甘えベタな彼女【まお北♀】
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日曜日の午後三時過ぎ。
俺の部屋にはある一人の女の子が遊びに来ていた。
「衣更、ここの数式なんだが…」
白い肌に長い睫毛、整った顔立ちに長い指。黒髪ロングの委員長のくせして、今日の服装は鎖骨がバッチリ露出させている。目の前にちょこんと座り、勉強を教えてくれている女の子こそ俺の彼女である氷鷹北斗だ。
「どうした…?じっと見つめて」
「いや、今日も可愛いなって」
「ば、馬鹿…今は勉強の時間だ」
北斗は真面目だなぁとか言いつつ勉強するつもりだったのに、ノートに視線を落とす北斗に目を奪われてしまう。北斗は沈黙を嫌がってないというか、寧ろそうなることで俺も集中しているから良いことだと思うのだろう。もともと、勉強会に誘ったのは俺だ。俺が勉強しないのはさぞかし不満だろう。
「北斗、期末何位だった?」
何気なく聞くと北斗の肩が分かりやすくピクっと震えた。え、めちゃくちゃ高いかめちゃくちゃ低いかどっちなんだ…?どっちにしろ、北斗の頬が赤く染まっているのには変わりないので何故だろうと疑問符が浮かぶ。
「に、2位だった…」
「2位!え、マジか!?」
「マジ、だ…」
北斗は今までトップ10を維持していたが、そのような高順位は今まで聞いたことがなく、俺は北斗の手を取って「やったな!」と思いきり笑った。驚いた顔をしていた北斗は、視線を逸らして「そう、だな」とだけ返す。
「それで、なんだが…」
言いづらそうに、北斗は座り直した。姿勢を崩していいのに正座をしているのは、きっと人様の家だからというのがあるのだろう。
「私は期末頑張った」
「うん、分かるよ」
「本当に頑張ったのだ」
「うん、頑張ったな」
「だからその…ご、ごほう…」
「ごほう…」
「……っ」
「………び?」
冗談だろうと笑ってみせると、こくんと可愛げに頷く北斗がいた。
( え?え、えっ?それはマジで言ってるんですか北斗さん? )
「こ、こういうのはあまり慣れていないんだ…」
甘えてみたらいいんじゃない?というのはどうやらスバルが吹き込んだらしい。いつもはいらないことばかりするスバルだが、今日だけはナイスだ。ピカピカの十円玉用意しないとなぁなどと考えながら、未だにソワソワしている北斗に近づく。
( あーー綺麗な顔。めっちゃ可愛い。)
「北斗、勉強に集中してたけどいいのか?」
「構わない…それに、衣更はそもそも勉強していなかっただろう」
基本的にスマホをいじったり、北斗に話しかけたりしていたが、それでもノートには小さな落書きやポエム(恥ずかしい)を書いていた。筆箱で隠していたが、北斗にはバレバレだったのだろう。これは浮気を絶対に見逃さないタイプだな。俺はそもそも浮気しないけど。
「何してほしいんだ?」
気づけば正座が崩れている北斗に、また可愛さを感じながら聞いた。暫く顔を背けられていたが、ふともう少しで沸騰しそうなほど赤くなった顔がこちらを向く。
「触って、ほしい…」
「どこ触ってほしいんだ?」
ほら、と俺の右手を差し出す。あくまで北斗がその手をとって、自分のどこかに触れさせるためだ。何もかも彼女にさせるなんて、俺はつくづく最低である。
( …北斗が一人で、俺の手で何かしようとしてるみたいだ。)
少し扇情的にさえ見えてしまう。ダメだダメだ、まだだろ。
北斗が俺の手に触れて、そっとその手を包み込む。
「……衣更が触ってくれるなら、どこでも…っ」
本人は甘えベタだの素直になれないだの言うが、俺には十分すぎるくらいだ。幸せすぎて、死にそうである。
「本当にどこでもいいのか?」
「衣更が触りたいところを触ってくれればいい…」
「…俺結構理性持たない方なんだけど」
一瞬首を傾げていたが、すぐに意味が分かったようで俺にデコピンをかましてきた。
「私がご褒美は衣更に触ってほしいと言ったんだ、どこでもいいという意味をそのまま受け取れ…っ!」
涙目になった北斗はいよいよ爆発してしまい、顔がこれまでにないほど真っ赤になっていた。
( え、これってそういうことだよな…?そういうことでいいんだよな…?? )
北斗も本気で怒っているようではないようで、横髪を耳にかけた。
無意識にめちゃくちゃ誘ってくるじゃん、などと思いながら、手を伸ばす。
「……っん」
北斗の腕が机にぶつかって、俺のシャーペンが落ちる。その瞬間、ぷつりとなにかが切れた気がして、もう全部北斗のせいにすることにした。
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『どこを触ってほしい?』
お題を拝借したメーカーさんはこちら。
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日曜日の午後三時過ぎ。
俺の部屋にはある一人の女の子が遊びに来ていた。
「衣更、ここの数式なんだが…」
白い肌に長い睫毛、整った顔立ちに長い指。黒髪ロングの委員長のくせして、今日の服装は鎖骨がバッチリ露出させている。目の前にちょこんと座り、勉強を教えてくれている女の子こそ俺の彼女である氷鷹北斗だ。
「どうした…?じっと見つめて」
「いや、今日も可愛いなって」
「ば、馬鹿…今は勉強の時間だ」
北斗は真面目だなぁとか言いつつ勉強するつもりだったのに、ノートに視線を落とす北斗に目を奪われてしまう。北斗は沈黙を嫌がってないというか、寧ろそうなることで俺も集中しているから良いことだと思うのだろう。もともと、勉強会に誘ったのは俺だ。俺が勉強しないのはさぞかし不満だろう。
「北斗、期末何位だった?」
何気なく聞くと北斗の肩が分かりやすくピクっと震えた。え、めちゃくちゃ高いかめちゃくちゃ低いかどっちなんだ…?どっちにしろ、北斗の頬が赤く染まっているのには変わりないので何故だろうと疑問符が浮かぶ。
「に、2位だった…」
「2位!え、マジか!?」
「マジ、だ…」
北斗は今までトップ10を維持していたが、そのような高順位は今まで聞いたことがなく、俺は北斗の手を取って「やったな!」と思いきり笑った。驚いた顔をしていた北斗は、視線を逸らして「そう、だな」とだけ返す。
「それで、なんだが…」
言いづらそうに、北斗は座り直した。姿勢を崩していいのに正座をしているのは、きっと人様の家だからというのがあるのだろう。
「私は期末頑張った」
「うん、分かるよ」
「本当に頑張ったのだ」
「うん、頑張ったな」
「だからその…ご、ごほう…」
「ごほう…」
「……っ」
「………び?」
冗談だろうと笑ってみせると、こくんと可愛げに頷く北斗がいた。
( え?え、えっ?それはマジで言ってるんですか北斗さん? )
「こ、こういうのはあまり慣れていないんだ…」
甘えてみたらいいんじゃない?というのはどうやらスバルが吹き込んだらしい。いつもはいらないことばかりするスバルだが、今日だけはナイスだ。ピカピカの十円玉用意しないとなぁなどと考えながら、未だにソワソワしている北斗に近づく。
( あーー綺麗な顔。めっちゃ可愛い。)
「北斗、勉強に集中してたけどいいのか?」
「構わない…それに、衣更はそもそも勉強していなかっただろう」
基本的にスマホをいじったり、北斗に話しかけたりしていたが、それでもノートには小さな落書きやポエム(恥ずかしい)を書いていた。筆箱で隠していたが、北斗にはバレバレだったのだろう。これは浮気を絶対に見逃さないタイプだな。俺はそもそも浮気しないけど。
「何してほしいんだ?」
気づけば正座が崩れている北斗に、また可愛さを感じながら聞いた。暫く顔を背けられていたが、ふともう少しで沸騰しそうなほど赤くなった顔がこちらを向く。
「触って、ほしい…」
「どこ触ってほしいんだ?」
ほら、と俺の右手を差し出す。あくまで北斗がその手をとって、自分のどこかに触れさせるためだ。何もかも彼女にさせるなんて、俺はつくづく最低である。
( …北斗が一人で、俺の手で何かしようとしてるみたいだ。)
少し扇情的にさえ見えてしまう。ダメだダメだ、まだだろ。
北斗が俺の手に触れて、そっとその手を包み込む。
「……衣更が触ってくれるなら、どこでも…っ」
本人は甘えベタだの素直になれないだの言うが、俺には十分すぎるくらいだ。幸せすぎて、死にそうである。
「本当にどこでもいいのか?」
「衣更が触りたいところを触ってくれればいい…」
「…俺結構理性持たない方なんだけど」
一瞬首を傾げていたが、すぐに意味が分かったようで俺にデコピンをかましてきた。
「私がご褒美は衣更に触ってほしいと言ったんだ、どこでもいいという意味をそのまま受け取れ…っ!」
涙目になった北斗はいよいよ爆発してしまい、顔がこれまでにないほど真っ赤になっていた。
( え、これってそういうことだよな…?そういうことでいいんだよな…?? )
北斗も本気で怒っているようではないようで、横髪を耳にかけた。
無意識にめちゃくちゃ誘ってくるじゃん、などと思いながら、手を伸ばす。
「……っん」
北斗の腕が机にぶつかって、俺のシャーペンが落ちる。その瞬間、ぷつりとなにかが切れた気がして、もう全部北斗のせいにすることにした。
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『どこを触ってほしい?』
お題を拝借したメーカーさんはこちら。
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