100回キスしないと出られない部屋【氷鷹北斗】
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行き場のない手に落ち着きを奪われ、着地点を探した時に行き着いたのが氷鷹くんの背中だった。彼のシャツを力いっぱい掴む。躊躇したように彼の動作が一拍止まったが、意を決したように唇を触れ合わせる。
「っん…」
咥内に彼のそれが侵入してきた。生暖かいそれから熱を吸い取る度に、唇と唇が扇情的な音を奏でて欲を煽る。
お互い恋愛経験が非常に浅く、そういうことはゆっくりしていこうと言い合った仲なのだが、今は積極的になる氷鷹くんを経験豊富だと錯覚してしまう。それほど余裕がなくて、混乱していて、夢中だった。
「……っは」
「…ん…」
「……ひ、ひだっ、かく」
「…っ、む、なんだ」
暫く続けていると、次第に音も大きくなってきて、息遣いも荒くなっていく。頭がくらくらしてきて、軽い目眩も起き始め、さすがにまずいと思い氷鷹くんを離したのである。
「もうダメ…ちょっと、休憩しよう」
「そうだな、すまない。自分を制御できなくなりそうだった」
あれで制御してない方なのか、などと彼の意外性に少し驚きつつベッドに座る。顔が電熱線のように熱くて、両手でパタパタと風を吹かせる。
氷鷹くんの顔も、(恐らく)私と同じくらい赤くなっていて、横髪からそっと覗く耳まで見事に赤く染まっていた。
「本当は数えようと思っていたのだが、分からなくなってしまったな」
そうだったのか。しかし、そうなると触れるだけのキスを100回しようとしていたのだろうか。
いやいや、それなら全く制御できていませんけれども。自覚ない感じですか。
「氷鷹くんは余裕そうだね」
口をついて出たのはそんな言葉だった。嫌味らしく、口をとがらせる。
「いや、そんなに余裕じゃない。お前に、夢中になってしまって……」
言葉が途切れたところで、首を傾げていると閃いたようにこちらを向いた。
「…制御できていないな」
「だよね」
「嘘をついてしまったようですまない…」
無自覚ならそれも普段かっこいい氷鷹くんのギャップってことで。可愛い氷鷹くんも好きなので許します。なんて、さすがに言えないので「ううん、私もだし」とだけ返した。
「休憩が終わったら言ってくれ」
「あっ、分かった…」
言いつつ氷鷹くんもベッドに腰かける。
早まった鼓動が漸く収まりそうだったというのに隣に氷鷹くんがいると思うと、どうしても落ち着かなくなる。いっそある種の治療法など存在しない病なのではないか。
先程は阻止されてしまった深呼吸をゆっくりと行う。今度こそは酸素を取り込み、肺へと行き着いた。実際は高鳴った鼓動が沈静しているわけではないのだが、そこは深呼吸してからの気持ちの持ちよう次第である。
「ひ、氷鷹くん」
「………」
「氷鷹くん…?」
名前を呼んでも返事がない。どうしたんだろう、と肩に触れ、こちらへ振り向かせる。
( ……! )
目の前の氷鷹くんの顔は真っ赤に染まっていた。
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行き場のない手に落ち着きを奪われ、着地点を探した時に行き着いたのが氷鷹くんの背中だった。彼のシャツを力いっぱい掴む。躊躇したように彼の動作が一拍止まったが、意を決したように唇を触れ合わせる。
「っん…」
咥内に彼のそれが侵入してきた。生暖かいそれから熱を吸い取る度に、唇と唇が扇情的な音を奏でて欲を煽る。
お互い恋愛経験が非常に浅く、そういうことはゆっくりしていこうと言い合った仲なのだが、今は積極的になる氷鷹くんを経験豊富だと錯覚してしまう。それほど余裕がなくて、混乱していて、夢中だった。
「……っは」
「…ん…」
「……ひ、ひだっ、かく」
「…っ、む、なんだ」
暫く続けていると、次第に音も大きくなってきて、息遣いも荒くなっていく。頭がくらくらしてきて、軽い目眩も起き始め、さすがにまずいと思い氷鷹くんを離したのである。
「もうダメ…ちょっと、休憩しよう」
「そうだな、すまない。自分を制御できなくなりそうだった」
あれで制御してない方なのか、などと彼の意外性に少し驚きつつベッドに座る。顔が電熱線のように熱くて、両手でパタパタと風を吹かせる。
氷鷹くんの顔も、(恐らく)私と同じくらい赤くなっていて、横髪からそっと覗く耳まで見事に赤く染まっていた。
「本当は数えようと思っていたのだが、分からなくなってしまったな」
そうだったのか。しかし、そうなると触れるだけのキスを100回しようとしていたのだろうか。
いやいや、それなら全く制御できていませんけれども。自覚ない感じですか。
「氷鷹くんは余裕そうだね」
口をついて出たのはそんな言葉だった。嫌味らしく、口をとがらせる。
「いや、そんなに余裕じゃない。お前に、夢中になってしまって……」
言葉が途切れたところで、首を傾げていると閃いたようにこちらを向いた。
「…制御できていないな」
「だよね」
「嘘をついてしまったようですまない…」
無自覚ならそれも普段かっこいい氷鷹くんのギャップってことで。可愛い氷鷹くんも好きなので許します。なんて、さすがに言えないので「ううん、私もだし」とだけ返した。
「休憩が終わったら言ってくれ」
「あっ、分かった…」
言いつつ氷鷹くんもベッドに腰かける。
早まった鼓動が漸く収まりそうだったというのに隣に氷鷹くんがいると思うと、どうしても落ち着かなくなる。いっそある種の治療法など存在しない病なのではないか。
先程は阻止されてしまった深呼吸をゆっくりと行う。今度こそは酸素を取り込み、肺へと行き着いた。実際は高鳴った鼓動が沈静しているわけではないのだが、そこは深呼吸してからの気持ちの持ちよう次第である。
「ひ、氷鷹くん」
「………」
「氷鷹くん…?」
名前を呼んでも返事がない。どうしたんだろう、と肩に触れ、こちらへ振り向かせる。
( ……! )
目の前の氷鷹くんの顔は真っ赤に染まっていた。
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