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拾と四(憶測) (斎藤)
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「え?」
斎藤の言葉を問い返すように言葉が漏れた。
(いったい何を言っている、名前を思い出せなくても私は私に決まっている。何を根拠に私が十六夜丸だなどと・・。)
そう思いつつも変な不安が湧いて来る。
同時にさきほどの斎藤との会話がさっと脳裏をよぎる。
『もし十六夜丸にまた会ったらどうするんですか?』
『勝負の最中に逃げられた。見つけたら殺ってやろうと思ってる。』
(やる?って殺るっていうこと!?この勘違い男、私を殺す気!?)
だからこうして私を捕まえてるのか?
いや、捕まえるにしてもこの格好はないだろう、・・まさか変な趣味がある人!?
蘭丸は斎藤に自分の感情を悟られまいと何かを言い出したかったが何も思いつかない。
言葉を発せようと口を少し開いたままだ。
斎藤は言いだそうとする蘭丸の言葉を待っていた。
二人とも無言のまま雨が二階の窓を打ち付ける。
言葉のない空間で斎藤の体温が着物を通り越してじわりと伝わってくる。
無意識にその体温が伝わってくる場所に顔を向けた。
少し開けた斎藤の胸板が見えた。
(ぅ!)
殺されるかもしれないという時に相手の・・男の・・体温と胸板をドキっとした自分がもう恥ずかしいやら情けないやら。
しかも成りゆきとはいえ、今日初めて会った男に自分の身体を預けている。
(もう駄目だ、頭全然回らない。)
はぁ、と大きくため息をついた蘭丸に斎藤が声をかけた。
「どうした。」
「いえ・・こんなに密着していると思考がまとまらないので離れていいですか?」
「嫌なのか。」
「いや、別に嫌というわけでは・・
「ならここに居ろ。」
「(何で今『嫌だ』と言わなかったんだろう!)別に話しするのに密着しなくってもいいじゃないですか!それともそんなに女が好きなんですか!」
「っ!」
蘭丸の言葉に斎藤が息を詰まらせた。
なんだ、クールな顔してやっぱりただの女好き変態かと思った瞬間斎藤が笑いを噴出した。
「クク・・。」
え?そこ、笑うとこ?
と蘭丸は逆に驚いて斎藤を見た。
斎藤は自分を見つめている蘭丸のまん丸な目が更におかしかったのか腹筋を震わせて笑う。
「俺が?女好き?冗談も大概にしろ。」
「じゃぁ、こんな格好もういいでしょ。重たいだろうし。」
「重たい?・・クッ、この場に及んで気遣いか?面白いなお前。この俺にそんな事を云う奴は今までなかったぞ。」
斎藤はツボに入ったのかまだ腹筋を震わせている。
(面白いのはあんただよ・・。)
そう突っ込みたかったが、余計なことを言ったらこの男の場合何を言われるのか分からないので黙っている蘭丸だった、
斎藤の言葉を問い返すように言葉が漏れた。
(いったい何を言っている、名前を思い出せなくても私は私に決まっている。何を根拠に私が十六夜丸だなどと・・。)
そう思いつつも変な不安が湧いて来る。
同時にさきほどの斎藤との会話がさっと脳裏をよぎる。
『もし十六夜丸にまた会ったらどうするんですか?』
『勝負の最中に逃げられた。見つけたら殺ってやろうと思ってる。』
(やる?って殺るっていうこと!?この勘違い男、私を殺す気!?)
だからこうして私を捕まえてるのか?
いや、捕まえるにしてもこの格好はないだろう、・・まさか変な趣味がある人!?
蘭丸は斎藤に自分の感情を悟られまいと何かを言い出したかったが何も思いつかない。
言葉を発せようと口を少し開いたままだ。
斎藤は言いだそうとする蘭丸の言葉を待っていた。
二人とも無言のまま雨が二階の窓を打ち付ける。
言葉のない空間で斎藤の体温が着物を通り越してじわりと伝わってくる。
無意識にその体温が伝わってくる場所に顔を向けた。
少し開けた斎藤の胸板が見えた。
(ぅ!)
殺されるかもしれないという時に相手の・・男の・・体温と胸板をドキっとした自分がもう恥ずかしいやら情けないやら。
しかも成りゆきとはいえ、今日初めて会った男に自分の身体を預けている。
(もう駄目だ、頭全然回らない。)
はぁ、と大きくため息をついた蘭丸に斎藤が声をかけた。
「どうした。」
「いえ・・こんなに密着していると思考がまとまらないので離れていいですか?」
「嫌なのか。」
「いや、別に嫌というわけでは・・
「ならここに居ろ。」
「(何で今『嫌だ』と言わなかったんだろう!)別に話しするのに密着しなくってもいいじゃないですか!それともそんなに女が好きなんですか!」
「っ!」
蘭丸の言葉に斎藤が息を詰まらせた。
なんだ、クールな顔してやっぱりただの女好き変態かと思った瞬間斎藤が笑いを噴出した。
「クク・・。」
え?そこ、笑うとこ?
と蘭丸は逆に驚いて斎藤を見た。
斎藤は自分を見つめている蘭丸のまん丸な目が更におかしかったのか腹筋を震わせて笑う。
「俺が?女好き?冗談も大概にしろ。」
「じゃぁ、こんな格好もういいでしょ。重たいだろうし。」
「重たい?・・クッ、この場に及んで気遣いか?面白いなお前。この俺にそんな事を云う奴は今までなかったぞ。」
斎藤はツボに入ったのかまだ腹筋を震わせている。
(面白いのはあんただよ・・。)
そう突っ込みたかったが、余計なことを言ったらこの男の場合何を言われるのか分からないので黙っている蘭丸だった、