※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
拾と壱(捕らわる) (斎藤)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「斎藤さん。」
「なんだ。」
「お銚子、丁度なくなりましたね。私もお茶漬けなくなりました。本当にごちそう様でした。今日はありがとうございました。帰ります。」
蘭丸は深々と頭を下げた。
「この雨だぞ。もう少し休んでいけ。こういった雨は暫くするとましになる。」
「この天蓋かぶれば大丈夫でしょ。それにこれ以上座っていると寝ちゃいそうなので。では。」
「おい。待て。」
蘭丸はもう一度頭を下げると天蓋を手に立ちあがった。
外はバケツをひっくり返したようなひどい雨。
腹が減ってるなら何か食わせてやってもいい。
だがその後、帰るのをつけて素性を暴くつもりでいた。
十六夜丸でなかったにしてもだ、虚無僧とは思えない振る舞い、話し方。京都の人間というわけでもなく江戸の者というわけでもない。素性が全く想像できない違和感・・一体何者だ。
酒を飲んでほろ酔い気分になったようだったので、後から尾行するのに好都合と思っていたのに。
この雨を帰るだと。
(俺の読みがばれたのか?それとも単なる阿呆か?)
「ちっ。」
(このまま帰してしまってはまずい。俺は何をあせっている?)
何かの予感が斎藤に走った。
「あれ。」
足がまっすぐに進まない。
立ち上がったのは良かったがこんなに足に力が入らないとは。
おちょこたった二杯でこんなに力が抜けるものなのか。
(こんなにお酒に弱かったっけ?)
「阿呆!そんな足取りで歩けるか。」
(あ、なんか怒られた。)
「大丈夫ですよ~。雨に当たれば酔いも醒めますよ~。」
「状況を考えろ、今日は帰るのをあきらめて、とっとと寝ろ。」
「はぁ?どこで寝れっていうんですか?」
店で寝ちゃお店に迷惑でしょと思っていると、斎藤が店の主人に向かって言った。
「亭主、部屋空いてるか?」
「へぇ、まだ二つほど空いてます。」
と答えが返ってきた。
(え?ここは何屋なの?!小料理屋じゃないの?どういうこと?)
と思いつつも頭の中がぼわんとするせいで突っ立たままでいると斎藤に
「来い。」
と言われて手首を掴まれ引っ張られた。
「なんだ。」
「お銚子、丁度なくなりましたね。私もお茶漬けなくなりました。本当にごちそう様でした。今日はありがとうございました。帰ります。」
蘭丸は深々と頭を下げた。
「この雨だぞ。もう少し休んでいけ。こういった雨は暫くするとましになる。」
「この天蓋かぶれば大丈夫でしょ。それにこれ以上座っていると寝ちゃいそうなので。では。」
「おい。待て。」
蘭丸はもう一度頭を下げると天蓋を手に立ちあがった。
外はバケツをひっくり返したようなひどい雨。
腹が減ってるなら何か食わせてやってもいい。
だがその後、帰るのをつけて素性を暴くつもりでいた。
十六夜丸でなかったにしてもだ、虚無僧とは思えない振る舞い、話し方。京都の人間というわけでもなく江戸の者というわけでもない。素性が全く想像できない違和感・・一体何者だ。
酒を飲んでほろ酔い気分になったようだったので、後から尾行するのに好都合と思っていたのに。
この雨を帰るだと。
(俺の読みがばれたのか?それとも単なる阿呆か?)
「ちっ。」
(このまま帰してしまってはまずい。俺は何をあせっている?)
何かの予感が斎藤に走った。
「あれ。」
足がまっすぐに進まない。
立ち上がったのは良かったがこんなに足に力が入らないとは。
おちょこたった二杯でこんなに力が抜けるものなのか。
(こんなにお酒に弱かったっけ?)
「阿呆!そんな足取りで歩けるか。」
(あ、なんか怒られた。)
「大丈夫ですよ~。雨に当たれば酔いも醒めますよ~。」
「状況を考えろ、今日は帰るのをあきらめて、とっとと寝ろ。」
「はぁ?どこで寝れっていうんですか?」
店で寝ちゃお店に迷惑でしょと思っていると、斎藤が店の主人に向かって言った。
「亭主、部屋空いてるか?」
「へぇ、まだ二つほど空いてます。」
と答えが返ってきた。
(え?ここは何屋なの?!小料理屋じゃないの?どういうこと?)
と思いつつも頭の中がぼわんとするせいで突っ立たままでいると斎藤に
「来い。」
と言われて手首を掴まれ引っ張られた。