〜白薔薇の君〜
拍手連載
テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第21話
青白く光るマンホール…(パスカルいわく転移装置)。その眩しさに目を固くつむった。
とくに動いた様子もなく、そーっと目を開くと、そこはまた異質な空間が広がっていた。
地上の世界とまるで違う。エメラルド色の世界がそこにはひろがっていて、上も下も先が見えない。
落ちたらどうなるのだろう…などと考えながら、一歩一歩と足を動かした。
『どうなってるの…、これ。』
殺風景な景観だったが、なぜか見とれてしまう。
「ね、ね、すごいでしょ!地面の下にこーんな広い所があるんだよ!驚きだよね!」
『たしかに…、パスカルってばよくこんなの見つけたわね。』
「でしょー!」
遺跡のすごさをわかってもらえてうれしいのか、なおニコニコ笑うパスカル。さらに動きも加わり、若干不気味さが倍増した。
「これが遺跡か……僕たちの街の様子とはまるで違うものに見えるね」
「遺跡を作ったのは大昔のアンマルチア族だからね、違ってるのは当然でしょ」
「アンマルチア族…?」
『なにそれ?』
「アンマルチア族ってのはこうやって世界各地に残っている遺跡を作った種族のことね」
『世界各地…ってことは、ストラタやフェンデルにも?』
アレックスの問いにパスカルはもちろんと答える。
アンマルチア族なんて初めて聞いた言葉だ。こんなにすごい遺跡を作る技術を持ちながら、世間にほとんど知られていないのも不思議な話である。
遺跡に見とれるのもほどほどにしておき、一行は内部を進み始める。
しばらくして、魔物と戦闘を重ね、だんだん進むにつれてアレックスの様子がおかしくなってきたのを、まだ誰も気づくことはなく。
『………、』
次第に遅れ始める歩行に、ついに最後尾に至ってしまう。
そして、立ってもいられなくなったのか、ガクリと座りこんでしまうアレックスに一行はようやく気付いた。
「アレックス?」
「どーしたの?」
『ち、ちょっと…』
そういう彼女の顔は少し、青ざめていて。
心配して声をかけたアスベルとパスカル。
リチャードとソフィもすぐに駆けつけた。
『さっきの転移装置のせいかな…、目が回るの。耳にキーンって音が纏わりついてはなれなくて…』
「もしかしてアレックスて乗り物に弱いの?」
顔を覗き込むパスカル。
原因はおそらくさきほどの転移装置で間違いないだろう。
症状は…
「乗り物酔い…だろうか」
『う…』
「アレックス大丈夫?」
『平気だよ、ソフィ』
「とてもそうは見ないが…」
痛いところをつくリチャード
それに私は苦笑いするしかなかった。
「顔色がよくないな」
『元からだって』
「そんなはずないだろ」
「大丈夫かい?少し休もうか、」
『ほんとに大丈夫ですから!』
かたくなに譲ろうとしない彼女。
意地でもこのまま進むのは目に見えている。もとより自分のために時間を割くなど、したくないからだろうが。
へらりと笑ういつもより元気のない笑顔。
それを見かねたのか、アスベルがとんでもないことを考えついた。
「俺がおぶるよ。悪いけど護衛を頼む」
『は…?』
「わかった。魔物は僕たちに任せてくれ。ソフィ、パスカルさん、行こう。」
「わかった」
「あいよ~」
『え!?ま、待って待って!』
その声もむなしく、アスベルを除く3人はすたすたと先を行く。
『私、自分で歩くから!ねえ!』
「アレックス」
ん、としゃがみ込んで背中を向けるアスベル。
まったく人の話聞いてないし。
待ってと伸ばした手が宙に浮いたままさ迷っていて。
『……、』
「早く乗ってくれないか?疲れるんだ、この体制」
『だったらやめればいいじゃない』
「いいから」
『……、余計なお世話なのよ…』
「わかってるさ」
『人を年下扱いして…』
「年下だろ?」
『……。』
「アレックス」
『やだ』
「…無理するなよ」
『――!』
言い方がまるでお兄ちゃんみたいで。
私に“お兄ちゃん“はいないが、もしいたらこんなふうに面倒みてくれていたのだろうかと、一瞬考えてしまった。
そんなアスベルについに折れたのか、アレックスはもそもそと動き、その首に腕をまわした。
『ゆ、ゆっくりね』
「まかせろ」
『うわっ…!』
ゆっくりって言ったのに!
勢いよく立ち上がったアスベルに思わずしがみつく。
『ゆっくりって言ったのに!』
「あ、ご…ごめん」
そんなこんなでようやく遅れてアスベルとアレックスもその場から進み出したのだった。
『アスベルって何歳?』
「18」
『……。』
「アレックスは?」
『……、17』
やっぱり年下。
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テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第21話
青白く光るマンホール…(パスカルいわく転移装置)。その眩しさに目を固くつむった。
とくに動いた様子もなく、そーっと目を開くと、そこはまた異質な空間が広がっていた。
地上の世界とまるで違う。エメラルド色の世界がそこにはひろがっていて、上も下も先が見えない。
落ちたらどうなるのだろう…などと考えながら、一歩一歩と足を動かした。
『どうなってるの…、これ。』
殺風景な景観だったが、なぜか見とれてしまう。
「ね、ね、すごいでしょ!地面の下にこーんな広い所があるんだよ!驚きだよね!」
『たしかに…、パスカルってばよくこんなの見つけたわね。』
「でしょー!」
遺跡のすごさをわかってもらえてうれしいのか、なおニコニコ笑うパスカル。さらに動きも加わり、若干不気味さが倍増した。
「これが遺跡か……僕たちの街の様子とはまるで違うものに見えるね」
「遺跡を作ったのは大昔のアンマルチア族だからね、違ってるのは当然でしょ」
「アンマルチア族…?」
『なにそれ?』
「アンマルチア族ってのはこうやって世界各地に残っている遺跡を作った種族のことね」
『世界各地…ってことは、ストラタやフェンデルにも?』
アレックスの問いにパスカルはもちろんと答える。
アンマルチア族なんて初めて聞いた言葉だ。こんなにすごい遺跡を作る技術を持ちながら、世間にほとんど知られていないのも不思議な話である。
遺跡に見とれるのもほどほどにしておき、一行は内部を進み始める。
しばらくして、魔物と戦闘を重ね、だんだん進むにつれてアレックスの様子がおかしくなってきたのを、まだ誰も気づくことはなく。
『………、』
次第に遅れ始める歩行に、ついに最後尾に至ってしまう。
そして、立ってもいられなくなったのか、ガクリと座りこんでしまうアレックスに一行はようやく気付いた。
「アレックス?」
「どーしたの?」
『ち、ちょっと…』
そういう彼女の顔は少し、青ざめていて。
心配して声をかけたアスベルとパスカル。
リチャードとソフィもすぐに駆けつけた。
『さっきの転移装置のせいかな…、目が回るの。耳にキーンって音が纏わりついてはなれなくて…』
「もしかしてアレックスて乗り物に弱いの?」
顔を覗き込むパスカル。
原因はおそらくさきほどの転移装置で間違いないだろう。
症状は…
「乗り物酔い…だろうか」
『う…』
「アレックス大丈夫?」
『平気だよ、ソフィ』
「とてもそうは見ないが…」
痛いところをつくリチャード
それに私は苦笑いするしかなかった。
「顔色がよくないな」
『元からだって』
「そんなはずないだろ」
「大丈夫かい?少し休もうか、」
『ほんとに大丈夫ですから!』
かたくなに譲ろうとしない彼女。
意地でもこのまま進むのは目に見えている。もとより自分のために時間を割くなど、したくないからだろうが。
へらりと笑ういつもより元気のない笑顔。
それを見かねたのか、アスベルがとんでもないことを考えついた。
「俺がおぶるよ。悪いけど護衛を頼む」
『は…?』
「わかった。魔物は僕たちに任せてくれ。ソフィ、パスカルさん、行こう。」
「わかった」
「あいよ~」
『え!?ま、待って待って!』
その声もむなしく、アスベルを除く3人はすたすたと先を行く。
『私、自分で歩くから!ねえ!』
「アレックス」
ん、としゃがみ込んで背中を向けるアスベル。
まったく人の話聞いてないし。
待ってと伸ばした手が宙に浮いたままさ迷っていて。
『……、』
「早く乗ってくれないか?疲れるんだ、この体制」
『だったらやめればいいじゃない』
「いいから」
『……、余計なお世話なのよ…』
「わかってるさ」
『人を年下扱いして…』
「年下だろ?」
『……。』
「アレックス」
『やだ』
「…無理するなよ」
『――!』
言い方がまるでお兄ちゃんみたいで。
私に“お兄ちゃん“はいないが、もしいたらこんなふうに面倒みてくれていたのだろうかと、一瞬考えてしまった。
そんなアスベルについに折れたのか、アレックスはもそもそと動き、その首に腕をまわした。
『ゆ、ゆっくりね』
「まかせろ」
『うわっ…!』
ゆっくりって言ったのに!
勢いよく立ち上がったアスベルに思わずしがみつく。
『ゆっくりって言ったのに!』
「あ、ご…ごめん」
そんなこんなでようやく遅れてアスベルとアレックスもその場から進み出したのだった。
『アスベルって何歳?』
「18」
『……。』
「アレックスは?」
『……、17』
やっぱり年下。
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