【PET!番外編①】迷惑メイドたまき
このあいだ、さんざん恥ずかしいことをされながらも、寂しさに負けて椋に抱きついて目が赤くなるくらい泣いてしまった一生の恥が、椋のベッドを見るだけでもよみがえってしまうのだ。
「と、とにかく俺はソファで寝るから、環もベッドで……」
「じゃあ俺もソファで寝る」
瑛知の言葉をさえぎり、環は勝手にソファに寝転がるとタオルケットを被る。
「二人じゃキツいだろ!あっちで寝ろって!」
タオルケットを剥いで、環を引っ張って起こそうとするが環も抵抗する。
「添い寝するって、決めてあるから!」
「それはいらねーだろ!? いいからっ、早くあっちで寝ろってば!」
「やだ、瑛知と寝……うわっ」
環がバランスを崩した瞬間、狙ったように環をソファから引き剥がす。
「大人しく、そっちで寝ろよ」
勝った、という顔で環を見て、そのままソファに仰向けで横になる。軽く息を吐いて呼吸を整えると、目を瞑って寝ようとした。
……が。
ゴソゴソと不穏な音がして、なにかの重みが瑛知の体に突然のし掛かってきた。
「っ、何してんだお前は!?」
「え……瑛知だけ一人じゃ、寂しいでしょ?」
瑛知の上に押し倒すような体勢で乗っかって、無理やり一緒に寝ようとする環だが、少し華奢と言っても、瑛知と環の体格はほとんど同じ。当然寝るどころじゃなく、その上肌が密着するので暑い。
「重いし暑いっつの!上からどけってば!」
「じゃあ、俺が下なら良いの?」
「良いワケねーだろ!」
取っ組み合いをしながらソファの上で揉める二人。最初は力一杯退かそうとしていた瑛知だったが、だんだんと疲れてしまい、こんなことをしてるのが馬鹿らしくなってきた。
「ったく……分かった!じゃあ環はソファの下で寝ろよ。それなら良いだろ?」
枕とタオルケットを渡し、ソファの下の絨毯の上を指差す。絨毯の上なんか嫌だと言い、あきらめるだろうと思ったのだ。
「……うん」
瑛知の言葉に、環は大人しくうなずいて枕を受け取り、そのままソファの下に座った。
「へ?」
妙に素直だ。先ほど怒鳴ったことが、まだ響いているのだろうか。
「なんだ、そんなに俺の近くに寝たいの?」
本気で怒っているわけじゃないということを伝えようと、軽くからかってみる。
環は顔を真っ赤にして、枕を掴んだ手に力を込めたまま一瞬固まってしまった。
「ち、ち、違っ……!!」
すぐさま口をわなわなと震わせると、瑛知に枕を思い切りぶつける。タオルケットを頭まで被ってソファの下で丸まってしまった。
「いってえ……なんなんだよ!?」
顔面に思い切りヒットしてしまい、鼻の頭が少し赤くなった。環のわけわらない行動に文句を言いながら、瑛知はソファに寝転んだ。
しん…と辺りが静まる。
「……こないだの、……アレのこと」
静まり返った空気を割るように、小さく環が声を出した。
「あれ?」
「……ケガした原因の……」
そう言われて、なんのことか思い出す。
「環が泣きべそかいてた事件か」
「か、かいてない!……とにかく、あれから瑛知、一回も学校、来なかったでしょ」
「うん、まぁ……」
環がなにを言いたいのかわからずに、瑛知は話を聞きながら思考を巡らせた。
「と、とにかく俺はソファで寝るから、環もベッドで……」
「じゃあ俺もソファで寝る」
瑛知の言葉をさえぎり、環は勝手にソファに寝転がるとタオルケットを被る。
「二人じゃキツいだろ!あっちで寝ろって!」
タオルケットを剥いで、環を引っ張って起こそうとするが環も抵抗する。
「添い寝するって、決めてあるから!」
「それはいらねーだろ!? いいからっ、早くあっちで寝ろってば!」
「やだ、瑛知と寝……うわっ」
環がバランスを崩した瞬間、狙ったように環をソファから引き剥がす。
「大人しく、そっちで寝ろよ」
勝った、という顔で環を見て、そのままソファに仰向けで横になる。軽く息を吐いて呼吸を整えると、目を瞑って寝ようとした。
……が。
ゴソゴソと不穏な音がして、なにかの重みが瑛知の体に突然のし掛かってきた。
「っ、何してんだお前は!?」
「え……瑛知だけ一人じゃ、寂しいでしょ?」
瑛知の上に押し倒すような体勢で乗っかって、無理やり一緒に寝ようとする環だが、少し華奢と言っても、瑛知と環の体格はほとんど同じ。当然寝るどころじゃなく、その上肌が密着するので暑い。
「重いし暑いっつの!上からどけってば!」
「じゃあ、俺が下なら良いの?」
「良いワケねーだろ!」
取っ組み合いをしながらソファの上で揉める二人。最初は力一杯退かそうとしていた瑛知だったが、だんだんと疲れてしまい、こんなことをしてるのが馬鹿らしくなってきた。
「ったく……分かった!じゃあ環はソファの下で寝ろよ。それなら良いだろ?」
枕とタオルケットを渡し、ソファの下の絨毯の上を指差す。絨毯の上なんか嫌だと言い、あきらめるだろうと思ったのだ。
「……うん」
瑛知の言葉に、環は大人しくうなずいて枕を受け取り、そのままソファの下に座った。
「へ?」
妙に素直だ。先ほど怒鳴ったことが、まだ響いているのだろうか。
「なんだ、そんなに俺の近くに寝たいの?」
本気で怒っているわけじゃないということを伝えようと、軽くからかってみる。
環は顔を真っ赤にして、枕を掴んだ手に力を込めたまま一瞬固まってしまった。
「ち、ち、違っ……!!」
すぐさま口をわなわなと震わせると、瑛知に枕を思い切りぶつける。タオルケットを頭まで被ってソファの下で丸まってしまった。
「いってえ……なんなんだよ!?」
顔面に思い切りヒットしてしまい、鼻の頭が少し赤くなった。環のわけわらない行動に文句を言いながら、瑛知はソファに寝転んだ。
しん…と辺りが静まる。
「……こないだの、……アレのこと」
静まり返った空気を割るように、小さく環が声を出した。
「あれ?」
「……ケガした原因の……」
そう言われて、なんのことか思い出す。
「環が泣きべそかいてた事件か」
「か、かいてない!……とにかく、あれから瑛知、一回も学校、来なかったでしょ」
「うん、まぁ……」
環がなにを言いたいのかわからずに、瑛知は話を聞きながら思考を巡らせた。