Close so close【衣更真緒】
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「また、スバルくんあんずちゃんに抱きついてたんだけど」
「はぁ…あんずだって、明星くんかっこいいだのなんだの散々惚気けてきたんだけどさ」
私たちの会話はほとんどがこれ。愚痴。好きな人に好きな人がいる、自分じゃなくてその人に想いが向いている。そう再確認出来てしまったら、すぐ相手に報告。愚痴。不幸自慢。
「いや〜、スバルくんは無自覚だから余計に傷つかない?あんずは抱き心地がいいなぁとか見せつけられてるよ」
「ほんとほんと。あんずも満更でもなさそうだしさ。あれで付き合ってないんだぜ?」
悪口を言っているようだが、誰よりも相手のことは好きなのだ。私はスバルくんのことが大好きだし、真緒くんもあんずちゃんのことが大好き。それは遠い昔に確認し合った。そして今も想いは変わらない。お互い分かっている。けれど。
「勝ち目なさすぎるんだよね」
「二人だけの世界確立しちゃってるからな〜」
お互い叶わぬ恋なのもまた知っている。スバルくんとあんずちゃんは付き合ってない。けれど、いつ付き合うか分からないくらい距離が近い、そして相手のことが好き。スバルくんは口を開けばあんずちゃんのことばかり、あんずちゃんも同じ。
「でもあんずちゃんのこと話してるスバルくんの顔案外好きなんだけど」
「それは末期すぎるだろ」
「真緒くんはスバルくんのこと自分のことのように自慢してくるあんずちゃんのこと好きじゃないの?」
「いや〜もうめちゃくちゃ無理。可愛いのは事実なんだけど、話してるの俺のことじゃないから」
「うわ〜独占欲が強い」
私の言葉に「いやいや、」と否定を入れる真緒くん。「スバルがあんずに抱きついてた時無理矢理引き剥がしたの誰だよ」とこれは痛い一撃。
「めっちゃ私です」
「おあいこじゃん」
「ソウダネ」
とはいえ。お互いスバルくん、あんずちゃんが好きな身でありながらこんなお口だけ達者なのは告白する勇気がないからである。「あんずちゃんよりスバルくんのこと好きだし」とか「スバルよりあんずのこと分かってるし」とか言っておいて、心の片隅では自信がない。心はただ空っぽで、上辺の口だけがパクパク動く。
いや、ただただ小心者の嘆きだな、と。胸糞悪くて、気味悪くて、腹黒いなと感じる。
「冬ツどうだった〜?」
「スバルがあんずと通話してたら年越してたらしい」
「うっわ辛すぎ」
「だろ〜?こればっかりは可哀想だと思うな」
「私も思ってあげるよ」
「ん、ありがと」
よしよし、とか言いながら真緒くんの背中をさする。そんな私を彼は抱きしめる。
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「また、スバルくんあんずちゃんに抱きついてたんだけど」
「はぁ…あんずだって、明星くんかっこいいだのなんだの散々惚気けてきたんだけどさ」
私たちの会話はほとんどがこれ。愚痴。好きな人に好きな人がいる、自分じゃなくてその人に想いが向いている。そう再確認出来てしまったら、すぐ相手に報告。愚痴。不幸自慢。
「いや〜、スバルくんは無自覚だから余計に傷つかない?あんずは抱き心地がいいなぁとか見せつけられてるよ」
「ほんとほんと。あんずも満更でもなさそうだしさ。あれで付き合ってないんだぜ?」
悪口を言っているようだが、誰よりも相手のことは好きなのだ。私はスバルくんのことが大好きだし、真緒くんもあんずちゃんのことが大好き。それは遠い昔に確認し合った。そして今も想いは変わらない。お互い分かっている。けれど。
「勝ち目なさすぎるんだよね」
「二人だけの世界確立しちゃってるからな〜」
お互い叶わぬ恋なのもまた知っている。スバルくんとあんずちゃんは付き合ってない。けれど、いつ付き合うか分からないくらい距離が近い、そして相手のことが好き。スバルくんは口を開けばあんずちゃんのことばかり、あんずちゃんも同じ。
「でもあんずちゃんのこと話してるスバルくんの顔案外好きなんだけど」
「それは末期すぎるだろ」
「真緒くんはスバルくんのこと自分のことのように自慢してくるあんずちゃんのこと好きじゃないの?」
「いや〜もうめちゃくちゃ無理。可愛いのは事実なんだけど、話してるの俺のことじゃないから」
「うわ〜独占欲が強い」
私の言葉に「いやいや、」と否定を入れる真緒くん。「スバルがあんずに抱きついてた時無理矢理引き剥がしたの誰だよ」とこれは痛い一撃。
「めっちゃ私です」
「おあいこじゃん」
「ソウダネ」
とはいえ。お互いスバルくん、あんずちゃんが好きな身でありながらこんなお口だけ達者なのは告白する勇気がないからである。「あんずちゃんよりスバルくんのこと好きだし」とか「スバルよりあんずのこと分かってるし」とか言っておいて、心の片隅では自信がない。心はただ空っぽで、上辺の口だけがパクパク動く。
いや、ただただ小心者の嘆きだな、と。胸糞悪くて、気味悪くて、腹黒いなと感じる。
「冬ツどうだった〜?」
「スバルがあんずと通話してたら年越してたらしい」
「うっわ辛すぎ」
「だろ〜?こればっかりは可哀想だと思うな」
「私も思ってあげるよ」
「ん、ありがと」
よしよし、とか言いながら真緒くんの背中をさする。そんな私を彼は抱きしめる。
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