最終話
夢小説設定
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〈Side S〉
突然のことに怪訝な顔をしていた〇〇さんを、早く早くと追い出して、やっとカフェの制服に着替え始める。
あそこまで言えば、いずれ収まるところに収まるだろうけど、まあ善は急げって言うしね。
それに、あんなのを野放しにしておいたら、周りが迷惑極まりない。1分でも早くくっついてもらわないと、犠牲者がさらに増えてしまう。
最初こそ面白がってたけど、あの無自覚さはもう笑えないレベルだ。
だからこれはキューピッドというより事故処理と言った方が正しいような。
胸元のリボンをきゅっと結ぶ。
……本当はあのまま、余計な口出しをせず、余計な事実を知らせずに、いずれ来る別れを知らないふりで受け入れて2人を見守ることだってできて、……だけどそれをしなかったのは。
「……本に伸ばした指先が、すごく綺麗だと思ったの」
呟きは、誰にも聞かれないまま小さく消えた。