこりと笑って
「せやな、まあ『密偵』いうと大袈裟な言い方に聞こえはりますけどな、蕎麦屋に出来るこというたら街中で怪しい輩がおったら隊士さんに教えるぐらいですわ。これは内緒でたのんますよ。」
「そうですよね、内緒ですよね。」
「ほな納得いきはったようなんで、ぼちぼちいきましょか。兄さん、担いでみ。」
山崎は蘭丸に屋台を担ぐように言った。
「はい・・・ぐおおお、重っ!」
微かに持ちあがったと思えば重心が定まらずよたよた。
その上、
(昨日の腰が・・・・・足が・・・・。)
と情事の後遺症が蘭丸を襲う。
その様子に山崎は蘭丸が可哀想になり、
「兄さん、もうええわ。向こうに着いてからまた、いろいろ教えますわ。いきましょか-。」
と、蘭丸に代わりひょいと屋台を持ち上げると歩き出した。
「はい、すみません。後で頑張ります。(現代人、ひ弱ですみません。)」
江戸時代人のパワーに恐れ入った蘭丸であった。
沖田さんは夜の巡察だったようで明け方戻って来てうろうろしている。
蘭丸は(眠くないのだろうか・・)と思ってみるもののこちらからは近寄らないようにと、朝食後部屋に戻ると、
「蘭丸さん、門のところに客人が来てますよ~~。」
と、沖田さんが笑顔で伝えに来てくれた。
昨日話しに聞いたお手伝いをする人だと。蘭丸は小走りで向かった。
すると、屯所入り口に何やら見知らぬ大きな物体が置いてあった。
昨日はなかったものだ。
(何だろ?暖簾がかかってる?)
近くに寄って見て見ると何となく分かった気がした。
(もしかして屋台!?)
暖簾の字もじーっと見ていると、崩し文字で書いてあるのでよく分からないがなんとなく“蕎麦”という字に見えてきた。
(もしかして屋台のお蕎麦屋さん!?)
こんなものがあるんだと感心してその周りをぐるぐる回っていると町人の男が現れた。
「どうも、あっしは山崎っていうもんです。斎藤さんと土方さんから話は聞いてます。よろしゅうお願いします。」
「あ、、秦 蘭丸です。蘭丸でいいです。こちらこそ、よろしくお願いします。」
蘭丸はぺこりと頭を下げた後じーっと山崎を見た。
山崎も自分がそんなに凝視されるとは思わなくて、思わず照れ笑いをした。
「いやぁ、そんなにめずらしぃですかねぇ~。担い屋台蕎麦。兄さん、もしかしてどこかのぼんぼん?」
「いえ、土方さんからは『患者』になってくれと言われたのですが、来られたのがお蕎麦屋さんなので話が見えなくて・・。お医者さんが来ると思っていたのですが。」
と蘭丸は真顔で答えた。
山崎は一瞬固まったがその訳が分かってぷぷっと思わず吹いてしまった。
その様子を見て今度は蘭丸が目を丸くする。
「え?え?」
状況が呑み込めないでいると蘭丸の後ろから『あはは』と沖田の笑う声がした。
「やっぱり蘭丸さんは面白いや。」
蘭丸は沖田と山崎を交互に見てどこに笑う要素があるのか困惑していると、
「蘭丸さん、『患者』ちゃいますねん、『間者』ですねん。」
と山崎が教えてた。
「え、どっちも同じじゃないんですか?」
と不思議そうに尋ねる。
山崎はその様子にハッと気が付く。
「蘭丸さん、もしかして『間者』を知らへんとか・・。」
「だから病人とか怪我人とかじゃないんですか?」
蘭丸の答えに沖田がさらに笑う。
「本当に知らないんですか蘭丸さん。」
「え・・。」
どうすればと狼狽える蘭丸に山崎が、
「『間者』いいますのは間諜(かんちょう)のことですわ。」
「浣腸・・?」
蘭丸はますます首を傾げて考える。
間諜も分からないか・・と思った山崎は更に言い変える。
「『密偵』ゆうたらわかりますか。」
それには蘭丸も目を輝かせて、
「あ、分かります、分かりました!なるほど密偵ですか!・・・て密偵?・・密偵・・。」
ここで蘭丸は昨日の土方の言葉を思い出す。
(つまりは・・自分は十六夜丸という要注意人物なので蕎麦屋として街中に潜入し、その間に自分に接触する怪しい奴がいたら報告しろということ。なるほど。)
山崎は本当に意味を理解したのか蘭丸の様子を見て不安になるが、
「大丈夫です、分かりました。」
と言う蘭丸にまあ良しとするかと思うのだった。
沖田は納得の様子の蘭丸に、
「あーあ、意味分かっちゃったみたいだ。つまんないなー。面白かったのに。」
そう言うと何処かへ行ってしまった。
蘭丸は、
「山崎さんも『間者』なんですか?」
と聞くと、山崎はにこりと笑って
「せやな、まあ『密偵』いうと大袈裟な言い方に聞こえはりますけどな、蕎麦屋に出来るこというたら街中で怪しい輩がおったら隊士さんに教えるぐらいですわ。これは内緒でたのんますよ。」
「そうですよね、内緒ですよね。」
「ほな納得いきはったようなんで、ぼちぼちいきましょか。兄さん、担いでみ。」
山崎は蘭丸に屋台を担ぐように言った。
「はい・・・ぐおおお、重っ!」
微かに持ちあがったと思えば重心が定まらずよたよた。
その上、
(昨日の腰が・・・・・足が・・・・。)
と情事の後遺症が蘭丸を襲う。
その様子に山崎は蘭丸が可哀想になり、
「兄さん、もうええわ。向こうに着いてからまた、いろいろ教えますわ。いきましょか-。」
と、蘭丸に代わりひょいと屋台を持ち上げると歩き出した。
「はい、すみません。後で頑張ります。(現代人、ひ弱ですみません。)」
江戸時代人のパワーに恐れ入った蘭丸であった。