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伍 (約束と約束) (オリキャラ回想)
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夜が明ける前に蘭子は指定した御堂にやってきた。
「殺ったのか?」
俺は返り血が飛んでいる着物を見てそう言った。
「四人ほど斬ってきた。ちょっと細工をほどこしてな。」
っと楽しそうに答えた。
こんなのは蘭子ではない、あるわけがない。
「そういえば名を伺ってなかった。貴方のことは何て呼べばいい?」
「俺は十六夜丸。血を好む神、だがお前は『蘭子』とただそう呼べばいい。市彦、夜が明けるまでにまだ少し時間がある。お前に話しておかなければならぬことがある。」
そう言うと十六夜丸はドカッっと腰を下ろし、竹筒から水を一口飲んで話し出した。そして少し遠い目をすると、とつとつと話始めた。
「蘭子との契約のことだ。あれは寺へ来てから時間があれば敷地の北の小さな祠に参っていた。本殿へ出入りしては女ということがバレてしまう可能性があったからな。外にも出られない蘭子はその祠にずっと祈っていた。お前と鷹という連れの幸せと無事をな。」
十六夜丸はちらりと市彦を見たがまた視線を遠くへやった。
「だがあの祠はいわくつきの祠で中には俺が眠っていた石が入っていた。あまりにも石が昔に置かれたことと度重なる京都の戦乱でいつしか人間は何の祠だったかも忘れて祀ってあったのだ。蘭子は死期を感じたのだろう、自分が死んだ後、愛しい人が自分を忘れてしまうのではないかと、ただそれだけを恐れるようになって、そして血は母は違えど兄を愛してしまったという罪悪感、伝えることができない思いに耐えられなくなり願をかけたのだ。いや、あれは呪いだ、そして俺はそれに応えた。」
**************************************************************
「神様、仏様、後世で私と同じ顔、同じ声を持つものが生まれたら私が死んだ後兄様に会わせてください。兄様が私を忘れないようにしてください。」
「俺は仏ではないが、そこまでのお前の願い、叶えてやれないこともない。何を貢ぐ?」
「私の命ではいかがでございましょうか?」
「もうすぐ死ぬ人間の命の価値などない。」
「では何をご所望でしょうか?」
「お前が似ているというだけで他人の人生を自分の都合で踏みにじれるのであれば俺はその女の生気が欲しい。俺が犯しそいつが快感に狂うその快楽の気が俺の糧となる。それでも願うか。」
「私の願いはもう申しております。」
「地獄に落ちるぞ。」
「かまいません。」
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「殺ったのか?」
俺は返り血が飛んでいる着物を見てそう言った。
「四人ほど斬ってきた。ちょっと細工をほどこしてな。」
っと楽しそうに答えた。
こんなのは蘭子ではない、あるわけがない。
「そういえば名を伺ってなかった。貴方のことは何て呼べばいい?」
「俺は十六夜丸。血を好む神、だがお前は『蘭子』とただそう呼べばいい。市彦、夜が明けるまでにまだ少し時間がある。お前に話しておかなければならぬことがある。」
そう言うと十六夜丸はドカッっと腰を下ろし、竹筒から水を一口飲んで話し出した。そして少し遠い目をすると、とつとつと話始めた。
「蘭子との契約のことだ。あれは寺へ来てから時間があれば敷地の北の小さな祠に参っていた。本殿へ出入りしては女ということがバレてしまう可能性があったからな。外にも出られない蘭子はその祠にずっと祈っていた。お前と鷹という連れの幸せと無事をな。」
十六夜丸はちらりと市彦を見たがまた視線を遠くへやった。
「だがあの祠はいわくつきの祠で中には俺が眠っていた石が入っていた。あまりにも石が昔に置かれたことと度重なる京都の戦乱でいつしか人間は何の祠だったかも忘れて祀ってあったのだ。蘭子は死期を感じたのだろう、自分が死んだ後、愛しい人が自分を忘れてしまうのではないかと、ただそれだけを恐れるようになって、そして血は母は違えど兄を愛してしまったという罪悪感、伝えることができない思いに耐えられなくなり願をかけたのだ。いや、あれは呪いだ、そして俺はそれに応えた。」
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「神様、仏様、後世で私と同じ顔、同じ声を持つものが生まれたら私が死んだ後兄様に会わせてください。兄様が私を忘れないようにしてください。」
「俺は仏ではないが、そこまでのお前の願い、叶えてやれないこともない。何を貢ぐ?」
「私の命ではいかがでございましょうか?」
「もうすぐ死ぬ人間の命の価値などない。」
「では何をご所望でしょうか?」
「お前が似ているというだけで他人の人生を自分の都合で踏みにじれるのであれば俺はその女の生気が欲しい。俺が犯しそいつが快感に狂うその快楽の気が俺の糧となる。それでも願うか。」
「私の願いはもう申しております。」
「地獄に落ちるぞ。」
「かまいません。」
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