〜白薔薇の君〜
『シェリアさん…でしたね』
「あ、はい」
アレックスの掛けた声にシェリアはピンと背筋を伸ばした。アレックスは苦笑いする。
『そんなに堅くならないで。私はアレックス・フェルディナンドといいます。』
「はい、すみません…」
シェリアは気を抜いたように肩の力を緩ませる。
『シェリアさんの事情は分かりました。私から教官に話してみます、アスベルの事も聞いてみますから少しだけ待っててもらえますか?』
「よろしいのですか?お手数お掛けします。よろしくお願いします」
小さく頭を下げるシェリアを1人その場に残し、アレックスは教官室に足を向けた。
*
『失礼します』
許可を得てから、教官室の扉を開いた。中にはアレックスを教え子とする女性教官、ヴィクトリアがいた。
食後のコーヒーを傾けるヴィクトリア教官は訪れたアレックスに少しだけ驚いていた。
『休憩中に申し訳ありません』
「かまわない。アレックス、どうした?」
カタンとカップを受け皿に置いた音がする。アレックスは背筋を伸ばして、シェリアの事を話した。
*
「あなた……もしかして……アス…ベル…?」
「まさか…シェリア…?
シェリアなのか?」
七年ぶりに会った友人。姿は変わってもお互いを一瞬で見抜いた二人。
「…はい」
実地任務から戻ったアスベルは七年の時を経て友人であるシェリアと再会したのだった。
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