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肆 (宿命の出会い) (オリキャラ兄・斎藤)
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御前様とやらの所についたのは日も暮れて辺りは闇に包まれようとしている時であった。
「秦様、御前様がお待ちでございます。」
ついた早々玄関で出迎えられた。
「弟様もご一緒にどうぞ。」
弟-----そうだよな、私は『蘭子』じゃなくて『蘭丸』、男だもんな!
ちらっと兄に視線をやるとその通りにしろと目で言われたような気がした。
兄の後から黙ってついてゆく。
通された部屋でしばらく待っているとついたての向こうから人が来る気配がした。
兄が、そう、俗に平に~。という恰好のごとく頭を下げたのでとりあえず。真似をすることにした。
(教えておいてよー。こっちはただでさえ礼法に疎いのに・・。)
と思ったが、道中、兄は心ここに非ずというように何か遠い目をしていたので声をかけられなかったのだ。
「両名ともども面をあげよ。」
(ちっ、なにが面だよ)
私はこういう偉そうにするのが嫌いだ。
視界に入ったその男、
(しかも麻呂じゃん!こんな顔の奴に限って偉そうなのよ。)
いや別に人を顔で判断するわけではないけれど良くない人相っていうてあるじゃん、と思いつつもここはイラつくのを我慢。
長々と話を始めたみたいだが何せ麻呂言葉はよくわからない上、状況もよくわからない。いらないことを考えていたら最初の方を聞きのがした。
「------であるからにして新撰組から守って欲しい。----」
(は?今新撰組って言った!まじ?あいつらだよ?そりゃ、会ったこともないけど、歴史上、狼とか言われてるんでしょー!!)
最初も聞いていなかったが“新撰組”という言葉で頭がいっぱいになったそれ以降も聞いてなかった。
御前様のお話はまったく上の空で終わっていた。
その後兄様とまた別室に移された。
「兄様、仕事って御前様の警護なの・・・(う、ここで止まると女言葉~~)・・・か?(を付けてみる)。」
市彦は私の言葉使いの変化にちょっと驚いていたが、ここでは弟ということになっているのでそのまま会話を続ける。
「まあ、そんなところになるな。」
私は声のトーンを落として、ひそひそ声で、
「私、刀・・を見たこと自体初めてなんですけど・・」
っと、抗議した。
「情報ではあちらは十人ぐらいだということだ、問題ない。」
「こっちは?」
「向こうに先生方が二人いる。」
「えーーーーーーーーーーーー!私は使い物にならないとして、戦力は兄様達で三人分。三対十?!『問題ない。』って言うけどどこからその自信が来るんですか!その先生方ってそんなに強いの?----あの新撰組相手に・・・。」
パニックって必死の抗議を兄はスルッと流す。
私はため息をついた。
(もうだめかもしれない・・人間ってあきらめが大事だよね・・。自分はこれからきっと死ぬんだな。)
完全に死亡フラグが立ったな、と思った。
けれども不思議と怖いとか、いやだという感情は湧いてこなかった。
死んだら夢から覚めるのではないかと思ったからだ。
「時間だな。蘭丸、ちょとここで待ってろ。」
そういって立ち上がった兄はまた別室に行き、今度はすぐさま戻ってきた。手に杯を持って。
「え?」
それを見てぎょっとした。
朱色の杯になにやらどろどろとした。赤い液体。何か香の匂いが付けられているがまるで何かの臭い消しのように思える。
「何これ。」
「飲め。」
「嫌だよ~。こんな気味の悪いもの。」
「・・・・・お守りだ。」
怪しい。が、しかし“お守り”という言葉が心をかすめる。死ぬことに恐怖はないのに言葉の魔力というものか。
もしくはこれが夢の中のルールというもので避けて通れないものかもしれないと覚悟を決めた。
「じゃ・・・・」
と、杯を受け取りまじまじと覗き込む。
(ううう・・・きもっ)
が、意を決して一騎に流し込む。
(-----!!血?!何かざらざらしたのも入ってるし!生暖かいし!!おええっ!!)
涙目になって流し込んだ。
のどの奥を通過したあたりが熱い。
「秦様、御前様がお待ちでございます。」
ついた早々玄関で出迎えられた。
「弟様もご一緒にどうぞ。」
弟-----そうだよな、私は『蘭子』じゃなくて『蘭丸』、男だもんな!
ちらっと兄に視線をやるとその通りにしろと目で言われたような気がした。
兄の後から黙ってついてゆく。
通された部屋でしばらく待っているとついたての向こうから人が来る気配がした。
兄が、そう、俗に平に~。という恰好のごとく頭を下げたのでとりあえず。真似をすることにした。
(教えておいてよー。こっちはただでさえ礼法に疎いのに・・。)
と思ったが、道中、兄は心ここに非ずというように何か遠い目をしていたので声をかけられなかったのだ。
「両名ともども面をあげよ。」
(ちっ、なにが面だよ)
私はこういう偉そうにするのが嫌いだ。
視界に入ったその男、
(しかも麻呂じゃん!こんな顔の奴に限って偉そうなのよ。)
いや別に人を顔で判断するわけではないけれど良くない人相っていうてあるじゃん、と思いつつもここはイラつくのを我慢。
長々と話を始めたみたいだが何せ麻呂言葉はよくわからない上、状況もよくわからない。いらないことを考えていたら最初の方を聞きのがした。
「------であるからにして新撰組から守って欲しい。----」
(は?今新撰組って言った!まじ?あいつらだよ?そりゃ、会ったこともないけど、歴史上、狼とか言われてるんでしょー!!)
最初も聞いていなかったが“新撰組”という言葉で頭がいっぱいになったそれ以降も聞いてなかった。
御前様のお話はまったく上の空で終わっていた。
その後兄様とまた別室に移された。
「兄様、仕事って御前様の警護なの・・・(う、ここで止まると女言葉~~)・・・か?(を付けてみる)。」
市彦は私の言葉使いの変化にちょっと驚いていたが、ここでは弟ということになっているのでそのまま会話を続ける。
「まあ、そんなところになるな。」
私は声のトーンを落として、ひそひそ声で、
「私、刀・・を見たこと自体初めてなんですけど・・」
っと、抗議した。
「情報ではあちらは十人ぐらいだということだ、問題ない。」
「こっちは?」
「向こうに先生方が二人いる。」
「えーーーーーーーーーーーー!私は使い物にならないとして、戦力は兄様達で三人分。三対十?!『問題ない。』って言うけどどこからその自信が来るんですか!その先生方ってそんなに強いの?----あの新撰組相手に・・・。」
パニックって必死の抗議を兄はスルッと流す。
私はため息をついた。
(もうだめかもしれない・・人間ってあきらめが大事だよね・・。自分はこれからきっと死ぬんだな。)
完全に死亡フラグが立ったな、と思った。
けれども不思議と怖いとか、いやだという感情は湧いてこなかった。
死んだら夢から覚めるのではないかと思ったからだ。
「時間だな。蘭丸、ちょとここで待ってろ。」
そういって立ち上がった兄はまた別室に行き、今度はすぐさま戻ってきた。手に杯を持って。
「え?」
それを見てぎょっとした。
朱色の杯になにやらどろどろとした。赤い液体。何か香の匂いが付けられているがまるで何かの臭い消しのように思える。
「何これ。」
「飲め。」
「嫌だよ~。こんな気味の悪いもの。」
「・・・・・お守りだ。」
怪しい。が、しかし“お守り”という言葉が心をかすめる。死ぬことに恐怖はないのに言葉の魔力というものか。
もしくはこれが夢の中のルールというもので避けて通れないものかもしれないと覚悟を決めた。
「じゃ・・・・」
と、杯を受け取りまじまじと覗き込む。
(ううう・・・きもっ)
が、意を決して一騎に流し込む。
(-----!!血?!何かざらざらしたのも入ってるし!生暖かいし!!おええっ!!)
涙目になって流し込んだ。
のどの奥を通過したあたりが熱い。