Close so close【衣更真緒】
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いつもより抱きしめる力が強い。ああ、ああ、あんずちゃんへの独占欲強すぎやしませんか。本当に。その膨れ上がるどす黒い感情をどうにかしてくれ。
「なんか最近年末年始で疲れちゃってさ…。その上スバルとあんずの仲の良さ見せつけられて本当耐えらんない」
「あ〜頑張った頑張った」
「…キスしていい?」
迫ってきた真緒くん抑えながら「別いいよ」と返す。それにありがとうも何もなしに長いキス。
真緒くんはつくづく、キスが下手くそだなと思う。欲望に任せて、相手のことを何も気遣えていないからだろうか。それだから、あんずちゃんからも見て貰えないんだよと心の中で毒づいた。
「……慰めてくれないか?」
「うん」
真緒くんが私を求めるのなんて、慰めてほしい時しかないくせに。毎回鬱陶しいくらいに「俺って可哀想」「不幸」「だからお前が慰めて」と懇願してくる。
私たちが普通の小心者よりも気味が悪いところはきっと、片思い相手に傷ついた心を、好きでもない人で癒して慰めてもらうところだろう。私と真緒くんは、そういう関係。スバルくんがあんずちゃんに愛してるよって言ったら、あんずちゃんがそれに私もと微笑み返したら、二人が熱い抱擁を交わしていたら、私たちは唇を重ねる。時には身体をまさぐり合って、求め合ったりもする。
「真緒くんこんなことしてたらあんずちゃんにいつまでも振り向いて貰えないの、分かってるでしょ」
「あ~~うん、分かってるんだけどさ。嫌なことある度にあ〜この苛立ちどっかに吐き出したい晴らしたいって思って。あんずはそれしてくれないから、お前に言ってる」
「あんずちゃんにそんなこと言ったら引かれるからね。真緒くんが毎回絶対キスで終わらないのも、何しててもあんずって言ってるのも、聞いたら相当引くんじゃないかな」
「お前だって俺の名前じゃなくてのスバの名前呼んでるくせに、そこはお互い様だろ」
ふっと笑った真緒くんが私の髪の毛を解く。ああ、私とあんずちゃんの姿を重ねたいんだな、なんて思わされるから、真緒くんの髪留めを外してやる。あくまで私たちが好きなのはスバルくん、あんずちゃん。今目の前で体を重ね合う相手じゃない。──ああ、でも。もしかしたら、「付き合う?」なんて言ったら案外「ん、いいよ」などと返されるかもしれない。相手への気持ちが軽いなんて思ったことはないけれど、真緒くんと付き合うなんて考えられない話じゃないし。──なんて、ああ屑だなとか最低だなとか思いながらもそんなこと考えちゃう。つくづく馬鹿だ。だから私はいつまでも、スバルくんの心へ手を伸ばすことはできない。
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「慰めて?」
お題を拝借したメーカーさんはこちら。
少し続き書くかもしれません。
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いつもより抱きしめる力が強い。ああ、ああ、あんずちゃんへの独占欲強すぎやしませんか。本当に。その膨れ上がるどす黒い感情をどうにかしてくれ。
「なんか最近年末年始で疲れちゃってさ…。その上スバルとあんずの仲の良さ見せつけられて本当耐えらんない」
「あ〜頑張った頑張った」
「…キスしていい?」
迫ってきた真緒くん抑えながら「別いいよ」と返す。それにありがとうも何もなしに長いキス。
真緒くんはつくづく、キスが下手くそだなと思う。欲望に任せて、相手のことを何も気遣えていないからだろうか。それだから、あんずちゃんからも見て貰えないんだよと心の中で毒づいた。
「……慰めてくれないか?」
「うん」
真緒くんが私を求めるのなんて、慰めてほしい時しかないくせに。毎回鬱陶しいくらいに「俺って可哀想」「不幸」「だからお前が慰めて」と懇願してくる。
私たちが普通の小心者よりも気味が悪いところはきっと、片思い相手に傷ついた心を、好きでもない人で癒して慰めてもらうところだろう。私と真緒くんは、そういう関係。スバルくんがあんずちゃんに愛してるよって言ったら、あんずちゃんがそれに私もと微笑み返したら、二人が熱い抱擁を交わしていたら、私たちは唇を重ねる。時には身体をまさぐり合って、求め合ったりもする。
「真緒くんこんなことしてたらあんずちゃんにいつまでも振り向いて貰えないの、分かってるでしょ」
「あ~~うん、分かってるんだけどさ。嫌なことある度にあ〜この苛立ちどっかに吐き出したい晴らしたいって思って。あんずはそれしてくれないから、お前に言ってる」
「あんずちゃんにそんなこと言ったら引かれるからね。真緒くんが毎回絶対キスで終わらないのも、何しててもあんずって言ってるのも、聞いたら相当引くんじゃないかな」
「お前だって俺の名前じゃなくてのスバの名前呼んでるくせに、そこはお互い様だろ」
ふっと笑った真緒くんが私の髪の毛を解く。ああ、私とあんずちゃんの姿を重ねたいんだな、なんて思わされるから、真緒くんの髪留めを外してやる。あくまで私たちが好きなのはスバルくん、あんずちゃん。今目の前で体を重ね合う相手じゃない。──ああ、でも。もしかしたら、「付き合う?」なんて言ったら案外「ん、いいよ」などと返されるかもしれない。相手への気持ちが軽いなんて思ったことはないけれど、真緒くんと付き合うなんて考えられない話じゃないし。──なんて、ああ屑だなとか最低だなとか思いながらもそんなこと考えちゃう。つくづく馬鹿だ。だから私はいつまでも、スバルくんの心へ手を伸ばすことはできない。
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「慰めて?」
お題を拝借したメーカーさんはこちら。
少し続き書くかもしれません。
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