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拾(疑惑再び) (斎藤)
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「・・・勝負の最中に逃げられた。見つけたら殺ってやろうと思ってる。」
急にそんな言葉がでてきて。
蘭丸がただならぬその言葉にびっくりしているのが判ると
「何を驚いた顔してる。新撰組は京都治安の維持も請け負っているんだ。知っているとは思うが最近は過激尊攘派がよからぬ活動を行っていて幕府に対抗する勢力が密かに動いているのを見逃すわけにはいかない。」
「だからってみんな殺すの?」
「悪・即・斬、これが俺の正義だ。過激派を野放しにすれば他に被害が出る。それが仲間かもしれないしただ日々真面目に生きているだけの町人かもしれん。それが許されていいはずがないだろう。」
斎藤は強い意志で蘭丸を見た。
わかっていたつもりで全然わかっていなかった。
斎藤と話を聞いているとまさにに今、その渦中にあるということ。
これが幕末。
しばらく互いに無言だったが斎藤がふっと息をつき、酒を注いで再び くいっと煽った。
「俺が恐いか。」
斎藤が再び蘭丸の目をとらえて言う。
自分の心臓が一瞬ドクッとなったのがわかったが。
「・・・・・恐いとは思わない。」
私は斎藤の琥珀色の目を受け止めてはっきり言った。
本音だ。
その言葉に迷いはない。
だが、ふと、私はその視線をス-と外へ流し、
「斎藤さんが・・・羨ましい。自分の信念のために生きれるなんて。私なんて自分が誰だかも分からず生きている。何のために生きているのかも。」
斎藤は酒を飲みながら黙ってきいている。
「あ・・そういえば。なんか私病気持ちなんだそうですよ。しかもあんまり良くないみたいだって。」
「なんだ、その遠回しなもの言いは。」
「だって、周りにそう言われるんだもの。でもどこも痛いところはないし、こんなに元気で食欲も・・お腹の虫も元気なのに。」
蘭丸は肩をすくめてそう言った後、斎藤の方に少し身を乗り出し、
「だけど、ここ三ヶ月、月の半分・・そう、丁度満月の後ぐらいになるとまずい薬飲まされて安静にしてるように言われてて。確かにその時は自分でも原因不明のだるさが続いてほぼ寝てる方が多いんだけど。」
と言って、大根の煮つけを口に入れる。
斎藤は酒を煽りながらふと考えた。
(満月の後といえば十六夜・・・・そういえば十六夜丸が出没したと聞くのはいつも月が欠けていく時だ・・・・)
斎藤の頭の中にある予感がよぎった。
(まさか!)
(だがしかし、、)
(こいつの言葉ではないが、お前だって。お前と同じ顔がそう簡単に、この京都に二つあったらおかしいだろう。)
「・・・・・・。」
斎藤の脳に疑問が湧き上がったとき、
蘭丸がつぶやいた。
「あ、雨。」
雨は急に周りの客の声がよく聞こえなくなるほどに激しくなった。
(雨音が気持ちいい・・・。)
急にそんな言葉がでてきて。
蘭丸がただならぬその言葉にびっくりしているのが判ると
「何を驚いた顔してる。新撰組は京都治安の維持も請け負っているんだ。知っているとは思うが最近は過激尊攘派がよからぬ活動を行っていて幕府に対抗する勢力が密かに動いているのを見逃すわけにはいかない。」
「だからってみんな殺すの?」
「悪・即・斬、これが俺の正義だ。過激派を野放しにすれば他に被害が出る。それが仲間かもしれないしただ日々真面目に生きているだけの町人かもしれん。それが許されていいはずがないだろう。」
斎藤は強い意志で蘭丸を見た。
わかっていたつもりで全然わかっていなかった。
斎藤と話を聞いているとまさにに今、その渦中にあるということ。
これが幕末。
しばらく互いに無言だったが斎藤がふっと息をつき、酒を注いで再び くいっと煽った。
「俺が恐いか。」
斎藤が再び蘭丸の目をとらえて言う。
自分の心臓が一瞬ドクッとなったのがわかったが。
「・・・・・恐いとは思わない。」
私は斎藤の琥珀色の目を受け止めてはっきり言った。
本音だ。
その言葉に迷いはない。
だが、ふと、私はその視線をス-と外へ流し、
「斎藤さんが・・・羨ましい。自分の信念のために生きれるなんて。私なんて自分が誰だかも分からず生きている。何のために生きているのかも。」
斎藤は酒を飲みながら黙ってきいている。
「あ・・そういえば。なんか私病気持ちなんだそうですよ。しかもあんまり良くないみたいだって。」
「なんだ、その遠回しなもの言いは。」
「だって、周りにそう言われるんだもの。でもどこも痛いところはないし、こんなに元気で食欲も・・お腹の虫も元気なのに。」
蘭丸は肩をすくめてそう言った後、斎藤の方に少し身を乗り出し、
「だけど、ここ三ヶ月、月の半分・・そう、丁度満月の後ぐらいになるとまずい薬飲まされて安静にしてるように言われてて。確かにその時は自分でも原因不明のだるさが続いてほぼ寝てる方が多いんだけど。」
と言って、大根の煮つけを口に入れる。
斎藤は酒を煽りながらふと考えた。
(満月の後といえば十六夜・・・・そういえば十六夜丸が出没したと聞くのはいつも月が欠けていく時だ・・・・)
斎藤の頭の中にある予感がよぎった。
(まさか!)
(だがしかし、、)
(こいつの言葉ではないが、お前だって。お前と同じ顔がそう簡単に、この京都に二つあったらおかしいだろう。)
「・・・・・・。」
斎藤の脳に疑問が湧き上がったとき、
蘭丸がつぶやいた。
「あ、雨。」
雨は急に周りの客の声がよく聞こえなくなるほどに激しくなった。
(雨音が気持ちいい・・・。)