部活仲間の伏見臣とだんだん仲良くなって特定の誰かになる話。料理上手で肝心なとこで押しが弱くて周りを気遣いすぎて、ときどき悲しい顔をする。彼のことを知れば知るほど、こんなの好きにならないわけが無いと心乱されていく。伏見臣の心の傷に触れた時、私は何をしてあげられるのだろうか。


部活仲間の伏見臣くんは、優しいし面倒みが良いし気が利くし、男女双方から好感度が高く、欠点が無い。
彼に密かに恋心を抱く女子は少なくない。
部活で知り合って2年目になるが、彼が告白されている所を何度か目撃した。
しかし彼が特定の誰かと付き合ったり、親密になったりする事はなかった。
傍目から様子を伺う私には、仲良くしているように見えて、一線を超えて親密になろうとはしない、そんな風に見えた。
私は彼と意図的に関わろうとしなかったが、あるとき接点を持つ機会ができた。
サークルの課題クジで彼とペアになったのである。
私がパートナーだと知った彼は人の良さそうな笑みを浮かべ