・時間と貴方の有限性について。
春風が強まってきたなぁと論文を書きながら窓が風でカタカタとなる音で理解した。
通りで朝が起きやすくなった。
時間に目を向ける。
あ、今日、彼が来る。
忘れていた。
現実に戻され、ベッドの上に置かれた本や書類をまとめて綺麗に積み上げ机脇の作業机に置く。__この机は趣味用の机であって仕事用ではないから本当はここに置くのはやめたいのだけれど。__
そして、顔を洗って歯を磨く。
今日、何か食べたか。
あ、珈琲を飲んでいたか。
昨日から使いっぱなしだったことを思い出し、口を冷水で濯いでからカップを洗う。
コンコンコン____
彼だ。
ノックの回数とは実に大切である。
時に、私の受け持つ女生徒とそういった会話をした。その次の日、彼女がノック数を2回にしてきたことは流石に課題を増やしてやった。_ノック数2回はトイレの際に使う。_
鍵を開けて、扉を開く。
「おはようございます、閣下。」
「おはようございます、教授。」
私とは違う低い落ち着いた声。
そしてこの会話も恒例のやり取りだ。
そして、彼はため息をついた。
「朝食は如何した教授。」
ジトっとした目を向けられる。
私は、ははは、と誤魔化しながら笑う。
彼はまたため息を零す。
「教授、ついては、今日は友人としてお話したい。よろしいかね。」
「えぇ、閣下。では、今日は友人とのお茶会ですね。」
彼を中に招き入れ、扉を閉める。
すると私のズボンから少し出ていたブラウスを思いっきり上げられ、貧相な身体が出てくる。
驚きのあまり、声すら出ない。腹は出ているが。
「...お前、また痩せていないか?いつから食べていない?なんだってお前は大食いの癖にこういう時食への関心が減るんだ?で、朝食は?」
彼は捲し立てるように質問する。
私はあっけに取られながら、答える。
「え、と、珈琲デス。」
「あ"ぁ"?お前、飲み物で朝食だと?」
ご乱心である。
彼は一国の総統である。
それでいて、いつもは書記長の彼に任せっきりの末っ子のようで、時に書記長からどうすべきか相談される。
が、私と二人っきりだとはっきりいってそんな所見た事はほとんどない。
気を許してないかと思えば、このように当然のように服をまくったりすることから、そういう訳でもないらしい。
今日にでも聞いてみようか。
頬に強い痛みが走る。
「ひたたっ」
「当たり前だ。つねっている。お前、前に俺が言ったこと忘れてるのか?人間は食がなければ判断能力低下するのだ。仕事を早く終わらせたくば食事を抜くなと。」
「ハイッ!言われましたっ!スイマセンっ!」
頬から白い指が離れ、私はつねられたそこをさする。
彼は私のジャケットを取って投げてきた。
ビックリしながらキャッチする。
「食いに行くぞ。何が食べたい?」
彼はそう言って薄地の羽織りをもう一度着る。
「...では、貴方と沢山話せる所がいいです。」
私は桑染のジャケットに腕を通しそう言った。
財布は何処に置いたか、
あ、テーブルに置いてあったか。
財布を取ってポケットに仕舞うと先程まで何かと動いていた彼が、静かになっていたため気になってそちらに目をやる。
「グルッペンさん?」
すると彼の顔が私の1寸先にあり、今はもうない。
またもや驚かされ、身体が石になってしまった。
彼はフッと笑った瞬間その魔法がとけて身体が動き、体温も上昇してきた。
「ちょっ、なんすか。心臓に悪いわ。」
「エミさんが天然でタラシやから。」
「はぁ?何処がや?」
「そこが。」
全く分からない。
彼の顔は曲げていた腰を真っ直ぐにし離れ、すぐにドアの外にでていくため、疑問を持ちつつ、その後を急いでついて行く。
まぁ、一先ず食事出来るとこに向かうのだろう。
通りで朝が起きやすくなった。
時間に目を向ける。
あ、今日、彼が来る。
忘れていた。
現実に戻され、ベッドの上に置かれた本や書類をまとめて綺麗に積み上げ机脇の作業机に置く。__この机は趣味用の机であって仕事用ではないから本当はここに置くのはやめたいのだけれど。__
そして、顔を洗って歯を磨く。
今日、何か食べたか。
あ、珈琲を飲んでいたか。
昨日から使いっぱなしだったことを思い出し、口を冷水で濯いでからカップを洗う。
コンコンコン____
彼だ。
ノックの回数とは実に大切である。
時に、私の受け持つ女生徒とそういった会話をした。その次の日、彼女がノック数を2回にしてきたことは流石に課題を増やしてやった。_ノック数2回はトイレの際に使う。_
鍵を開けて、扉を開く。
「おはようございます、閣下。」
「おはようございます、教授。」
私とは違う低い落ち着いた声。
そしてこの会話も恒例のやり取りだ。
そして、彼はため息をついた。
「朝食は如何した教授。」
ジトっとした目を向けられる。
私は、ははは、と誤魔化しながら笑う。
彼はまたため息を零す。
「教授、ついては、今日は友人としてお話したい。よろしいかね。」
「えぇ、閣下。では、今日は友人とのお茶会ですね。」
彼を中に招き入れ、扉を閉める。
すると私のズボンから少し出ていたブラウスを思いっきり上げられ、貧相な身体が出てくる。
驚きのあまり、声すら出ない。腹は出ているが。
「...お前、また痩せていないか?いつから食べていない?なんだってお前は大食いの癖にこういう時食への関心が減るんだ?で、朝食は?」
彼は捲し立てるように質問する。
私はあっけに取られながら、答える。
「え、と、珈琲デス。」
「あ"ぁ"?お前、飲み物で朝食だと?」
ご乱心である。
彼は一国の総統である。
それでいて、いつもは書記長の彼に任せっきりの末っ子のようで、時に書記長からどうすべきか相談される。
が、私と二人っきりだとはっきりいってそんな所見た事はほとんどない。
気を許してないかと思えば、このように当然のように服をまくったりすることから、そういう訳でもないらしい。
今日にでも聞いてみようか。
頬に強い痛みが走る。
「ひたたっ」
「当たり前だ。つねっている。お前、前に俺が言ったこと忘れてるのか?人間は食がなければ判断能力低下するのだ。仕事を早く終わらせたくば食事を抜くなと。」
「ハイッ!言われましたっ!スイマセンっ!」
頬から白い指が離れ、私はつねられたそこをさする。
彼は私のジャケットを取って投げてきた。
ビックリしながらキャッチする。
「食いに行くぞ。何が食べたい?」
彼はそう言って薄地の羽織りをもう一度着る。
「...では、貴方と沢山話せる所がいいです。」
私は桑染のジャケットに腕を通しそう言った。
財布は何処に置いたか、
あ、テーブルに置いてあったか。
財布を取ってポケットに仕舞うと先程まで何かと動いていた彼が、静かになっていたため気になってそちらに目をやる。
「グルッペンさん?」
すると彼の顔が私の1寸先にあり、今はもうない。
またもや驚かされ、身体が石になってしまった。
彼はフッと笑った瞬間その魔法がとけて身体が動き、体温も上昇してきた。
「ちょっ、なんすか。心臓に悪いわ。」
「エミさんが天然でタラシやから。」
「はぁ?何処がや?」
「そこが。」
全く分からない。
彼の顔は曲げていた腰を真っ直ぐにし離れ、すぐにドアの外にでていくため、疑問を持ちつつ、その後を急いでついて行く。
まぁ、一先ず食事出来るとこに向かうのだろう。
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