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拾と四(憶測) (斎藤)
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斎藤はようやく笑い終えると言った。
「勘違いするな、お互いがこの格好になったのは成り行きだ。そもそもお前がつまづかなけれはこうはならなかっただろ。」
確かにそうだけど、と蘭丸の心の声。
「俺に衆道の気はない。男だったら蹴飛ばしているさ。だからと言って女は誰でもという訳では無論ない。」
「男扱いでいいので蹴飛ばしてください。」
「そんな趣味があるのか。」
「そうじゃなくて、離れたいっていう意味です。」
「さっきは嫌ではないと言ったじゃないか。」
「訂正します。」
「却下だ。」
むうう~と蘭丸が憤るのを斎藤は明らかに楽しんでいる。
が、遊びもそろそろ終わりだ、と
「成り行きとはいえ、こうしているとお前が嘘を吐けばすぐ分かる。黙って話を聞け。」
斎藤は言い、蘭丸を見た。
ドクッ。
(まただ。)
斎藤の瞳をまともに見ると心臓が跳ねる。
大人しくなった蘭丸に斎藤は言った。
「では。少しばかり俺の話を聞いてもらおうか。」
蘭丸は頷いた。
話しを聞かないとこの状況が改善しないのならとりあえず話は聞こうと。
「再度聞く、お前は十六夜丸なのか。」
「違う。」
「たしかに今のお前は違う。あいつをこの目で見た俺が言うんだ。それは間違いない。だが十六夜丸はお前だ。わかるか。」
「おっしゃる意味がよくわかりません。」
「あくまでも俺の憶測だが・・・お前と十六夜丸はいわば表と裏。」
「裏と表・・?」
蘭丸が問い返すと斎藤は確信を持っているとばかりに頷いた。
「根拠は3つある。一つはお前が記憶をなくした頃から十六夜丸の話が聞かれるようになった。二つ目は十六夜丸の出現している期間がお前が薬を飲んでいる間と一致する。三つ目はその顔だ。お前と似たやつが仮に京都にいたとしても。だ。そんなところにまったく同じ傷痕があるやつがそうそういてたまるか。お前、その傷、いつからだ。」
斎藤の言葉に蘭丸はぐうの音も出ない。
「顔の傷がいつからだなんて・・それは思い出せない。それに・・私は剣を握ったこともないし、習ったこともない。使えるわけがない。十六夜丸って、斎藤さんと殺りあったほどの腕前なんでしょ?」
「そうだな。そこは謎だ。今日もお前の寝てるとこを見たが“剣客の気”らしきものさえまるっきり感じられないしな。」
(見てたんだ・・。)
自分はさぞかし平和的な顔で寝ていたんだろうと恥ずかしさが込み上げたが笑っている場合ではない。
斎藤という男は私が十六夜丸という根拠を並べあげたが自分に否定出来る根拠がない。
そんな時、ポンと一つ頭に浮かんだことがあり
「あ。」
と、声を出してしまった。
私は思い出したのだった。
あの日・・・。
「どうした。」
と問われる。
言うべきか、言わないべきか。
「勘違いするな、お互いがこの格好になったのは成り行きだ。そもそもお前がつまづかなけれはこうはならなかっただろ。」
確かにそうだけど、と蘭丸の心の声。
「俺に衆道の気はない。男だったら蹴飛ばしているさ。だからと言って女は誰でもという訳では無論ない。」
「男扱いでいいので蹴飛ばしてください。」
「そんな趣味があるのか。」
「そうじゃなくて、離れたいっていう意味です。」
「さっきは嫌ではないと言ったじゃないか。」
「訂正します。」
「却下だ。」
むうう~と蘭丸が憤るのを斎藤は明らかに楽しんでいる。
が、遊びもそろそろ終わりだ、と
「成り行きとはいえ、こうしているとお前が嘘を吐けばすぐ分かる。黙って話を聞け。」
斎藤は言い、蘭丸を見た。
ドクッ。
(まただ。)
斎藤の瞳をまともに見ると心臓が跳ねる。
大人しくなった蘭丸に斎藤は言った。
「では。少しばかり俺の話を聞いてもらおうか。」
蘭丸は頷いた。
話しを聞かないとこの状況が改善しないのならとりあえず話は聞こうと。
「再度聞く、お前は十六夜丸なのか。」
「違う。」
「たしかに今のお前は違う。あいつをこの目で見た俺が言うんだ。それは間違いない。だが十六夜丸はお前だ。わかるか。」
「おっしゃる意味がよくわかりません。」
「あくまでも俺の憶測だが・・・お前と十六夜丸はいわば表と裏。」
「裏と表・・?」
蘭丸が問い返すと斎藤は確信を持っているとばかりに頷いた。
「根拠は3つある。一つはお前が記憶をなくした頃から十六夜丸の話が聞かれるようになった。二つ目は十六夜丸の出現している期間がお前が薬を飲んでいる間と一致する。三つ目はその顔だ。お前と似たやつが仮に京都にいたとしても。だ。そんなところにまったく同じ傷痕があるやつがそうそういてたまるか。お前、その傷、いつからだ。」
斎藤の言葉に蘭丸はぐうの音も出ない。
「顔の傷がいつからだなんて・・それは思い出せない。それに・・私は剣を握ったこともないし、習ったこともない。使えるわけがない。十六夜丸って、斎藤さんと殺りあったほどの腕前なんでしょ?」
「そうだな。そこは謎だ。今日もお前の寝てるとこを見たが“剣客の気”らしきものさえまるっきり感じられないしな。」
(見てたんだ・・。)
自分はさぞかし平和的な顔で寝ていたんだろうと恥ずかしさが込み上げたが笑っている場合ではない。
斎藤という男は私が十六夜丸という根拠を並べあげたが自分に否定出来る根拠がない。
そんな時、ポンと一つ頭に浮かんだことがあり
「あ。」
と、声を出してしまった。
私は思い出したのだった。
あの日・・・。
「どうした。」
と問われる。
言うべきか、言わないべきか。