- 雨生龍之介
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私には、龍之介という幼なじみがいる。
家が隣で同じ年に生まれたために親同士で交流があり、私達も自然と一緒にいることが多かった。
小さい頃、龍之介は変な子だった。
通学途中で虫や蛙や魚を捕まえてハサミで解体し遅刻したり、人が怪我した患部を見せてと頼んだり。
いつか何か事件を起こしそうで危なかっかしく、私はいつでも彼の保護者のような役割だった。
一度、どうしてそういうことをするのかと、聞いてみたことがある。
すると、彼はそれはそれは嬉しそうに語ってくれた。
「おれねー、てんせい?したっぽいんだよねー。」
「前はおなかをケガして死んだんだけど、そのときのハラワタがめちゃくちゃキレーでさ!おれはそれをまた見たいんだー。」
イマイチ質問と答えが噛み合ってない気がしたが、今まで見た事のないような無邪気な笑顔を目にして、これが彼を動かすものなんだ、と子供ながらに納得した。
龍之介の両親は、そんな彼を不審がっていたらしい。
龍之介のことで何度も相談を受けていたと、後に私の両親から聞いた。
そんな中、とある事件が起こる。
それは保育園のお昼寝の時間。
皆が寝静まった空間でふと眼をあけると、隣に寝ているはずの龍之介がいないことに気づいた。
私は少し嫌な不安を感じ、彼を探しだした。
廊下で先生に見つかり龍之介がいない旨を伝えると、先生が探すからなまえちゃんは寝てて、と言われる。
けれど、何故だか不安で不安でたまらなく、泣きそうになりながらわたしもさがす、とごねると、先生は一緒になって探してくれた。
不安に駆られながら廊下をぺたぺたと歩いていると、私と龍之介の教室で、オレンジ色の髪の毛が揺れたのが見えた。
見つけられた安堵で胸を撫で下ろし、中を覗いた。
すると、彼はさっきまで工作で使っていたカッターを手にして、自らのお腹に向けていた。
何が起きているのか分からなかった。
けれど、とめないといけない気がした。
「りゅーのすけくん!」
無我夢中で慌てて叫ぶと、近寄り難くこの世の何にも期待していないような大人びた表情でこちらを見やった。
しかしそれは一瞬だけで、すぐに拗ねたように口を尖らせた。
「ちぇー、みつかっちゃった。」
私の大きな声で先生が駆けつけ、その場は龍之介がお叱りを受け収束した。
私はその間ずっと、声をかけたあとの龍之介の顔を思い出していた。
龍之介くんのことが少しこわい、と思ってしまった。
そんな自分が嫌で、私は気のせいだったと思い込むことにした。
きっと、先生方は彼の両親に昼の件の連絡をしたはずだ。
けれどその夜、いつになっても彼の迎えが来ることはなかった。
その日から、龍之介は保育園で一番仲が良かった私のうちで過ごすようになった。
家が隣で同じ年に生まれたために親同士で交流があり、私達も自然と一緒にいることが多かった。
小さい頃、龍之介は変な子だった。
通学途中で虫や蛙や魚を捕まえてハサミで解体し遅刻したり、人が怪我した患部を見せてと頼んだり。
いつか何か事件を起こしそうで危なかっかしく、私はいつでも彼の保護者のような役割だった。
一度、どうしてそういうことをするのかと、聞いてみたことがある。
すると、彼はそれはそれは嬉しそうに語ってくれた。
「おれねー、てんせい?したっぽいんだよねー。」
「前はおなかをケガして死んだんだけど、そのときのハラワタがめちゃくちゃキレーでさ!おれはそれをまた見たいんだー。」
イマイチ質問と答えが噛み合ってない気がしたが、今まで見た事のないような無邪気な笑顔を目にして、これが彼を動かすものなんだ、と子供ながらに納得した。
龍之介の両親は、そんな彼を不審がっていたらしい。
龍之介のことで何度も相談を受けていたと、後に私の両親から聞いた。
そんな中、とある事件が起こる。
それは保育園のお昼寝の時間。
皆が寝静まった空間でふと眼をあけると、隣に寝ているはずの龍之介がいないことに気づいた。
私は少し嫌な不安を感じ、彼を探しだした。
廊下で先生に見つかり龍之介がいない旨を伝えると、先生が探すからなまえちゃんは寝てて、と言われる。
けれど、何故だか不安で不安でたまらなく、泣きそうになりながらわたしもさがす、とごねると、先生は一緒になって探してくれた。
不安に駆られながら廊下をぺたぺたと歩いていると、私と龍之介の教室で、オレンジ色の髪の毛が揺れたのが見えた。
見つけられた安堵で胸を撫で下ろし、中を覗いた。
すると、彼はさっきまで工作で使っていたカッターを手にして、自らのお腹に向けていた。
何が起きているのか分からなかった。
けれど、とめないといけない気がした。
「りゅーのすけくん!」
無我夢中で慌てて叫ぶと、近寄り難くこの世の何にも期待していないような大人びた表情でこちらを見やった。
しかしそれは一瞬だけで、すぐに拗ねたように口を尖らせた。
「ちぇー、みつかっちゃった。」
私の大きな声で先生が駆けつけ、その場は龍之介がお叱りを受け収束した。
私はその間ずっと、声をかけたあとの龍之介の顔を思い出していた。
龍之介くんのことが少しこわい、と思ってしまった。
そんな自分が嫌で、私は気のせいだったと思い込むことにした。
きっと、先生方は彼の両親に昼の件の連絡をしたはずだ。
けれどその夜、いつになっても彼の迎えが来ることはなかった。
その日から、龍之介は保育園で一番仲が良かった私のうちで過ごすようになった。
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